ついにこの連載も今回で最終回。
ここまでおつきあい頂きありがとうございました。
何度も同じことを繰り返すようで恐縮だが、W杯をわが国で開催することを決定したというのは、言わば2002年に行われる世界祭の氏子を引き受けた、ということである。
氏子の間では、それぞれができることを分担しなければならないし、ある意味で様々な参画を通して自らも大いに楽しまなければならない。
楽しむ準備にかかっている人達のことも紹介した。
その中の「サロン2002」というグループが中心になって、市民による「開催格付け」をしてみたらどうだろう、という提案をした。(第28回)
それを読まれた主宰者の中塚先生から、次のような頼もしいお便りを頂いた。
サロン2002の立場から言っても、「10自治体の評価」は、サロンが為しうる具体的な活動として非常にわかりやすく、また参加者の関心の高いところでもありますので、いい試みだと思います。
それでも参加者のニーズは多様ですので、「プロジェクトチーム」をつくって進めていくのが良いと思います。
問題は2点あります。一つは、10自治体に「支部」をつくるプロセスです。
(中略)
「開催10自治体の評価」という明確な目標ができ、それをベースに支部が活動を開始した場合、サロン2002本来の魅力が損なわれはしないかということがあります。
もっとも、各地の"同志"に声をかけることがきっかけで、各地にサロンができるきっかけとなればいいという読みもまたあります。
やってみないとわからないし、サロンの今後についても一石を投じるいい機会かもしれません。
掛川の伊藤薫さんらは"同志"としてネットワークの核になることが期待できます。
問題点の2つ目は、評価基準そのものについてです。
具体的なものさしは、2002年の"大会そのものの成功"だけでなく、"2002年以降"も含めたものであってほしいと強く思います。
人々のくらしの側からの視点がもっと盛り込まれるべきだと思います。
プロジェクトチームでの検討の際に、各地方の"同志"からの情報も盛り込みながら、くらしづくりを想定したものをつくる必要があると思います。
いいものをつくっていきたいですね。
「勝手連」の輪が確実に広がることを、期待させてくれる。
W杯に向けた「勝手連」のキーワードは参画であろう。
最近、「心に火をつける人、消す人」(TBSブリタニカ)という「教育における子供の参画」をテーマにしたすばらしい本が出た。
その序章に、(子供の)参画に関する参画のはしご8段階説という、大変興味深いものがあったので紹介する。
1段目が「操り参画」、2段目が「お飾り参画」、3段目が「形式的参画」で、ここまでが見せかけの参画である。
4段目は、自身が与えられた役割を認識した参画、5段目が自らの意見を主張する参画、6段目は意思決定に関わる参画、7段目は自ら計画し開始する参画。
そして最高の8段目は、子供達が企画し開始したプロジェクトに大人達も巻き込まれる高度な次元の実現ということになる。
ちなみに近い将来、義務教育に全面的にインターネットが導入されるが、そこから日本の教育形態は劇的に変化するだろうという専門家の意見がある。
教育の主体が教師ではなく、子供になるという。
将に子供の参画が現実になる日も近い。
この規準(はしご説)は我らが「勝手連」を始めるうえで大いに参考になるのではないだろうか。
教育関係の方が、この精神を理解して、「子供達の勝手連」の組織化と活動を手助けしてあげられないだろうか。
世界のサッカー好きな子供達に、インターネットで大会開催地の情報と情況を発信してあげられないだろうか。
静岡でゲームのある国の母国で応援している子供達に、子供達が集めた現地情報を送ってあげられないだろうか。
82年の第12回スペイン大会では、15枚の公式ポスターが制作された。
そのうちの1枚はホアン・ミロ作「フェスティバル(=祭)」であった。
世界最大の「祭」に、私達はどんな形で参画することになるだろうか。
それぞれ各自が考え、行動しようとする上で、この連載が何らかの形で参考になれば幸いである。
「踊るアホウに見るアホウ。同じアホなら踊らにゃソンソン。」
これが筆者の最後のメッセージである。
氏子総代 広瀬一郎
長いお付き合いありがとうございました。
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