Library

52)
池上正浩:「気」で観る人体(経絡とツボのネットワーク)、講談社現代新書、2002

体の学習はその形態(解剖学)と機能(生理学)が先ず基本になります。
解剖学は図譜などで形態を視覚的に示されて学んでいきます。生理学は生体の現象を
時系列で観察し因果律を理解し、システムやメカニズム、目的、つまり機能を学んでいきます。
実際は、これは同時におこなわれ、部位に応じた働きを知っていくので二つの教科は
視点の違いということになります。そしてそれを踏まえたうえで病気で異常になった
姿形や仕掛け仕組みを知る、いわゆる病理学に進んでいくわけです。
さて、医療、医学に沿って認識されているのが"気"ですが、その実在があるのかないのか
気になるところです。
この本では"気"の根本である経穴(つぼ)と経絡が図譜に明瞭に描かれ、その効果を解説しています。
その際、関連する臓器(六臓六腑)を照らし合わせてツボの効果や遠隔で治療する仕組み、
器官の働きや特性を鍼灸だけでなく自らの養生の秘訣も盛り込まれ記述されています。
原始の医療行為は'手当て'。中国ではその手当てを繰り返すうちに接触部位、強さ、深さと
効果の差異を見つけ、整理ないし法則性を紡ぎだした。それこそが経穴(ツボ)であり、
さらには中国特有の陰陽や虚実、明暗、静動の概念とその他の医学知見を重ねあわせ
ツボをグループ分けし、点を結んでラインを引いたのが経絡と言うことなのでしょう。
そして長い時間をかけ修正、淘汰され現在の体系が出来たわけです。
つまり、経絡は病理を解決しながら生理(機能を回復していく過程で)を知り、それをマッピングして
仮想のラインを人体に引いたという臨床現場からのフィードバックで形成されて来たんです。
まあ、そもそも科学はそうやって現場で困ってもがいて作られてくるものですからね。

したがって経絡は人の思索が作り出した機能のライン、エネルギーの伝道路、として実在しているわけです。。
血管や神経のように視覚では確認できないけれども、空間が無くても夢や記憶のように
明らかに存在しているものはあるわけですからね。
しかし、人には物証が欲しいという悟性の性もあります。そこで確認作業のアプローチが
盛んに行われていることも記述されています。
曰く、それは変調された低周波の遠赤外線であり、温熱変化、神経系を利用した類伝道系、
ホルモン分泌の作用(体液説)、発光エネルギーであると、非常に多彩です。
生体組織でなくてもいいのです。デジタルの値でかまわないから浮き彫りにして見てみたいのですが、
どうやら現在の人類の手持ちの科学ではいまだ説明が難しい複雑系なのかもしれません。
しかし、目をそらさず見つめていくべき対象だと強く思います。

以下、文中の有益センテンスを抜粋。
・ 唯心論(宗教時代)から二元論(デカルト)、唯物論(社会主義)への変遷と破綻。
 それゆえ折り合いのポイントの存在が精神と肉体の関係を模索する必要がある。
・ 注射針は針術にヒントを得た。
・ もともと"気"とは山や川に立ち上る陽炎を象形したものである。
・ 手をピストルね、ソフトボールを包むように両目を閉じ深く呼吸、掌で呼吸しているかのように
 →実在感、抵抗感、粘着感、熱感の発生。
・ 気は中焦から発生、横隔膜をあがっていく。
・ 特別な呼吸で体内に宿るエネルギーが気でありプラーナである。
・ 大腸肺、胃脾、小腸心、膀胱腎、三焦心包、胆肝は対応。
・ 偏重でなく平衡、放縦でなく節欲
・ 寒風を避けて皮膚と六腑を保つ、色を戒めて静を養い、思慮を正して神をやしなう、
 滋味を薄めて血を養い、言語を寡くして気を養う。飯や粥は三碗よりは二碗としたほうが良い。

51)
松井孝典:われわれはどこへ行くのか?、ちくまプリマー新書、2007
地球の、もとい宇宙の歴史をざっくりと知るにはベストの本だと思います。
ビッグバンから銀河、星の成長、マグマの海から沈静化していく地球、地球内の物質の分化、生物の誕生
、生物圏から人間圏への変貌、文明の光と影等、ほぼ全ての視点から地球の変遷を分りやすくイラスト入りで
説明しています。
いわゆる生態学の宇宙地球版とでもいえましょうか。以下、抜粋をして見ます。
・我々とは何ぞや=そうゆう汚染を引き起こすような存在とは何ぞや
・原始の地球=原始大気+マグマオーシャン+コアがプラズマ圏、大気圏、海、生物圏、人間圏などに分化。
・構成要素に駆動力が働きかけ関係性が発生する。
・駆動力=(太陽エネルギーと地球内部のエネルギー
・生物圏→(狩猟採集→農耕牧畜)→人間圏(地球のモノやエネルギーの流れをかえてしまう=文明という生き方)
・フロー依存型人間圏→(産業革命)→ストック依存型人間圏(地球全体型、エネルギー物質増大)
・地球システム存続のために時間をゆっくり→閉じた生活をする。(地産地消、旬、身土不二)
・人類は土壌を反映したような血を受け継いでいるものである。
・豊かになること→文化や学術を発展させるため
・モノVS機能(自分の時間を自由に使えることが人生にとって一番贅沢なこと)
・問いは具体的である必要がある
・アストロバイオロジー=火星、エウロパ、タイタン
・太陽光線量(雨量)とCO2

実はこの本「あとがき」を立ち読みして買いました。二元論と要素還元主義的な、外界を脳の中の内部モデルに
投影することが科学の身上だよとのコメントで、買い!!と思った次第でした。
これまたお勧め本です。

50)
平野弘道:恐龍はなぜ滅んだか、講談社現代新書、1988
地球が出来て46億年です。生物が現われたのが30億年前、その頃は地球上には酸素がなかったから
いわゆる嫌気性の生物でありました。それが生物の中の植物が酸素をどんどん作り出して10億年前には酸素が
相当に増えてきて、そして6億年まえの先カンブリア紀のエディアカラ生物群が蠢きだし、いよいよカンブリア紀の
生物の大爆発に繋がっていったわけです。オズドビズ、シリル紀と時代は流れ、デボン紀には魚類が覇権を
にぎるようになってきたんですね。いずれも動物たちは全員、海水の中に居たわけです。一方植物は4億年前に
一足早く地上に進出していて酸素濃度はどんどん増えて動物の陸上進出の環境つくりが為されていたんです。
さらにその頃、つまり古生代の終わりには地球表面は散らばっていた小大陸は集まりあって超大陸パンゲアになり、
新生代の三畳紀にはローラシア大陸とゴンドワナ大陸に再び分裂するという大陸の大変動が起りだしていて
海水面の上昇下降がくりかえされ、岸際に澄んできた生物の大絶滅(アンモナイト、三葉虫など)と脊椎動物の
陸上進出が行なわれたというわけ、、、という具合にこの本は地殻変動と大気変動、生物、植物、隕石、引力
運動エネルギー、角運動量など、多角的な視点から地球の非常に立体感のある歴史を学ぶことができる本です。

しかも、皆が大好きな恐龍のミステリーを中心に、それに絆されて一生懸命に読んでしまう。
こうゆう指導法は上手いなあって思います。

それとね、歴史というものの根源を見ることも出来るんですよ。古生代と中生代、中生代と新生代の区切りは
なんだと思います?そう、いずれも生物の大絶滅なんですね。後者はまさに恐龍ですね。
日本史だって、平家が滅んで源氏の鎌倉時代に、秀吉が滅んで徳川の時代になるんです。まさに世界が変わる
ってことはこうゆうことなんですね。

久々の進化論系、楽しいです。

49)
大島清:歩くとなぜいいか、PHP文庫、2007
なぜ歩くといいかというと、元気になって、気持ちがつよくなるから!とこの一言に尽きますね。
つまり健康になると言うことなんですね。
いろいろ、理由はあります。
1、 人は直立二足歩行であるのが身上。歩かないと人間で無くなる。2、拍動に類似したリズムによって
下肢の巨大な筋肉にある循環を促進する。3、腹背筋のバランスの補正。4、のみならず、あらゆる筋肉の
活性を上昇。5、有酸素運動で脂肪消費でダイエット効果大。6、基礎代謝をあげる。7.動脈硬化抑制。
8、がん予防。9骨粗しょう症の抑制。10、免疫力増大。11、睡眠障害予防。12、鬱予防。13、ボケ防止。
といた具合に、なんでもよくなるのです。
この考えは姿形(行動形式)としかけしくみ(機能=健康度)、とは表裏一体であって、人間は人間らしい行動を
とることが、それのみが健康に直結できるという仮説、いや信念にもとずいています。
人は魚ではないんだから泳ぎで健康を得るのも違いだろうし、特定の筋肉使用に特化した様々なスポーツも
違うでしょうね。現にスポーツ選手の寿命(いろいろな意味で)はけっして長くない。
人間は雑食(多咀嚼)と直立二足歩行は健康に多大に有効であることは進化を考えれば明白な直覚があるのです。
信じます。


48)
佐貫亦男:進化の設計、講談社学術文庫、2009
地球誕生46億年、生物36億年、顕性動物6億年、この長さを体感しにくい遥かな道のりを、
誰もが興味を引く生物の姿形、デザインという視点を通して、その変遷、栄枯盛衰を話してくれます。

著者は航空工学の専門家で、理系の中でも、ことさら理系よりの方なんでしょうけど、私感ですが、
そうゆう方の文章というのは大体において非常にシンプルで分りやすいですね。
事実関係だけを誤解無く伝えたいという科学者の性向なのでしょう。
濃厚な文学の凝った比喩は煩わしく感じることがあったりするのは当方のレベルが問題なのですけれど、
スパッと結果を示すのが私の趣味です。
専門外の生物学のバイアスが少ない分、一般の我々の持つ疑問を、同じように取り上げてスパスパ切っていくのは
気持ちが良いです。ああ、そうやってやり過ごせばいいのだな、、それでヤッパリ良いのだなと。
結果としてこの地球の長大な歴史を身近な出来事として理解することが出来ます。

と同時に、門外漢の斜に構えた気楽さが漂い、軽妙なユーモアが随所に表れことが影響してか、
進化の本としては実は極めて小説的な楽しみ方も出来る楽しい本だと思います。

 氏は最後に、"人間らしさ"の重要性を、我らの来し方行く末を通観し、案じ、強く強く訴えて来て来ますが、
非常に素直な、静かな気持ちで同意してしまう自分を発見することが出来ます。
読まれる方どなたも、きっと同様な良い読了感を持つことが出来るでしょう。


47)
南雲吉則:50歳を超えても30代に見える生き方、講談社新書、2011
いわゆる健康本です。タイトルにビビッときました。
裏切られない実用的な知識は大概、経験則での話が多いものです。経験則は、ある意味
生活の中での実証ですから信頼できるわけです。
それでいいのですが、それぞれに理由が欲しい。
人の悟性には因果律を求めるところがあります。
よくプチ成功者のインタビューコメントに、「私は何故何故といつも仕事に理由を求めて来た」と、
教訓的に言う方がいますが、そんなことは当たり前なんですね。誰でも、嫌でもそうなってしまうんです。

この本は経験則での方法を支持し、そのメカニズムをとってもリアルに楽しく説明しています。
読み進めると、健康志向そのものをエンジョイできるようになってくるんですね。

なぜか!
それは、一つ一つの健康ヒントに楽しい具体例、比喩を持ってきていて、さらにそこから派生していく
人生観や物語が満載だからなんだと思います。
秀逸な因果律がちりばめられているということです。しかも平易な表現で分りやすい。
ミミズと人間の相似性の件は最高にイケテマスよ。

 そして、この知識をついでに忘れないようになればもっと良い。
記憶しやすいのは意味記憶やエピソード記憶のパターンですから、その観点から言っても、
このスタイルは素晴しい。

さあ、30代になっちゃろう。


46)
帯津良一、幕内秀夫:なぜ「粗食」が体にいいのか、知的生き方文庫、2009
栄養学や生化学、特定の実例を根拠にした食事法が多い中、食の歴史、民族、風土など、時間の厚みと、
地域的な差異を網羅し、広い意味での自然科学を基にした食事の指南をしている本になっています。
生命場、身土不二、食事における純粋栄養学的側面と心理精神的側面の存在、食材の優先順位等
納得しやすく取り入れやすいことが多く記載され、健康改善に大いに役立つと思います。
問題点としてあげていることは、過食、欧米化、ビタミン・ミネラル・微量栄養素の減少、精製食品の増加
食密繊維の減少、化学物質の急増です。
これらを回避する方法は和食で粗食にするということだとしています。
具体的には大事な順から、ご飯をきちんと食べる>飲み物で満腹にしない>未精製米を摂る
>砂糖、異性化糖を摂らない>副食は旬の野菜>動物性は魚介類>揚げ物を控える>発酵食品を常食に
>安全な食材選び>多咀嚼
といった具合になります。
一日、二食の生活も可でした。
しかし、楽しみの食事の重要性も指摘していて、時に華やかな心躍る食事は大切なことだそうです。

この本を読んでいて、ウエストン・プライスの「食生活と身体の退化」という本がダブってきました。
私にとっては衝撃的な本だったのですが、ほぼ同じ視線を持っています。

この本(いずれも)を読んでみれば現在の食生活の問題点とその理由が素直に理解できるはずです。

45)
河合信和:人の進化700万年史、ちくま新書、2010
ちょっと久しぶりのピュア進化系です。
いや、やはりこの分野は面白い。読んでてワクワク、ドキドキです。
良く出来た小説みたいな快感があり、しかもドキュメント、さらには今後もどう展開していくか
わからないと言う続編は永遠に連なっていくわけです。

著者が「人類進化のズグソーパズルが全部で300片あるとすると、現在は30片ほどのピースで
ストーリーを作っているようなものだ」といっていますが、それでも充分に楽しい。
今後の展開が情報量と解析方法とリンケージの向上で加速されるような感じがします。

この本は大局を俯瞰でき、要所要所のエピソードについて、頭に浮かぶ疑問を一つ一つ解明していく
形式がそれとなく採られていて大河ドラマをみているような安定感と楽しみを備えています。

すこし時系列で概要を流してみますと、サハラントロプス・チャデンシス→アルディピテクス・ラミダス→
アウストラロピテクス・アファレンシャス(ルーシー318万年)→A・アフリカヌス(タウングチャイルド)→
ホモ・ハビリス→ホモ・エルガスター(トゥルカナボーイ153万年)→H・ハイデルベルゲンシス→
H・ネアンデルターレンシス→ホモ・サピエンス、、、となります。
言うまでも無くこれはこのまま進化変異してきたわけではなく、、様々な枝分かれをしてきた別種で
時には同時代を何種ものホモニンが並存していたんですね。

今回、読後にすっきりしたのは大地溝帯の周辺と南アフリカ周辺の二大発掘エリアでの発見された
ホモニンの関係を学ばせてもらえたこと。
つまり大地溝帯のA・アファレンシャスの地域種が南のA・アフリカーヌスでそれぞれの頑丈型が
パラントロプス・ボイセイでありP・ロブストスなんですね。
化石の量的な観点から進化史の中心は大地溝帯みたいで、A・アファレンシャスからボイセイが分離して
遅れてホモ属(ハビリス、エルガスター、ルドルフェンシス)が分かれた形をとっています。

これが約250万年前、その後200万年前に第一次出アフリカをおこなったのがH・エレクトス、
アフリカに残ったH・エレクトス(H・エルガスターと別称される)から104万年前にH・ハイデルベルゲンシス
が分かれ、その65万年後にその中から別種のホミニンが分かれた。
即ち、完全肉食、高消費カロリー(4000Kカロリー)でイヌイットのような体型、赤毛で碧眼、白色ソバカスの
古人類学のスター、ネアンデルタール人であります。
ネアンデルタール人は2万8千年前に絶滅したのですが、現生人類とは1万数千年も同時代を生きていた
事に成ります。キリストが生まれてから今までの年月の10倍近くもですよ!!

現生人類は20万年前にやはり、H・ハイデルベルゲンシスから種分化し、6万年前に第二次出アフリカを
行なっているんですが、もちろんホモ属以後はネアンデルタール人やH・ハイデルベルゲンシスも世界に
散らばっていたみたいですね。

2003年にみつかったH・フロレシエンシスも2010年にシベリアで発見されたデニーソヴァ人も、そこらに
ルーツがあるようです。そうそうシンプルなわけはないんですよねえ。

本文ではホモニン(人類)の名前が夥しく出てくるのだけれど、慣れてくるとトルストイの小説の登場人物の
名前より楽だし、ずーっと確定されているので覚えちゃえば安心です。
全280頁、適切な量、濃密な内容の非常に楽しい良書です。

44)
鴇田昌之、篠崎文重、武田信一、巨海玄道:初めて学ぶ力学基礎、JB企画、2009
出だしは、フムフム、、、でしたが、二次関数的に難易度が急上昇。
解らぬところを踏み倒しながら(見なかったことにして)一応、目を通したという本でした。
必要な基礎知識が欠落しすぎております。

特に微分積分ですね。
養老孟司さんが、微積は究極へと想いを馳せる、推測、想像力の育成に重要だと
いっておりましたが、そういう概念だけが残っていて、他はスッカリ消滅していましたねえ。
例の独特の数式がバシバシでてくると、悲しくなります。

以前から必要に思っていて、奮起して読んだんですが、ああ、数学も読み返さないとダメみたい。
例題やんなくてもいいから、”中学生のための微積”なんての探そう。(そんなのないか、、)

43)
栃内 新:進化から見た病気、講談社、2009
私は現在、一日の食事を昼夜の二食だけにしています。朝は果実ジュースを飲むだけ
にしていますので、厳密に2食とはいえないかも知れませんが、このジュースは繊維を除いたもの
なので消化器の負担はほとんどありません。もう6,7年になります。

また、10年前から仕事の行き帰りは徒歩20分を基本としています。
休みの日の昼近くまでの朝寝坊もここ10年はしていません。

こうした生活習慣の規範を刷新してきたのは、過去の健康本(石原結實さん、
安保徹さん、小山内博さん、三木成夫さん等々)を読んで、実際に試してみての
自分自身の体調の好感触からでありますが、背景には人類進化の中でのヒトの身上に沿うかどうか
という視点、意識があり、本採用をするかどうかの判断基準だったように思います。

進化生物学者のドジャンスキーの「生物学(医学も)では、進化というものを考えに入れなければ、
なにひとつ意味を持たない」という言葉が表すように、生物38億年、脊椎動物5億年、人類700万年、
ヒト20万年の進化の圧倒的な実績と、政治的、経済的な理由などもあったりする現在の医学常識とでは、
信用の重きを置く選択に迷いはもてませんでした。
もとより天然自然の真理のうち科学がどれほど解明してきているかをみれば、これは一つのバイアス程度に
認識しておくのが安全ではないかなと、思う次第であります。

本書の中に、
「進化という時間スケールからみるとあまりに短い時間で発展してきた現代医療というものを、
長い時間をかけて起こる進化というプロセスによって獲得された生物のさまざまな性質とすりあわせようと
努力することが大切だ」
とありますが、まさに"我が意を得たり"であります。

健康と生物と進化に興味があれば必然的にこういった発想になるんですね。
これらの視点からの医学の捉え方、修正を加えた医学を"ダーウイン医学"というのだそうです。
関連本も多数あるようで、この学問の、いえ、あらゆる学問の裾野のひろさを再認識するばかりでした。
すごく解りやすい本ですよ。


42)
アインシュタイン、インフェルト著、石原純訳:物理学はいかに創られたか、上下巻、岩波新書、1995
 大人の趣味というのは、子供のころの好きだった遊びにその源流があるといわれますが、山遊び、虫取り、
生き物飼育(犬、鳥、虫、魚、etc)で明け暮れた私が行き着いた趣味がFFだというのもその一例でしょう。

そういうことで生物周辺には興味があって、恐竜学、生物進化学、生態学などを読んできましたが、
ふと生物と非生物ということが気になってしまうことがありました。
分子、原子などから物質、空間、力学へと想いがめぐってしまいます。
そんなわけで物理学です。

タイトルから、おっ!成立の歴史を知るスタイルだ!とさっそく購入。
著者はあのアインシュタイン、ちょっとびびりましたが、きっと一流は平易なことばで諭してくれるであろうと
予測しましたが、読んでみると、そうであったり、なかったり。
上下2巻ということもあり、読了まで随分時間をかけてしまいました。

お話の流れは古典物理学の確立から、その絶対時間と慣性座標系の廃棄と量子物理学への転換に至る
というものでありました。
印象深かったのは、物理学における理論構築への根源は、人間の観念や思索であり、
求めているのは実在の形象と感覚的印象の連関の確立だということでした。
もっとも純粋な科学のイメージをもつ物理学にして極めて人間的な創造物であったことに驚いた次第です。

仮説と実験の繰り返し、弁証法による淘汰によって、どの科学者も憑かれたように研究をおこなってきました。
しかし、なぜにこのように、執拗に、泥臭く、学問をして行くのでしょうかという問いには、
人には「理解に対する永遠の憧憬」と「世界の調和の強固な信念」が備わっていると答えています。
そしてそこに障害が増せば増すほど絶えず強められて行くとも。

しかし、わかっていないことも多い、それも中核とさえいえるようなことおいてです。
光は波でしょうか、あるいは光子(光量子)の驟雨でしょうか、このいずれもが実在を矛盾なく説明できない
でいます。皆、相当苦しんでいます。

う〜む、学問も仕事も生活も、いずれも戦いなのだと思いました。


41)
河合信和:人類進化99の謎、文春新書、2009
生物進化、とくに人類進化についての系譜は10年ごとに書き換えられるといわれていますが、
現在のところ、この本に記載されていることが最もup to dateでありましょうか。
見開き2ページに一つのテーマについて簡潔にまとめられていて読みやすいですね。
いろいろな祖先たちが入り混じって同時代を生きていたことが良く現われていて先史の
世界の様子が浮かんできます。
特出すべきは巻末の系統図です。
多くの文献を読まれてきた方には、非常に明解に感じられることでしょう。

0)
池内 了:物理学と神、集英社新書、2005
人類文明の夜明け、私達人類は、それまで世の規範であった神の世界から
少しずつ、少しずつ自然のメカニズムを剥ぎ取り、科学を築いてきました。
この本は、その自然科学の中核であった物理学を基軸にした長い科学発展の歴史の
神との対話を描いています。

物理学の更に上位の学問というのは、物理学(physics)の上位(meta)ということで
metaphysics(形而上学)と呼ばれています。観念と認識、存在論というイメージの世界ですね。
めちゃ難しい世界です。面白いですけどね。

というわけで、現実の空間世界では物理はやはり中核であって、化学、生物、地学、
はては経済学までも物理学は理解には必須です。

この物理学の発展には数学が有効であるという特徴を示したのがデカルトです。
この件と公理的主義(感覚より理性を信用する手法)と保存原理をあわせてデカルト主義
といいますが、このあたりから現在までは基本的に同じベクトルの進化を続けているようです。

すこし手前味噌ですが、この時点までの人類文明を眺めて見ましょう。
その前にもちょっと前からも見てみます。
130億年まえにビッグバンから宇宙ができて、46億年前に地球が出来、30億年前に
生物が誕生、5億年前にエディアカラ生物群、カンブリア生物群の生物大爆発が起きて
1億年前に恐竜が繁栄、6000千万年前に人類のルーツが生まれ、700万年前に
直立二足歩行である人類の祖先が出て、20万年前にホモサピエンス(現生人類)が
生まれたんですね。

その10万年後アフリカから世界中に人類は散らばって、ニグロ、モンゴロイド、コーカソイド
の人種も出来てきた。約5万年前くらいのことです。
狩猟ノマドであった人類は気候の変化で定住を余儀なくされ、1万4千年前にコメを、
1万2千年前に小麦を飼うようになってきたんですね。農業の発明です。
この農業による備蓄力、生活の安定性、余裕が世界に文明を起こさせたわけです。
そして学問体系として、とうとう世界の四大哲人が期を同じくして2500年前(BC500)
に出現したのです。
孔子、釈迦、ソクラテス、第二イザヤであります。

ソクラテスの弟子がプラトンで、その弟子がアリストテレス(前384−322)です。
天道説のアリストテレスです。
これをコペ転でひっくり返したのがコペルニクス(1473−1543)です。
この辺り16〜17世紀が物理学の転換期になります。
ガリレイ(1564−1642)も先のデカルト(1596−1650)もニュートン(1642−1727)
もこの頃の賢人ですね。
考えてみると、この時代は相当にエキサイティングな世の中だったんだろうなあと想像します。
毎日ワクワクでであったでしょう。

ともかくその後、レトリック、メタファー、弁証法などを駆使し科学は進化してきたわけです。
この物理の歴史のエピソードが多く記載されています。
永久機関と物理の発展、錬金術と化学の発展、パラドックスの効用、混沌とカオス、
非線形+量質転換+多彩チャネル+ユラギ=複雑系、ストレンジアトラクター、
自己相似的+ベキ関数=フラクタル、エネルギーが満ち満ちた真空からのエキスポーズ
→ビッグバン、、、、、、、、、。
量子論あたりになるとかなりキツイ内容になるのですが、それ以外は割合すんなり理解
できる内容で、平易な表現が著者の力量を示しているように思います。

この本を読んでいて感じるのは、まあ、なんとも、人類の知りえた知識は少ないな!
ということです。
既知の知識に対する未知の物が神なのかも知れませんね。
巻末に著者は以下のように述べて締めくくっています。
「私たちがまだまだ無知であることを謙虚に学ぶ為には歴史を読み直すことが一番である」
無知の知があれば落ち着けるわけです。

楽しい本でした。

39)
北園大園:へんな古代生物、彩図社、2008
帯には「キモイ、デカい、意味不明!!」とかいてあります。
一匹一匹イラストとキャプションが見開き一ページにかいてあります。
説明書がくわしい図鑑ですね、これは。
御案内の名前が沢山出てきますよ。アノマロカリス、ピカイア、ハルキゲニア、アランダスピス
ステゴザウルス、アロサウルス、ティラノサウルス、スミロドン、、、、、
説明がおちゃらけていて、まあ面白いですがねえ。ちょっとねえ。
もう少しまじめバージョンが欲しいところですねえ。

38)
中原英臣、佐川峻:進化が変わる、講談社ブルーバックス、1991
現行の学問には個体差を許さないというようなところがあって、
もっぱら万能、普遍性がもてはやされている。生活実践の応用としての科学、
つまり生活と闘う武器という側面からでも"伝家の宝刀"的な、このコンセプトで
なんでも理解、解決ができる!そんなものを連続因果律の元、探し、集約しようとする
ところがありますね。

科学の世界で最も人気のある分野が"進化論"と"宇宙論"と言われていますが、
ここでも、万能なるものをもとめて理論構築を目指していて、お互いに論争が
繰り返されています。

この本では、
1) ダーウイン論、ネオダーウイン論(突然変異+自然淘汰)
2) ラマルク論(獲得形質+用不要:進化論の祖)
3) 中立説(変異は有利不利関係ない)
4) 断続平衡説(進化はリニアに進まない)、
5) 今西論(棲み分け+種社会―――自然淘汰の否定、還元主義への挑戦)、
6) 連続共生説(細胞間の合体)
7) ウイルス進化説(ファージ変換)
8) 成長遅滞説(浅間一男:環境因子―幼形成熟+ポリジーン)
9) その他:隔離説、生殖質連続説、定向進化説、内部進化説、
  移動平衡説、血縁選択説(レミングの例)、定向突然変異説。

などを挙げて、それぞれの論拠を比較検討しているんですが、なんといっても
ダーウインとラマルクの対照は中核であり、"生物の主体性の有無"
"進化の方向性の有無""競争か協調か"などがテーマとなっています。
というわけで進化研究に関する総集編のような本でした。

その他にも、生物絶滅(6、5億、5,0億、3,6億、2,5億、0,6億年前)の原因や、
ヒトのルーツ(ヒトは分子時計では6〜700万年前に出現、実際の化石では700万年前の
ものが確認。ニグロとは10万年前、コーカソイドとモンゴロイドは6万前に分離)などなどが
記載されていて楽しいです。

37)
西田正規:人類史のなかの定住革命、講談社学術文庫、2007

このタイトルからは、「おー、狩猟から農耕にかわった、そういったお話ね」と
購入し、ツンドク群に混入されてたのですが、どうも気になって繰上げし読書開始
となりました。
そしたら、びっくり仰天の面白本でした!

進化を、生き物・動物の性癖、本性に元ずいた解釈、説明で、無理の無い納得至極な
流れで展開、進行していきます。

この周辺の一般的な既存の知識とはかなり異なった解釈なんですが、どうもこちらの方が
矛盾が少なく、より真実に近いように思われました。

というわけで、本書の見解をあわせて、人類史の流れの概略を記載してみますね。

700万年前に人類が誕生したのですが、その出自は類人猿の先祖であります。
その後分化した類人猿と思われる現行の種としては小型のテナガザルと
大型のゴリラ、チンパンジー、オランウータンがいるんですけれど、その中間の
中型がいません。そしてまさに、その中型のが人類になったらしいんですね。
そしてそこのサイズのニッチェにはその中型類人猿とサル類のオナガザルがいて
熾烈な生存競争をしていたらしいんです。

獰猛なサルたちと戦うために、原始人類はブラキエーションで鍛えた視力、視界、姿勢と
手の器用さと知能を駆使し、棒や投石でオナガザルと対抗してきたらしいんです。

しかし、種の外部への適応には有効であった武器が、同属の仲間には危険極まりない
存在になってしまい、仲間との闘争が始まってしまった時には甚大な結果になるので、
その争いにおける安全装置として、進化的コミュニケーション、つまり言語ができたと
とまあこうゆういうことなんですね。
挨拶やご機嫌取り、不満や、罵倒などの表現として、暴力実行回避や緊張緩和が根源的
目的であったらしいんです。

論理性や効率性、生産性などを目的とする情報伝達としての言語は人類の開拓(拡散、
つまり出アフリカ)以降に目的達成への道具として発展してきたそうです。
氏はこれを”安全保障の言語”と”仕事をする言語”といっています。

そうすると、非論理的な話や、無駄話、おしゃべり、井戸端会議なんぞは人間関係の
緊張緩和、平和維持のための大切な行為なのですね。

ちなみに、資産分配や結婚も社会における緊張緩和、平和維持を目的に発明された
としています。

昨今の経済、生産、効率至上主義の傾向により、井戸端会議やおしゃべりが減り
引きこもりや、激しい争い、犯罪発生の一因になっているように思われますね。
”ダベリ”の効用は大きなものなのでしょう。

ともあれ、そんなこんなで人類はそれから世界に拡散していくのだけれども、基本的に
彼らは狩猟採集によって生き続けてたわけです。そして最後の氷河期暖解のときに
中緯度エリアにおいて四季が発生し、継続的、安定的狩猟採集が不可能になり、
定住を余儀なくされたらしいんです。

定住した居住地周辺の環境には変化(インパクト)がおこり、栽培に適切な植物が集合して
農業が誕生したわけなんですね。
それが約一万年前(コメー1,4万、小麦ー1,2万)です。

それから余剰資産の累積が文明と形を変え、BC5には4大聖人に象徴される哲学が
うまれ、現在の科学技術の現在へと繋がると言うわけです。

ほかにも私の数年来の疑問が、思いがけずドンドン消化できた本でした。
各年代が時系列でグーンとリンクすることが出来たここ数年のなかでもベスト3にはいる
進化系の本です。
5回ほど背中がゾクゾクして感動ものでしたあ。

36)
松井孝典:地球誕生と進化の謎、講談社現代新書、1990
 
 えー、一応、高校では地学も習っていたんですが、地球の構造等については
すっかり忘れてしまっていまして、そういえば、、、、、ということが最初の段階で
発生いたしました。
地球の磁力はダイナモ効果で起こっているのって、きっと、常識なんでしょうね^^;
地球の年齢は、隕石の調査でわかったんですってね、、46億年、、、^^;
原核生物が36億年、真核生物が17億年、それが10億年前に多細胞へ
7億年前でクラゲ系が、、そんでもって5〜6億年前のカンブリアで大爆発、、、、
3億6千年前に哺乳類が出現、2億5千年前と6千年前でに生物大絶滅、、(これは別ソース)
類人猿はこの当たりに出現、、、、、、
このへんからは少し身近になりますね。

10億くらいの数だった人類が産業革命からのここ一世紀あまりで約6倍に大爆発したのは
25億年前に酸素濃度が急上昇したことと似ているし、現在の二酸化炭素上昇問題も
生物の地球環境への影響という視点では同質なのでした。
必然だそうです^^;

そこで発想は宇宙へ飛び立ちます。
金星でなく、火星でもなく、地球に生物ができたのは、ここに海と大地があったから。
それどうして??
物理と化学の知識不足で悲鳴を上げ続けた本でした。

35)
犬塚則久:「退化」の進化学、講談社ブルーバックス、2007
人の体とサカナのシステムを対比していくことでヒトの器官の本性を
探るスタイルは多いのですが、この本でもふんだんにとりあげております。
ウオルフ管とミュラー管の退縮の構造はわかりやすいし、”鼠径”の由来など
ふーん!がイッパイ。。

34)
安保徹:自分ですぐできる免疫革命、だいわ文庫、2007
 安保氏は「病気はまさにその人の生き方そのものの現われである」と
とうとう言い切りだしました。医者としての誇り、信念を感じる表現です。

安保氏は結局、自然の法に則した生き方こそが病気から逃れる術だと説いて
いるだけなのです。本当にそうだと思います。

しかし、ストレスが好奇心や闘争心、活力となって生物は生きているし進化も出来る
わけで、だからストレスは生き物、なかんずく人間には付き物で、そうなると当然
病気がなくなるということも無いのだよ、とも言っています。

ただし、現在の人間社会、生産社会からのストレスは過剰であることは現在の
疾病疫学状況から明らかであり、人類の進化と、自己実現の価値、あるいは
人生の充実度、さらには個人の健康の観点から、どの程度のストレスを容認すべきか、
よくよく考えないといけないわけですね。

でもね、ここでいちばん肝心なのは地球の健康。なのですね。

33)
養老孟司:ぼちぼち結論、中公新書、2007
世の中、良く解らないことは山のようにありまして、釣りに行っても、
何で今日はこんなに天候もよく虫もブンブン出ているのに魚ッ気がないの??とか、
こんなでかいフライになんでアッサリ出ちゃうわけ??とか、
既存の知識を裏切る状況だらけと言ってもいいくらい不思議なことばかりです。
このことを氏は「まだ情報化されていない世界が不思議なことなわけで、
          それがだから面白く、自然にくりだす楽しさはそこにもあるのだろう。」
といっております。

氏は虫取りが趣味なのだけれど、これは自然のひとつの象徴であって、
氏の虫取りについてのくだりは、"虫取り"を"釣り"に置き換えてみても
まったく同じに表現できるんですね。まったく愉快になってまいります。
とくにP174は、自分の鼻の穴が膨らんでくるのがよーく解ります。
そこの文中に、こんな台詞があります。
「自然に直接に接すること、そこからなにかを情報化すること、
これが私がやってきたことである。」、、

うむ〜。

32)
梶田 昭:医学の歴史、講談社学術文庫、2003
息子の学校の歴史の授業内容に驚いた。なんと、アウストラロピテクスからハビリス、
直立原人、ネアンデルタールときわめて詳しく話されており、我が中学時代の内容とは
雲泥の差がありました。
願わくば42億年の歴史もダイジェストでやって欲しいものですが、
いずれはそうなると思います。

この本は医学史に残っているアスクレピオスやヒポクラテスの記述に先だって、
呪術、さらにはおサルの”毛つくろい””手あて”に医学の起源をもとめており、
医学を「慰めと癒し」の技術と言い切っています。

歴史をたずねることは本質を知るために重要だけれども、源流に行けば行くほど
焦点が合ってくることが多いのは、医学や人類学(狭義の歴史学)など、
分野にかかわらず、同じなんですね。


過去の医学は、今となっては荒唐無稽と思える”科学”が実践されてきました。
その都度、洗練されては来ましたが、”あやまち””間違い””不明”が消え去ることはなく
これは、現在も理論的には同じです。
ようするに医学や科学には”解らない””善悪判定不能”ことが沢山あって、そして
それを忘れないことが肝要であることも、もう充分学んできたはずなんですね。

17世紀のイギリスの医者にシデナムという人が居たそうですが、その言葉に
「何も読むな、ドンキ・ホーテだけでたくさんだ」というのがあります。
”病気をみるな患者を看よ”、ということなんでしょうが、”科学に負けるな”とも
とれます。
科学の適応に”不審”の態度を持って、それに振り回されず、
”心情と情緒”で科学の中の汚濁を消すことが、よりよい結果を出せるし、
科学の適応の間違いを減らすことが出来るのだよ、といっていると考えます。

慎重に、出来るだけローインパクトに、なんですね。
そんなことはエコや自然の儚さ、人工の危うさなどから、もはや常識なはずなのに、,,

全ての医療従事者に勧めたい一冊。

31)
立花隆:脳を究める、朝日文庫、2001

もともと知の全域を含んでいた哲学は、諸分野の科学に財産分与で譲り渡し
現在は認識論と存在論が中核になってきているのだけれど、その思弁の場である
脳の機能の解明によって統合されてしまうのもそう遠いことでもないかもしれません。

しかし、この本は面白いけれど、まあ論文読んでるみたいで重かったわ。


30)
河合雅雄:子どもと自然、岩波新書、1990

文明の進歩にともない、生活環境はどんどん人工化していくわけだけれど、
やはりヒトは自然の存在そのものなわけだから、生物としての主体性を確保することが、
身体的にも精神的にも生活設計という面からも、今、もっとも大切なことということを
この本は説いています。

本のタイトルから感じられる教育的なものというよりも、自然と文明文化との
適切な折り合いのつけ方、生活の工夫の話のように感じられます。
養老氏のいう、「ボタ山と雑木林の村里」を連想させます。
こういった志向は多方面から指示されてきているように思います。
現代が疾走している姿への地道な警鐘なのですね。

文中、とくに印象深かったコメントは
*一度できあがった悪い関係は大変強固であるが、良い関係は非常に脆く、修復が
 難しいということだ。それは人間関係についても、子どもの躾についても同じである。
*感性は知性との強固な結合によって世界を深く認識する機能を発揮する。
*まず、自然の中に包まれ、体にしみこむごとく自然を感じ取ることが大切だ。
*春の里山は、ファンタスティックな動植物の宴の世界だ。
*子どもの時から自然に親しむことを見にしみこませておけば、自然に還る心の
 準備をととのえるにも大きく役立つことだろう。
*勉強には、知的開発とそれによる知的快楽という大切な基本を織り込む必要がある。
*勉強に熱中できるのは、現在持っている能力レベルより少し難しい問題に
  向かった時である。
>>>これは簡単なライズの釣りは飽きてしまうし、難しすぎるスレスレ山女ライズは
  げんなりしてしまうが、微妙に難しく、かつ、イメージに近い釣れ方のゲットが
  いわゆる納得の一匹って思ってしまう我々には非常に解り易いですな。

29)
西原克成:健康は呼吸で決まる、実業之日本社、1998
これも古い本、これは古本屋で見つけました。
呼吸と食事と睡眠が健康になる生活の三つの大きな視点です。
これらを結びつけるキーワードは免疫力と造血機能。
海に漂うムカシホヤは波のリズムで呼吸をしていた。
これが呼吸の原形。
腹式呼吸と循環の関係など、三木成夫先生のお弟子さんであることが
よく解ります。

28)
養老孟司:解剖学教室へようこそ、筑摩書房、1993
ちょっと古い本ですが、ネットで見つけました。
解剖のこと、実にわかりやすく紹介しています。断片的な記述なのですが
要所要所を押えていて、さすがです。

27)
松井孝典/南伸坊:「科学」ってなんだ!、ちくまプリマー新書、2007
まったく何もわからないところを自分で切り拓いていくというこの楽しさ!そういって
学問や科学の魅力を語ってくれますが、しかし、夢物語になっちゃいけないよ!と
いって注意も促してくれて、両方から科学の現況を示します。

”でね、UFOについては宇宙に生命体が居る可能性はあるけれど、
地球の近くに飛んでくることは在り得ないのね!”と明解に言い切ってしまいます。

それはね、100光年の範囲を観察しても、生命体の居る惑星は見つかっていない。
ある程度の質量になると光速での移動は不可能なことは解っている。
すると、仮にその一万分の一のスピードでやって来るとしても百万年かかってしまう。
この期間をUFOという閉鎖空間で過ごせるのは単細胞動物くらいしかない。
そんなわけなので操縦可能な知的生命体がやってくるなんて無理。、、、なな!

といったグワイにバッサバッサと切倒される快感はなかなかよ〜

26)
養老孟司:いちばん大事なこと、集英社新書、2003
環境論について、養老氏の思考は飛び回ります。
環境論は座学では理解できない。現実に自然の中に身を置かなければわからない。
なぜなならば、自然は理屈で説明しきれないことばかりで、それは感じるより
ない。そして環境は自然そのものであるからです。、、、、、
というところが私的な解釈文です。

忙しい氏は口述文形式の本がおおいのですが、この本は相当の加筆があったようで
極端に難しくも無く、かつ充分読み応えのある楽しい本です。
氏の意見を読み進むと諭されているようで、現代の論語という感じがしました。

もういちど読み返すべき本なのですが、次の本をよみだすんでしょうなあ。

25)
三木成夫:人間生命の誕生、築地書館、1996
これで4冊目、解剖の出身ですが、フィールドが膨大なんですね。
私的に、もっとも印象的な概念は物事の捉え方が、”しかけしくみ”と”すがたかたち”
と言うところです。
このことは、これも私見ですが、養老猛司氏の”自然”と”人工”のような極性をもった
解釈の仕方にも受け継がれているように思います。
さきの西原克成氏も影響大と思われます。
本当に大御所なんですね。

生物の原形、”おもかげ”を知ることは「成立の歴史を知ることによって体得できる」
という意見には、素直に同意出来るし、その目的のためであればこそ
古生物学、比較解剖学、比較発生学の学習は凄く楽しいのですね。
身体器官の役割や意味も三木氏の本で随分勉強させていただきました。
と言うことで、私的活用キーワードを追加

*上虚下実
*動物は自然に対して自閉的
*健康=心臓機能+調和息+体を動かす
*文化とは自然から離れていくもの
*欲と不安に駆り立てられて自然から離れていく
*仕事の唄、井戸端会議=調和息
*生物のリズム=宇宙のリズム+環境変化に対応
*満潮は50分/一日ずれる
*呼吸心拍=迷走神経
*徹底的に舐めさせないと芸大の美術にはないれない
*日輪構造は7日の周期がある
*人間=栄養生殖+感覚運動+理解意志
*こころ:あたま=心臓:脳
*感覚門(目)と栄養門(口)をファジーにバランスされたのが仏像
*芸術は悟性から生まれた自然、だから解り易い。
このくらいにしときましょう。

24)
三木成夫:海・呼吸・古代形象ー生命記憶と回想、うぶすな書店、1992
著者の本はこれで3冊目。夢中になって読んだわけです。ある業種のかたがたには
必読と思われます。私的活用でキーワードを少々。

*位相のズレー振幅の減弱
*子宮の中の上陸劇(32日めから一週間 魚ー爬虫類ー哺乳類))
*成長繁茂ー開花結実
*神経系は出口と入り口
*感覚練磨>内臓感受性上昇・唯一の自由に操作できる内臓
*感は動なり
*脳は自然界に存在しない直線と的の中心を好む
*体の奥に一匹の魚がひそんでいる
*コヨリのように撚るとしよう
*二葉の筒
これでよし。

23)
酒井邦嘉:科学者という仕事、中公新書、2006
ここんところ、買う本に”当たり”の頻度が上がっております。
一昨日は牡蠣に”あたり”まして、大変でした(TT)。
さて、いい本です、この本も。
著者は現役の脳科学の研究者ですが、科学者の生活を紹介しながら
「科学研究の、発見のワクワクドキドキが、大変な生活も、艱難辛苦も乗り越え
させてくれる」と、いかに魅力的な仕事であるかを語っています。
科学研究と芸術発表は似ていると言うのも、ナルホド〜です。

ニュートン、アインシュタイン、チョムスキー、キュリー、ダーウイン、カハール
朝永振一郎、寺田虎彦など世紀の科学者についてのコラムもあって、
一流の科学者は、専門以外の理念も見識も、その裾野の広さの凄さに
あらためて驚かされてしまいますね。

この本の珠玉のコメントを少々、、、
1)言語が人間の創造力の源になっている(語学は極めて大切)
2)孤独感が爽快感や上質な心地よさをともなう場合がある。
3)天才はむしろ努力を発明する
4)なにをやるかより、何をやらないかが大切だ。(一生の時間なんて限られている)
5)自習や独学とは、自分で自分を教育することだ。
6)嬉々として自分自身のトレーニングを楽しめる人は、真の達人だ。

それぞれに与えられた情況で懸命に生きていくことが大切だし、
それしか出来ないんだな。
今日、一緒に飲んだ友達から以前に教えられた言葉があるんだけど、
これはこの本の中にも貫いて説かれていることで、私もいつもつぶやいています。
 「出来ることは、精一杯!!」
がんばりましょ。

22)
西原克成:これだけで病気にならない、祥伝社新書、2007
久々に、完璧にツボにはまりました。
進化と臓器と病気、免疫と身体機能、、分割されてきた学問が一気に集結した
感があります。
生物進化を追ってきた甲斐があった。

特に前半戦の記述は納得のジャブ、フック、ストレート、アッパー、カウンター!!
後半戦の考えには異論はあるものの、その展開は凄いものがあります。
仲間にこうゆう方がいらっしゃるのは心強いかぎりです。感謝。

実はちょっと秘密にしたい本なんですね、この本は。ははは。

21)
渡辺格:新しい人間観と生命科学、講談社学術文庫、1979
この本はちょっと古い本なんですが、神田の古本街で購入した物です。
タイトルに惹かれてパラパラっと立ち読みし、サクッと買って、帰りの電車の
中でもう少し読んでみたら、、、、、
「DNAと遺伝情報、、遺伝のテープ、、、RNAの生物、、、」等等、、、
ゲッ!!失敗した!!に、苦手だあ!、、、とそのまんまツンドクしていた本です。

で、最近手持ちの本を駆逐してしまい、しょうがねえなあ、じゃあ、読むかっと
気合を入れて対峙してみた次第です。
なんだか、難関ポイントのライズ釣りをしているみたいな、、、、。
それで、その内容はというと、まあ凄い本でした。
深くて広い内容をここに集約してしまうのは、頭のよい方ってのは凄い。

この本には、私たちが現在生きている現実の世界とはどうゆうものかということと、
世の中の出来事を解きほぐしてきた(科学)歴史と、これからのあるべき方向
について書かれています。すなわち、
1、無限世界の概念から有限閉鎖系の事実(地球船宇宙号)。
2、科学、経済の方向性の発想転換の必要性。
ということになります。

今までの、物事の探求方向は、デカルトのころからの精神と肉体の
分離された形で進行してきた。
すなわち、分子学のように細分化されてきた、いわゆる還元主義的方向だったが、
今後は物質と生物や、肉体と精神のつながりを見出し、あるべき姿(価値観)をも
取り込み、総合統一していこうとする構造主義的思考への転換を筆者は望んでいる。

すでに物質と生命は分子生物学によって相当リンクされてきているし、
精神と肉体の関係も安保先生の話なんかで少しずつわかってきているし、
精神も三木先生は、精神(理屈)と心情(感性、価値観)というかたちの存在
を示唆しているし、私ごときが読んでる量のなかで、しかもここの30年足らずでも
どんどん解明されているのが解ります。
我々にはまだまだ希望がいっぱいあります。
学者のみなさん、がんばって、どうか導いて行ってください。
私は、川でごみを捨てないように、エコサイクルを考え、生命の美しさ、賢さを
体感していって、自然に親しむことくらいしかできませんが、なにかあったら
言ってください。はあ?

DNAについては、簡単に説明してくれました。
”ダビングと再生はできるけれど、録音はできないカセットテープ”だそうです。
なーるほど^^

20)
安保徹、石原結實:ガンが逃げ出す生き方、講談社、2007

この本は後輩の友人に貸してもらいました。2回読んで頭に叩きこみたく
なった次第です。

両名の先生方の本はそれぞれ読んでいたのはご案内の通りですが、
やっぱりコラボされてきたんですね。同じ方向性、広角的自然志向なれば
当然のことでしょう。
両名の理論のすり合わせ、折り合いにとても役にたってくれます。
いろいろ、役立つコメントがあります。ありすぎて困るのですが、ほんのちょっと
抜粋しましょうか、
1、がん治療>免疫抑制治療の中止+生活改善+リンパ上昇、副交感優位。
2、楽しく過ごすだけで良いのです。
3、運動入浴>白血球2倍になる。
4、発熱+空腹>貪食上昇。
5、たんぱく質を過剰に取ることは生物にとって大きなストレスになる。
6、そもそも人間は草食動物に近い哺乳類です。
7、人間は体の中にある腸内細菌を食べている。
8、甘いものを食べると貪食能1/2に。
9、りんごにんじんジュースは貪食能が50%アップ。
10、吸収は排泄を阻害する。
11、低栄養が動物の寿命を延ばし、腫瘍の発生を抑える。
12、二日おきに断食させられたねずみは5,3倍ガンになりにくい。
13、人間は食べる量の四分の一で生きる。あとの四分の3は医者の為に食べている。

たしかに最近、肉を食べなくなってきたし、焼肉なんかで爆食すると調子が
悪く成ることあります。
ただ昨日、浜松医科大学の先生が、うつ病の抑制にきくセロトニンはトリプトファン
(タンパク質)から作られるので、お肉や牛乳をとらんといかんよ!と言っていたんです。
オマケに食後のデザート(糖分)はトリプトファンの吸収を促進するからいいのよ。
なんていっていたのを聞いて、ナニにつけてもやはりバランスという概念が大事
なんだと思いましたね。というか、局所理論を切り取って組み合わせるよりも
システムとして理解する必要があるのだけど、これが大変なんだなあ。

現在の医療の世界では、どうもこの局所の理論(エビデンスと称する)の組み合わせに
終始して行なわれることがガイドラインとして推奨(というか、それしかない:大学供給)
される傾向が強いように思われます。
まだまだ現実を理解するには相当の途上の様であります。

19)中原英臣、佐川峻:「進化論」を楽しむ本、PHP文庫、2001
  ダーウインの進化論が主軸になっているこの分野でありますが、そこには
  説明しきれない現実が山積にされています。
   偏りを極力排したお話のオムニバスです。ラマルク、今西、キュビエの話や
  現在の細胞の成り立ち、ネオテニーなどなど、、、、
  特に最初に出てくる「宇宙のカレンダー」は歴史を一年にたとえたもので、
  ビッグバンの150億年前からを一年換算様式で眺めることにしています。
、  宇宙の歴史の進展具合を把握するのには最高です。
                          
   それによると宇宙の誕生を1月1日とした場合
  地球誕生は初秋の9月に、そして10月初旬に生命の誕生。
  12月26日に最初の哺乳類が、30日午前9時にサルが出現した。
  そして31日大晦日の午後9時半に人類の祖先がようやく誕生。
  11時59分20秒にホモサピエンスが現れ、
  50秒にエジプト、インドで農耕文明が出現、
  56秒にキリストが生まれ
  59秒5にイギリス産業革命が
  59秒9、、ワトソンクリックによってDNAが発見されたんだそうです。
  人類の歴史は大晦日の最後の2時間半だけ、、、。

  はあ〜、、、気が遠くなる、というか、、まったく瞬く間の出来事、、。
  
  歴史の流れに触れたとき、「人はいずれ死ぬものである」という約束
  とともに、われわれ人はナニをすべきで、ナニをしてはならないかを、
  知らず知らずに考え思ってしまうではないのでしょうか。

   見識と品格、そして恥を身につけるのに最適な学問だと思うし、
  今、一番必要とされていることだと思います。
  大学入試の試験科目は英語と数学が中心になっているけれども、
  歴史全般と自然科学は外してはいけないのではないだろうか。

  そんなことを考えさせてくれる本ですよ。
 

18)小山内博:生活習慣病に克つ新常識、新潮新書、2003
  紀伊吉野のきこりさんたちは昔、胃がんの罹患率が物凄く高かった
  のですが、あるときを境に急激に改善されたそうです。
  しかし、それと反して”ハクロウ病”が発生しだしたとのこと。

  ご飯の時間も節約し、”茶粥”を流し込みながら斧をふっていた生活から
  効率の良いチェーンソウで食後休息の時間が出来てきたというのが背景。
  「親が死んでも食べ休み」ということです。

  私が朝ごはんをジュースだけにしようと思ったキッカケの本です。
  1)朝ごはんの消化は直後の稼働にスポイルされる。
  2)免疫力の鍛錬は成長期に副腎皮質にむけて。
  3)ガン細胞は低酸素が好き>循環を良くする>暖かく、運動。
  などヒントになる話がイ〜ッパイで、かなりエポックな本です。
  
   健康管理の視点は、・摂食、・血液循環、・免疫、・精神と集約できるかな。
   いまでも、17)16)とあわせてなんども繰り返して読んでいます。
  

17)石原結實:朝だけ断食、日本文芸社、2004
   朝はニンジンりんごジュースだけで、わたしも、もはや3年が経過。
   それ以前と比較して格段に健康になっているようです。
   この食事パターンは進化の歴史をたどってみると、全く説得力が
   あるのでした。
    現代生活習慣の問題を一つ一つ修正していくことが健康な日々を
   獲得するための秘訣と思われますが、その筆頭にあがる方法と思います。
   16)の安保先生が免疫系で、こちらは血液循環、栄養系と言えましょうか。

16)安保徹:安保徹の免疫学入門、宝島社文庫、2004
   ”病は気から”をここまで科学的に、整理、説明されてくるとなんだか嬉しく
    なっちゃいます。
    交感神経と顆粒球、副交感神経とリンパ球の対比は
    すっごく解りやすくて、さっそく健康管理に取り入れちゃいます。
    何せ免疫ですから、ありとあらゆる病気に対応できマス。
    ガン、アレルギー、難病系、、、。この先生、凄い!!
    現代医療現場は混乱するかも。
    図解ですので、内容と相まって頭の中は「ミクロ決死圏」状態。
   
15)三井 誠:人類進化の700万年、講談社現代新書、2005
   最新版の人類進化。ますます明瞭になってきました。曖昧模糊としてい
   た部分が非常にクリアになります。すこし進化の本を、過去に読んだことが
   ある人にはメチャクチャ理解が得られます。特大お勧めです。
   ルーシーがアファレンシスで、トゥルカナボーイがエレクトス、トゥーマイが
   サヘレントロプス、、、、、フムフム。
   おお、現生人類の初の名前はイダルトゥか、、。
   人類それぞれの中からスターは出現するのである。
   
   なぜ人類は寿命がながいのかとか、色彩感覚が哺乳類では人類が
   特異的に獲得できたのかとか、面白マメ知識も星の数ほど記載されます。
   さらに、参考文献には「やわらかな遺伝子」(どこかで聞いたような)
   がバンバン使用されていたり、うむ〜、縁を感じますね。

14)坂井建雄:人体は進化を語る、Newton Press, 1998
   これは人間の体の各器官がどうゆう成り立ちで出来てきて、どういった
   意味があるのかを、他の動物との対比で解説しているもので、
   比較解剖学の入門的な本で、とても平易な表現を用い読みやすい。
   系統発生と個体発生を絡めてくる。
   面白知識がいっぱいですよ。

   魚の鼻の穴って、左右それぞれ入り口と出口で二個ずつあるんだって
   しってましたあ??つまり、鼻は口腔とつながってないんですよ。
   不思議ッタラアリャシナイ!!

   そして、その基礎知識をもたせたうえで地球46億年の流れを生命を
   通して語るもの。このところはNHKの「生命 40億年はるかな旅」の
   ダイジェスト版といえます。

13)杉山幸丸:進化しすぎた日本人、中公新書ラクレ 2006
   現代の異常な現象を、あくまで生物学的な観点から、解読を試みる
   スタイルで構成されている。生物の使命を簡潔に回答していて
   これを人間に当てはめ、人の本来の姿を回復すべくヒントに満ちている。

   霊長類の脳を特段に発達させたのは手足や道具によるよりも
   コミュニケーション能力の発達によるものである。
   自他の関係を記憶し理解する能力や、相手がどう考えているかを
   推し量り、その心を読む「心の理論」、さらに過去の経験を記憶して
   おいて必要な時にいつでも取り出し、判断に利用できる能力、、、、。
   ここらあたりの進化はもはや目的がないとはいえ無いようである。
12)手足を持った魚たち:ジェニファ・A・クラック、講談社現代新書、2000
  ピカイヤ、魚類、ユーステノプテロン、イクチオステガへと
 陸へ上がっていく様を主に生物学的な側面から記述されています。
 化石からの骨格の変化について詳く、進化にしたがって単純化されて
 きているのが良くわかりますですね。
  人間との比較解剖にはうってつけです。
 彼らは我々の紛れも無いご先祖さまであります。
 ありがたいことでございます。
 ご先祖様は、大切に扱わねばなりません。
 だます様なことをしてはいけませんですぞ。

11)埴原和朗:人類の進化史、講談社学術文庫、2000
  新人の発生形式が多元発生説と単独発生説で討論される中、
 現在、”ミトコンドリアイブ”により単元発生が有力になっていますが、
 その点を基軸に最新の説にまとめ上げ、とても解りやすく楽しい本ですよ。
10)黒田末寿:人類の起源と進化、有斐閣双書、1987
  少し古い本ですが、そして多元説をとっている時代のものですが、
 進化の流れという点では一番理解しやすい本かも知れません。
 ドリオピテクス(プロコンスル)、ケニアピテクス、アファレンシャス、
 アフリカーヌス、ボイセイ、ロブストス、ハビリス、原人、旧人、新人
 という流れはかなり正しいように思えます。

9)浅間一男:生物はなぜ進化したか、講談社ブルーバックス、1979
  ラマルキズム(形質獲得、用不要)とダーウイニズム(突然変異、自然淘汰)
 の対比を科学的に、かつ思い入れタップリに検証していきます。
 今西錦司氏の考えに近いものですが、氏よりも論証が多く、
 科学者気分にさせてくれます。お勧めです。凄く良い。

8)香原志勢:人類生物学入門、中公新書、1975
  この本は、進化が主題ではなく、ヒトの体の解明(機能的)がそれであり、
 二足歩行、顔面短縮、脳容積増大、手の変化等等、あらゆる側面から
 徹底的に解説されております。
 この分野ではちょっとしたバイブル的な存在でもあります。
 専門書にも参考文献に取り上げられることも多いのであります。
 しかし、けっして難解では無く、ヒトの不思議を教えてくれる本です。
7)倉谷 滋:かたちの進化の設計図、岩波書店、1997
  まさに生物のボデイプランのお話です。遺伝子から系統発生、
 個体発生をくまなく、しかも平易な表現で解説してくれます。
 脊椎動物のもっともシンプルなナメクジウオからの発展は
 根源的な各器官の意味合いを知ることが出来ます。
 体節という概念、エラと顔、脊椎と頭部、遺伝と進化、楽しいです。

6)三木成夫:生命形態学序説
         (根源形象とメタフォルモーゼ)、うぶすな書院、1992
  この本は、私のお師匠様よりいただいた大切な本。
 文庫、新書ではありません。
 解剖系の本としては名著中の名著だと思っております。
 形とはなにか、それはどうゆうことなのか、物理的な要素や、
 地球上でうける力等の環境背景をおさえ話は展開されていく。
  著者は生物学と形態学を”しかけしくみ”と”すがたかたち”と言い、
 理解把握的と鑑照畏敬的認識ともいう。
 さらにはそれぞれ”精神”と”心情”の思考様式であると説いています。
  著者本人によるイラストは素晴しく、機会があれば
 是非、ご覧になることをお勧めします。

5)桜井靖久:ポケットペディアー人体、紀伊国屋書店、1997
 手帳サイズ(8センチ×5センチ)の人体解剖図集。
 イラストがすべてカラーで必要な機能等の薀蓄が付け加えられていて
 各臓器ごとの理解が広く浅くしれます。お気軽です

4)養老猛司:唯脳論、青土社、2004
  タイトル通り、唯、脳のことについてのお話。
  都市は大脳の産物であるとか、
  自己言及性は意識の特徴である等
、 脳の本性をあらゆる側面から解説している。
  氏のユーモアも楽しい

3)永井明:解体新書ネオ、集英社文庫、1998
   医者をやめた筆者が体の各臓器について書くエッセイ。
   斜めに医学を見ている著者のスタンスが解って面白いが、
   充分役に立つ内容を秘めていると思う。
    医学なんてこんなもんだぜ!!へん!といっているようだ。
   まあ、医学に超難易度の数学や物理学が必要でないことは
   明らかで、科学、物理学、数学の世界へ、優秀な人材が流入
   するべく政策が必要に思うが。

2)サイモン・コンウエイ・モリス:カンブリア紀の怪物たち
               (進化はなぜ大爆発したか)講談社現代新書1997
  NHKスペシャルのバックボーンはここにあります。
 ハチャメチャな生物達の形態を見ると、ダーウインの”突然変異”説は
 やはり説得力があるわなあと思います。地球はでっかい実験室か!?

1)平山廉:最新恐竜学、平凡社出版、1999
  従来の恐竜のイメージは、おそらく”ジュラシックパーク”で
 払拭されたと思われますが、その理論的背景を記述したものです。
 イラストも多く、地球環境も植物相も、温度も、CO2の多い大気も、
 ゆるりとしたスピード感も伝わって来るような本です。