【Jリーグ開幕迫る】 〜サッカーにも球春〜
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「球春」と言えば、プロ野球ファンがよく口にする
開幕間近の期待感を込めた春の訪れを表す言葉である。
サッカーファンにも「球春」はある。
先週行われた「ゼロックス・スーパーカップ」が、
開幕までいよいよ残り1週間を告げる。
今年は「Jリーグの経営諮問委員」なるものを拝命したおかげで、
このゲームの招待状が2月中旬に届いた。
封を開いて招待状を手にすると、「そうか、もうそんな季節なんだな」。
外はまだ寒い北風が舞っていたにも関わらず、気分は春になってしまった。
ところで、「経営諮問委員」就任にあたって、友人・知人たちから「何するの?」、
「おまえに経営分かるの?経営したこともないくせに。」
といような問い合わせが相次いだ。
お説ごもっとも。
(中には「転職おめでとう。」などというのもあった。委員は無給です!)
実は、昨年「経営品質セルフアセッサ―」なる資格を取得しておいたのだ。
「日本経営品質賞」というのは、
80年代末のレーガン政権時の商務省長官M・ボルドリッジが始めた、
経営革新政策の日本版である。
90年代になって、バブルにあえぐ日本経済を尻目に、
絶好調を続けている米国経済の復活のきっかけを作ったとも言われている経営手法。
経営を7つの分野からなるプロセスとみなし、
各分野毎に目的にあった
@制度(仕組み)が存在するか、
Aその制度が実際に稼動しているか、
B稼動した結果具体的な成果があがっているか、
という3つの観点からチェックを行う。
考え方は、実にシンプル。
一旦この考え方を理解すると、大変使い勝手がよい手法だ。
例えば今回の「経営諮問委員」の場合。
各チームに経営チェックのための資料を提出してもらうことになった。
当初の資料では、最初に「貴チームの経営理念は?」という項目があった。
さてあなたの会社の経営者に「経営理念は?」と質問したら、
きっと(あるとして)社長室の額に収まった文章や、
会社配布の手帳に書かれてある「経営理念」のページを参照するだろう。
無論、経営チェックとは「文章チェック」ではない。
理念が経営にどう反映しているのかを問うのである。
従って、各チームへの問いは、
「経営理念」と、その理念は社員、監督、選手、サポーター、地元自治体、スポンサー達に理解されているか?
理解させるための仕組みが存在するか?
その仕組みのもとに、理解はどのように進んでいるか?
その理解により得られる成果とは何か?
その成果は上がっているか?
成果を示す指標は何か?
その指標の変化をどう経営に活かしているか?
短期的あるいは中期的な目標値は何か?
その目標値を達成するための具体的な方策は何か?
達成する上で最も問題になることは何か?
云々と言いかえる必要がある。
大方のチーム関係者の方たちは、「こんなの書けないよ!」だろう。
萎縮する必要はない。
日本の大企業の経営者のほとんどが、これらの質問には答えられまい。
また、質問に遺漏なく答えることが目的でもない。
これらの質問によって、経営上の問題点が把握できれば、
それは課題解決の第一歩になるはずだ。
(JAWOCや県のW杯担当組織でも、一度これらのチェックをすることをお薦めする。)
それが今後浮上するであろう、
アカウンタビリティー(説明責任)を果たす一助にもなるであろう。
ところで、話はJリーグに戻る。
先日香港で行われたアジアカップの予選で、
代表のゲームを見て欲求不満になったファンも多いだろう。
ここらでスカッとした(日本人による)サッカーを見たいもの。
期待できる要素は少なくない。特にJ2に話題が多い。
レッズは一年で上に復帰するのか?
(初戦は水戸ホーリーホック。まさかね?でもサッカーは何が起こるか分からない?)
親しい友人が2チームの監督を務めている。
コンサドーレの岡田氏とベルマーレの加藤氏。
(直接対決の時はどっちを応援すればいい?)ベルマーレには前園が入団した。
久しぶりの日本お目見えだ。
加藤監督いわく「前園は96年のアトランタで1回ピークを作った。
選手というのは1度ピークを作ると翌年だ下がるんですよ。
僕も現役の時そうだったから、よく分かる。
フランスが優勝した翌年のジダンを見てください。
ユベントスでだめだったでしょう。」
なるほど、今年のジダンは昨年とは別人のようだ。
前園に期待しよう。
ベルマーレのもう一つの話題は、中田選手の個人によるスポンサーである。
ユニフォームの背中にホームページのアドレスからデザインしたもので、
青く「nakata・net」と入るらしい。
親会社フジタが撤退した古巣クラブの再出発に中田が一役買って出た格好となった。
一方のコンサドーレは、突貫小僧の吉原をガンバに出したが、
ベルディから高木を取った。
「あの高木が北海道に?」と驚かれる方もいるだろう。
「サッカーは何だか選手がよくチームを動くね。」
その通り。世界的にみても実に移動が多いギョーカイである。
かつてある社会学者が、「サッカーでは選手が国境を超えて移動する。
それは現代のディアスポラ(民族離散)である。
そして現代ではディアスポラとは、特権的なのだ。」と言ったことがある。
特権的かどうかは分からないが、
日本が世界に市場開放することにより、雇用の流動性が高まっていることは事実。
であるならば、選手という雇用の流動性が高いサッカー界は、
かなり今日的であることは間違いない。
このコラムは今月でおしまい。あと3回のおつきあいです。
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