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トルシェ氏の選手選考基準も興味深いものがある。
4.1で述べた秋田のような守備能力のある選手や名良橋、
相馬のようにオーソドックスなサイドバックも選ばれていない。
守備を重視するポジションの選手にも、
密集でもボールをそこそこキープする能力を求めているからだろうか。
確かにフランス戦では、お互い厳しいプレスの中で、
追いこまれながらも日本の方が自分のペースでボールをキープできていた。
これは、短い時間とは言え、敵に囲まれても持ちこたえ、
隣の選手につなぐ、と言う能力がフランス以上
(少なくともあの試合に関してはですが)だったからだ!
話を戻そう。このチーム全体のボールキープ技術と、
統制の取れた位置取りが、攻守両面に渡り今後もチームの基盤となるのだろう。
そのような意味では、現在の氏の選考基準は理解できる。
しかし、一方でその基準に拘泥してしまうと、
チームの多様性をせばめてしまう危惧があるのではないかとも思う。
例えば、右サイドのMFである。現在レギュラは、
望月または伊東である。この2人は、どちらも典型的な技巧派で、
上記したキープと言う意味では非常に有効な選手である。
特にフランス戦の伊東は、
短い時間でもとりあえずキープをして稲本と名波がよいポジションに移動する時間を稼ぐのに非常に貢献した。
サイドMFに技巧派を起用する事を好むトルシェ氏の期待によく応えたといえるだろう
(もちろん、この日の彼の最高のプレイは2点目の起点となった名波へのロングパスだったが)。
しかし、一方で攻撃面でこの2人のプレイには不満が多い。
望月は韓国戦でも中国戦でも、タイミングのよい攻めあがりから再三の決定機を掴んだが、
フィニッシュは酷い物だった。韓国戦での守備の失態は論外である。
伊東も再三このポジションで起用されているが、サイドの突破や守備面での活躍は少ない。
しかも悪い事に2人とも同タイプであり、どちらを起用してもキープ面では悪くないが、
変化は生まれない。
例えば、名良橋ならば、キープ面では劣るので強敵との試合では不適かもしれないが、
同格以下の相手から点を取る意味では有効だろう。
若手がよいなら市川がいる。逆に守りを固めるならば、
明神や中西ならば違う守り方が可能になる。どうして、
こう言った違うタイプの選手を試さないのか、
いつも望月と伊東に拘泥するのか謎である。
ちなみに左サイドは、中村、名波、三浦淳、服部、
中田浩と様々なタイプの選手が試され、実績を挙げているのと偉い違いである。
同様にディフェンダについても、
上記したように守備能力が高い選手たちを起用するのも面白いと思うのだが。
選手の起用の拘泥と言えば、トルシェ氏の選手の起用方法に、
もう一つ大きな特徴がある。
氏は短気な性格に見えるが、かなり我慢強く、一部の選手にチャンスを与え続ける事だ。
例えば、伊東、望月は典型的である。また、
斎藤、田坂は昨シーズン、出来の悪い試合が続いたが、何回もチャンスを与えられた。
一方、久保のように、ほとんどプレイ時間を与えられない選手もいる。
このアンバランスは、興味深い謎である。
一部に、トルシェ氏の選考基準は「自己の実力をよく主張する事」
ではないかと言う説がある。選手に対して再三「感情表現」を明確にした
「成熟した大人」であって欲しいと要求しているからだ。
しかし、私にはそうは思えない。トルシェ氏が好んで起用する伊東は、
能力の割に最も自己表現が弱い選手の1人だと思う。
伊東の特徴は堅実なボールさばきと、時に見せる素晴らしい攻撃プレイだと思う。
フランス戦の2点目の起点となる名波へのロングパスは本当にすごかった。
しかし、一方で伊東に対する不満は、そのようなプレイをできるのに、
滅多に見せてくれない事である。もちろん、伊東の堅実さは大変な長所であるが。
逆になかなか起用されない久保のサンフレッチェでのプレイは、
実に「自己主張」にあふれている。守備的なチームのエースストライカゆえ、
絶えず自力での突破を要求される事もあろうが。
一部に久保は「無口だから氏の好みに合わない」と言う説もあるようだが、
伊東が能弁だとも思えないのだが...
このあたりの独特な選手選考基準や起用方法の真意は、
今後明かされるだろうか?野次馬として興味深いネタである。
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