豊かな日本語表現のために

・作文実践

本多勝一『新版 日本語の作文技術』(朝日文庫、2015年、600円+税)
本多勝一『新装版 日本語の作文技術』(講談社、2005年、1400円+税)
もはや古典とも言うべき本。「修飾の順序」「句読点のうちかた」を中心に、創作論や「心がまえ」や文体論ではない、読む側にとってわかりやすい文章を書く技術が紹介されています。












阿部紘久『文章力の基本』(日本実業出版社、2009年、1300円+税)
日本語の文章を書くためのヒント77個を紹介。「短く言い切る勇気を持つ」「文の前半と後半をかみ合わせる」「簡潔な表現を選ぶ」など。












阿部紘久『文章力の基本100題』(光文社、2010年、1000円+税)
『文章力の基本』(日本実業出版社、2009年、1300円+税)の続編と言うべき本。「述語の動詞をしっかり書く」「主役は早く登場させる」「短く言い切りながら話を進める」など、55のチェックポイントに基づき文や文章を改善。












阿部紘久『文章力の決め手』(日本実業出版社、2013年、1400円+税)
阿部紘久『文章力の基本』(日本実業出版社、2009年、1300円+税)など、これまでの著作の内容を著者がまとめた決定版。「文の基本形を確かめる」「『てにをは』(助詞)を正しく使う」「読点は意味の切れ目に打つ」など、60のテクニックを紹介しています。












阿部紘久『文章力の基本の基本』(日本実業出版社、2015年、1000円+税)
阿部紘久『文章力の基本』(日本実業出版社、2009年、1300円+税)よりも1歩手前を固めるための大型本。33個の「基本の基本」がまとめられています。












阿部紘久『文章力を伸ばす』(日本実業出版社、2017年、1300円+税)
阿部紘久『文章力の決め手』(日本実業出版社、2013年、1400円+税)の大型改訂新版。分量が少なくなって読みやすくなり、ページの構成も見やすいものになっています。












石黒圭『正確に伝わる!わかりやすい文書の書き方』(日本経済新聞出版社、2012年、1400円+税)
ビジネス文書を書くうえでの考え方を指南。「『が』『は』『も』を使い分ける三つのコツ」「誤解を防ぐ『、』と語順」「『の』の連続の解消法」など。












石黒圭『うまい!と言わせる文章の裏ワザ』(河出書房新社、2014年、1400円+税)
文章を書くうえでの「定石」と「裏ワザ」33個を、「文法」「文末」「語彙」「表記」「構成」の5分野で紹介。例えばルール01「テニヲハはきちんと守る」では、オモテ「文法を守ることは作文の基本である」、ウラ「ズレた使用が表現の幅を広げ、文学性を与える」と解説されています。












藤田英時『メール文章力の基本』(日本実業出版社、2010年、1300円+税)
メールでの文章の書き方のみならず、機能やレイアウトにも言及。「返信は24時間以内にする」「添付ファイルの概要を本文に書く」「無理な依頼を断るときは相手の立場で」など、具体的な77のルールが示されています。メールのひな型集やフレーズ集もあり。












小川悟『これは便利!正しい文書がすぐ書ける本』(日本経済新聞社、2002年、1500円+税)
小川悟『これは便利!正しい文書がすぐ書ける本』(日経ビジネス人文庫、2012年、802円〔税込〕)
案内状、報告書、通知書など、ビジネスに必要な文書をいかにうまく書くかを示した本。「読点20で句点は40、80超えたら読みにくい」「ひらがな:漢字は2対1の割合で」「誤字・脱字、誤用はゼロでボキャは豊富に」など。符号や漢字の用例、文書の雛形を収録。












藤沢晃治『「分かりやすい表現」の技術』(講談社ブルーバックス、1999年、800円+税)
標識、看板、通知書、マニュアル、パンフレット……世の中分かりにくいもので満ちあふれている、じゃあどうしたら分かりやすくできるだろうという趣旨の本。「分かりやすい」とはどういうことかを説明した後、分かりにくい表現である「違反例」、分かりやすくした「改善例」、違反例の原因である「犯人」、違反例を改善例にするための「ルール」を述べています。最後のチェックポイントを確認するだけでも、表現の分かりやすさを高めることができるでしょう。著者は英語が堪能で、翻訳に関する「ルール」や「チェックポイント」も挙げています。









藤沢晃治『「分かりやすい説明」の技術』(講談社ブルーバックス、2002年、800円+税)
プレゼンテーションに際する15のルールを説明。巻末にチェックポイントあり。












藤沢晃治『「分かりやすい文章」の技術』(講談社ブルーバックス、2004年、800円+税)
「分かりやすい文章」を「目的を達成する文章」であるとし、請求書、案内文などを例にして、実務文の書き方を解説。「第6章 趣旨をスムーズに伝える『センテンスの技術』」「第7章 文章をなめらかにする『推敲の技術』」が翻訳者向けと言えるでしょう。これらの章では、本多勝一『日本語の作文技術』(朝日文庫、1982年、540円+税)の方法も取り入れられています。












倉島保美『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』(講談社ブルーバックス、2012年、880円+税)
パラグラフ・ライティングによる、読ませる文章の書き方を紹介。












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・辞典、用語集、スタイルガイド

JTF日本語標準スタイルガイド(翻訳用)
日本翻訳連盟(JTF)が発行している日本語表記ガイドライン。英訳版JTF日本語スタイルチェッカー、「JTF標準スタイルガイド12のルール」、「項目別表記スタイル一覧表(クリックするとExcelファイルが自動的にダウンロードされます)」も公開されています。






一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会〔編著〕『日本語スタイルガイド(第3版)』(テクニカルコミュニケーター協会出版事業部会、2016年、2600円+税)
実用文を書くための指針の集大成。翻訳者には特に「第2編 日本語スタイルガイド」が、「能動態、受動態を使い分けて、視点に一貫性を持たせる」「修飾語は修飾する語句に近づける」「『する』を付けて動詞形にできる名詞に、『行う』などを付けない」など、注意事項が項目ごとに簡潔にまとまっていて役立ちます。












共同通信社〔編〕『記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集』(共同通信社、2016年、1900円+税)
「新聞漢字・仮名遣い」「書き方の基本」「用字用語集」「紛らわしい法令関連用語」「外国の地名・人名の書き方」など、日本語の文章を書くうえでの規範が載っています。

ATOKの連携電子辞典には、以下のものがあります。
共同通信社 記者ハンドブック辞書 第13版 for ATOK












NHK放送文化研究所〔編〕『NHK漢字表記辞典』(NHK出版、2011年、1800円+税)
2010年改定の常用漢字表に対応し、全面改訂されました。約3万5,000語を収録。内閣告示されている「常用漢字表」「現代仮名遣い」「送り仮名の付け方」を踏まえた、NHK独自の表記法がまとめられています。

ATOKの連携電子辞典には、以下のものがあります。
NHK漢字表記辞書2015 for ATOK












類語研究会〔編〕『正しい言葉づかいのための 似た言葉使い分け辞典』(創拓社出版、1991年、2233円+税)
「愛」「言う」「普通」などのキーワードから類語を調べられます。「使い分け例」「どう使い分けるか」という形で解説。創拓社出版の辞典はサイズが小さい上、コンパクトにまとまっていて引くのに便利です。使える本。












井上宗雄〔監修〕『言いたい内容から逆引きできる 例解慣用句辞典』(創拓社出版、1992年、2233円+税)
戸谷高明〔監修〕『言いたい内容から逆引きできる 故事ことわざ活用辞典』(創拓社出版、1993年、2233円+税)
吹野安〔監修〕 / 石本道明〔編〕『言いたい内容から逆引きできる 四字熟語活用辞典』(創拓社出版、1993年、2233円+税)
「言いたい内容から逆引きできる」3冊。キーワードから検索できます。









小内一〔編〕『てにをは辞典』(三省堂、2010年、3800円+税)
この辞書には国語辞典のような言葉の説明はありません。二つ以上の言葉の結びついた形(著者は「結合語」と呼んでいます)を引くための辞書です。「を」「が」「に」「の」などの助詞を介して結びつく結合語や、形容詞や副詞などとの結合語が収められていて、しっくりくる言葉を探すのに役立ちます。ちなみに編者の名前は「おない・はじめ」と読みます。












小内一〔編〕『てにをは連想表現辞典』(三省堂、2015年、3200円+税)
小内一〔編〕『てにをは辞典』(三省堂、2010年、3800円+税)の続編と言うべき辞書。現代作家約400人の作品による22万の文章例を分類。「挨拶」「握手」といった語句の入った表現や、関連表現を調べられます。












飯田朝子 / 町田健〔監修〕『数え方の辞典』(小学館、2004年、2200円+税)
数えられる対象の他、助数詞、単位から引くことができます。和訳の際に便利。一般的な単語はもちろん、「あぶみ」「破魔矢」といった古い物から、「ガラス」「ボレロ」といった外来語まで載っています。












小学館辞典編集部〔編〕『句読点、記号・符号活用辞典。』(小学館、2007年、2200円+税)
200の記号や符号の名称、意味を解説。IMEやATOKでの入力方法、文字コードも記載されています。












森田良行『基礎日本語辞典』(角川書店、1989年、4800円+税)
「あいかわらず」「あいだ」「あいにく」など、一見分かりやすい基礎語の意味や用法を分析し、関連語を紹介。












柴田武 / 國廣哲彌 / 長嶋善郎 / 山田進『ことばの意味』(平凡社ライブラリー、2002年、1100円+税)
1976年に平凡社から刊行されたものの文庫版。「アガルとノボル」「サガル・オリル・オチル・クダル」など、似ているようで違うことばについて簡潔に分析しています。「当たり屋」とは言うけど「ぶつかり屋」とは言わない理由は?












柴田武 / 國廣哲彌 / 長嶋善郎 / 山田進 / 浅野百合子『ことばの意味2』(平凡社ライブラリー、2003年、1200円+税)
『ことばの意味』の続編であり、1979年に平凡社から刊行されたものの文庫版。「アケル・ヒラク」「オモウ・カンガエル」など、似たような言葉の共通点や相違点が分析されています。歴史的な経緯によるのではなく、現代語を共時的に分析しているのが特徴です。












柴田武 / 國廣哲彌 / 長嶋善郎 / 山田進 / 浅野百合子『ことばの意味3』(平凡社ライブラリー、2003年、1300円+税)
1982年に平凡社から刊行されたものの文庫版であり、『ことばの意味』シリーズの完結編。前2巻が動詞のみであったのに対し、この巻ではさまざまな品詞から語が選ばれています。「ヨウダ・ラシイ・ダロウ」「チガウ・ベツノ・ホカノ」など。












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・敬語

梶原しげる『敬語力の基本』(日本実業出版社、2010年、1300円+税)
言葉の使い方だけでなく、態度の敬語にも触れている実践的な本。「返事はハキハキ、動作はテキパキ」「『参る』は『行く、来る』の丁寧語」「『見える、お越しになる』は「来る」の尊敬語」など、72のテクニックが提示されています。












小川悟『これで納得!正しい敬語 美しい敬語が話せる本』(日本経済新聞出版社、2009年、1500円+税)
『これは便利!正しい文書がすぐ書ける本』(日本経済新聞社、2002年、1500円+税)の著者による敬語解説。ビジネスでの具体例を交え、正しく美しい敬語を紹介。












小林作都子『そのバイト語はやめなさい』(日本経済新聞社、2004年、1200円+税)
小林作都子『そのバイト語はやめなさい』(日経ビジネス人文庫、2008年、700円〔税込〕)
近頃よくある敬語もどきの「バイト語」を適切な形に直しています。取引先にメールを書く時など、表現の参考になるかもしれません。












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・文法

庵功雄『新しい日本語学入門 ことばのしくみを考える[第2版]』(スリーエーネットワーク、2012年、2000円+税)
現代日本語に関する最新の言語学的考察を網羅。前提となる知識がなくても読めるよう工夫されています。「格」「主題と主語」「ボイス」などを解説。












畠山雄二〔編著〕『日本語の教科書』(ベレ出版、2009年、2800円+税)
日本語の文、意味、音、語、会話の形を平易な文章で解説。英語と比較している箇所もあります。












石黒圭〔編著〕『日本語てにをはルール』(すばる舎、2007年、1500円+税)
石黒圭〔編著〕『日本語てにをはルール』(中経の文庫、2012年、571円+税)
読みやすい日本語を書くためのルールを解説。「てにをは」の他にも「言葉選び」「かなと漢字」「敬語」「文章の仕上げ方」について触れています。












石黒圭『文章は接続詞で決まる』(光文社新書、2008年、760円+税)
日本語の接続詞に特化した本。接続詞を「論理」「整理」「理解」「展開」「文末」に分け、それぞれの機能や弊害を解説。「のだ」「と思われる」などの文末語も接続詞とみなしているのが特徴です。












石黒圭『「接続詞」の技術』(実務教育出版、2016年、1400円+税)
接続詞を「論理」「整理」「理解」「展開」に分け、実例を交えて使い方を紹介。石黒圭『文章は接続詞で決まる』(光文社新書、2008年、760円+税)の実践編ともいうべき本。












大野晋『日本語練習帳』(岩波新書、1999年、660円+税)
練習問題による、やさしい日本語トレーニング。












庵功雄 / 高梨信乃 / 中西久美子 / 山田敏弘(松岡弘〔監修〕)『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』(スリーエーネットワーク、2000年、2200円+税)
庵功雄 / 高梨信乃 / 中西久美子 / 山田敏弘(白川博之〔監修〕)『中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック』(スリーエーネットワーク、2001年、2400円+税)
「文章を書くというには、日本語を外国語として取扱わなければいけない」(清水幾太郎『論文の書き方』(岩波新書、1959年、700円+税)、P81)という観点からすれば、ノンネイティブに日本語文法を教えるための本も有益でしょう。日本語ネイティブが意識せずに使っている言葉が、懇切丁寧に解き明かされています。









グループ・ジャマシイ〔編著〕『教師と学習者のための 日本語文型辞典』(くろしお出版、1998年、3300円+税)
「この辞典では、文型を文や節の意味・機能・用法にかかわる形式という広い枠組みで捉え、それらが場面や文脈の中でどのように使われるのか分かるように記述することを試みました」(「はじめに」、P1)。「せっかく」「そうだ」「なる」など、よく使う(使わざるを得ない)けど意味を説明しにくい語が用例付きで解説されています。












金谷武洋『日本語に主語はいらない』(講談社選書メチエ、2002年、1500円+税)
金谷武洋『日本語文法の謎を解く』(ちくま新書、2003年、680円+税)
金谷武洋『英語にも主語はなかった』(講談社選書メチエ、2004年、1500円+税)
モントリオール大学で長く日本語を教えてきた著者による、日本語文法論三部作。三上章の日本語文法論を継承し発展させています。
1冊目では、英語を主語が頭に来る「クリスマスツリー型」、日本語を補語が一番下に来る「盆栽型」と規定し、日本語に主語という概念が不必要であることを論証しています。
2冊目では、英語を「する」言語、日本語を「ある」言語とし、それぞれの発想の違いを「空間」「自/他動詞」「受身/使役」といった観点から語っています。
3冊目では、第1章にある「神の視点」(英語)と「虫の視点」(日本語)という考察が翻訳に役立つでしょう。









三上章『象は鼻が長い』(くろしお出版、1960年、2200円+税)
助詞「は」の役割を事細かに解説することで、日本語文法を明らかにしようとしています。古典中の古典。












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