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先頭で入場する中田を見て、ようやく「最適なタレント」が腕章を巻いた事に安堵感を覚えたのは、私だけではないのではないか。
中田の栄光に包まれた歴史はまだ始まったばかりである。まだ若い中田だが、既に今までも何度となく個人能力で、日本の危機を救い、我々に歓喜を提供してくれてきた。そして、この日の試合も、そのような「中田マッチ」フォルダに保存される試合の1つとなった。しかし、この日の豪州戦は、彼の偉大な歴史の中でも、特別
な「中田マッチ」となったはず。今後、10年近く(もしかしたら10年以上かもしれない)巻き続けるA代表の腕章を初めて巻いた試合だったのだから。
FKの強烈な弾道も素晴らしかった。そして、後半人数が少ない状態で、頑健な豪州DF陣を、技巧と肉体の組み合わせで薙ぎ倒して前進する姿は、感動的だった。
私は日本人であり、思い込みの激しい人間である。だからこそ、断言しよう。中田は、ジダン、リバウド、ダビッツ、ヴェロン、ラウル、フィーゴらと、もはや同ランクの選手である。
未だ信じられないのだが、本当に中田はローマへ向かう(向かった?)のだろうか。後1つ勝てば、「世界チャンピオン」なのに。
当初中田が発言した「ローマに戻りたい」は、完全にフェイントだと思っていた。どうせ、トルシェ氏得意の「強い要望」により「泣く子とトルシェには勝てない」(もとへ「トルシェと地頭には勝てない」の方が正しいか)ので、日本に残ることになる。とりあえず中田はカペロ氏とカフーとバティステュータとローマサポータへ「ローマへ戻りたかったのだが」と発言した実績を残せる。
私はコンフェデ前は、中田の将来にとってはコンフェデには参加せずローマに残る方が、有効ではないかと思っていた。正直言って、錯乱フィリップが解消されているとは思えず、中田の力をもってしても、優勝を狙うのは難しいと思っていたからだ。しかし、私は間違っており、トルシェ氏と中田たちは素晴らしい仕事をして、後1つで(若干インチキくさいが)世界チャンピオンと言うところまでたどりついた。だったら、そのまま日本のために戦うべきではないか。
私は過去何度となく、「己の要求をひたすら追及したがる」トルシェ氏をからかってきた。しかし、今回は完全にトルシェ氏を支持する。今回だけは中田はローマに戻ってはいけない。
何故か。理由は簡単だ。 「今後、中田が欧州のトップリーグで優勝の機会を迎える確率と、日本代表が公式大会で優勝する確率では、明らかに前者が高い」
からである。前者の確率が相当高い事は言うまでもあるまい。しかし、後者に関しては、中田が現役中はおろか、いやこの小原稿を読んでいる皆様が生きている間はおろか、いや人類が滅亡するまでの間かもしれないが、2度と訪れないかもしれないのだ。
私にしては謙虚すぎるのではないか、と思われる方もいるかもしれない。では、逆(つまり思いっきり尊大なスタンスで)の理由も書こう。
「中田がワールドカップを制し、高々と掲げる機会は、2006年しかない(やはり2002年はちょっと難しいのでは、2010年は年齢的にやや厳しい)。今回のコンフェデを優勝すれば、2005年のコンフェデに自動出場できるので、2006年向けの強化には最適である」
もちろん、2004年のアジアカップを制すればよいのであるが、ご承知のようにそれはそれで容易なことではない(急に現実的に戻りました)。もっとも、いい加減なFIFAのやることだから、次回コンフェデカップがまともに開催されるかは甚だ疑問であるが。しかし、もし、2004年アジアカップを勝ち損ね、2005年にまともにコンフェデが開催されたときに、今回の中田の選択を苦々しく思い出すことがない事を、切に願う。
中田の勘違いを指摘しておきたい。HPを通じて「セリエA優勝の瞬間に日本人がいる事に意味がある」と言う趣旨の発言をしたと聞いた。はっきり言って納得できない。なるほど、セリエA優勝チームに、我が同胞が所属する事態は初めてだ。しかし、世界最高峰のリーグ制覇に日本人が貢献するのは、決して初めてではない。
77−78シーズン、当時世界最高峰と多くの人が認めていたブンデスリーガ、天下の名将バイスバイラー氏に率いられた1FCケルンが見事な優勝を遂げた。そのフィールドに奥寺がいた。欧州のトップリーグの優勝を経験する日本人は、既に過去にいたのだ。
読売新聞によると、中田の帰国を承認した?「日本協会」にトルシェ氏が激怒していると言う。そりゃ、怒るよな。少なくとも、フリだけでもよいから、最後まで中田を慰留する格好を示して欲しかった。
まあ、以前「トルシェ氏をどう評価するか」でも指摘したのだが、トルシェ氏はいつも些細な事でも自分の要求を通 そうと大騒ぎする傾向がある。日本協会は、「ああ、またトルシェ君が騒いでいる」くらいにしか思わず、ついつい中田の希望を聞いてしまったのではないか。だから、あの原稿を書いたときに指摘したのだ。いつもいつも、妥協してもよいような瑣末な事でも声高に要求するから、聞き手も「狼少年」だと思い、本質的で重要な要求が通
らないことがあるよ、と。 もちろん、「中田よ、とにかく日本に残って、フランスを屠ってくれ」と言う思いが強いからグジャグジャ文句を言ってるだけなんだけどね。もう仕方がない。中田はいない。ジダンを除くフランス人とカペロ氏とバティステュータとカフーとローマのサポータは喜び、日本人とトルシェ氏とアンチェロッティ氏とジダンとダビッツとデルピエロとユーベのサポータとディエゴを含むナポリのサポータとトッティは悲しむ。
と、ここまで書いて、ハッと気がついた。前向きになろう。主軸抜きのフランスは移動で疲労している、ホームグラウンドの有利さもある中田抜きでも、きっと勝てる。いや、勝つんだ。
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