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代表監督がよい成果を挙げるためには、単独チームとの連携が重要だ。
各選手のコンディションや代表からの要望などの情報を共有し、
代表に召集していない期間(その方がずっと長いのだが)の強化まで依頼する必要もあろう。
しかし、トルシェ氏の振る舞いを見ていると、
各単独チームとの連携をとる意思があるのかと疑いたくなる。
トルシェ氏の合宿と言うと、就任当初から、大量の選手を召集するのが話題になった。
当初は、異国での采配でもあり、幅広く選手を見たいのだろう、
と思ったがその傾向は2年近く経った今でも収まっていない。
Jリーグ最中の中国戦や韓国戦でも、明らかに出場する選手よりも多い選手を召集する。
今年に入ってからは、五輪代表選手だけ、ごく短期に集めるミニキャンプも何回か行われた。
氏によれば、「オートマティズム」の習得のために、
集められるときにできるだけ多くの選手を集めたい、と言うことなのだろう。
氏の気持ちはわからないでもない。しかし、物事には相手がある。
いつもいつも自分の希望通りに選手を集める事が、
本当の意味で代表の強化につながるのか、かなり疑問である。
リーグ中にそれだけ多数の選手の時間を、
単独チームから奪うと言うことに、どうしてあれだけ無神経でいられるのだろうか
(これは日本協会にも問題があるが)。試合に出場もさせないのに、
再三代表に選手だけ召集される事に、多くの単独チームは不満に思っている事だろう。
結果、単独チームの監督の協力も得られづらくなっていくのである。
その究極が、韓国戦の、アジアチャンピオンズカップ帰りの中山と服部の無理な起用である。
どうして、あそこで無理をしてこの両選手を使わねばならなかったのだろう。
偶然とも言えるが、両選手とも、帰国後負傷している。
負傷の直接的要因は(特に服部については)別である。しかし、
溜まった精神的疲労が、負傷に全く影響を与えなかったとも言えないだろう。
半分冗談だが、服部が元気であれば、
ビスマルクの肘打ちもかわせたかもしれないではないか。少なくとも、
今後ジュビロは代表への協力を素直に行いたいとは思わないだろう。
さらに驚かされたのが、今回トルシェ氏が取った夏休みである。
夏のバカンスそのものは、契約事項なのかもしれないし、リフレッシュも必要だろう。
しかし五輪とアジアカップの選手選考のもっとも重要な直近のJリーグの視察を行わないと言うのだから、
あまりに効率が悪いではないか。休みなら別なときに取ってくれてもよいではないか。
Jリーグを視察しないでおいて、合宿ではたくさんの選手を見たいと言うのでは、
単独チームの関係者は面白くないだろう。
この状態で、代表チームと単独チームの連携は巧く行われているのだろうか。
ミニ合宿を行ったり、無理に中山を起用するよりは、
単独チームに協力できる点は協力した方が、ロングレンジで考えた場合、
トクだと思うのだが。
今後、2002年が近づくにつれ、ますます代表選手の拘束時間が長くなっていくだろう。
単独チームへ協力を依頼するケースが増えるはずだ。そのためにも、
よい関係作りは重要なはずだが。
ここからは余談である。
一部のマスコミは、トルシェ氏が自分の主張を常に要求するのは欧米風で好ましいと伝える。
また氏をタフネゴシエィタと呼んだ方もいる。
しかし、私の経験からすると、氏の交渉術は欧米風でもないし、巧くもない。
欧米の所謂タフネゴシエィタと交渉してみるとすぐわかるが、
彼らは決して自分の要求のみを羅列しない。自らの要求もはっきり訴えるが、
相手の要求もよく聞く。優先度の高い要求を実現するために、
相手の要求でを受け入れられる点は積極的に受け入れようとするし、
優先度の低い要求は取り下げてくるケースも多い。
トルシェ氏は、
自分の(それも短期的要望を)声高に訴えているだけのように思えるのは私だけだろうか。
結果として、氏が本当に要求したい事が実現しない事を危惧するのである。
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