ノンノン・マリア弦楽四重奏団演奏会
2009年5月12日 プログラムノート(予習用)
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【 曲目解説】 ショスタコーヴィッチ(1906 - 1975) ショスタコーヴィッチは生涯にわたり15曲の弦楽四重奏曲を作曲し、これはベートーヴェンの17曲のせまり、作曲者の創作過程における発展と変化をあまさず表現している。また、15曲の交響曲と相互関係を保ちながら作曲されていた。この点もベートーヴェンと似ている。ショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲は当時のソ連社会の複雑な側面を反映し、交響曲やオペラでは成しえなかった作曲者の本心を吐露したものとする見方も強い。 1960年7月、作曲者はソ連・東独合作映画「五日五夜」の音楽を作曲していたが、映画の中の物語にインスピレーションを得てこの曲を構成し、三日間で書き上げた。作曲者は室内楽では初めて、旧作から大量に主題を引用している。交響曲第1番、第5番、第10番、第11番、オペラ「カテリーナ・イズマイロヴァ」、ピアノ三重奏曲、チェロ協奏曲第1番などが登場する。これらは作曲者自身の過去の再生として用いられている。作曲者自信の象徴は作曲者の名前のアナグラム音D-Es-C-Hの音からなるモチーフで、全楽章通じて中心主題となっている。
間宮芳生 (まみや みちお 1929 -
) 間宮 芳生は、北海道旭川市出身、青森県青森市育ち。東京音楽学校(現・東京芸術大学)作曲科卒業。1953年、外山雄三、林光とともに『山羊の会』を結成する。日本を代表する国際的な作曲家である。 ソ連作曲家同盟との関係も深く、1961年、日ソ協会、ソ日協会の交換事業により、ソ連訪問。1962年、ソ連作曲家同盟第3回大会に招待される。1988年、第3回ソ連国際音楽祭に招かれる。 「ピアノ協奏曲第2番」が芸術祭優秀賞・第19回尾高賞受賞。「弦楽四重奏曲第2番−いのちみな調和の海より」が芸術祭優秀賞受賞。1992年、紫綬褒章受章。など、数々の受賞歴と受勲歴がある。 また、NHK大河ドラマ 『竜馬がゆく』や映画『 火垂るの墓』などはじめ、TVや映画の分野でも多くの作品を書いている。 弦楽四重奏曲第3番は東京クヮルテットの委嘱により1999年に作曲、同年リンカーン・センターで初演された。曲の表題にある「白い風」は、ネイティブ・アメリカン、ナヴァホ族が伝える創世神話の中で語られる、すべての生き物に命を与える風の神のことである。 曲は2楽章からなるが、初演後、二つの楽章に挟まれるInterludeが追加された。野趣溢れる第1楽章(曲の冒頭の第1ヴァイオリンによるモチーフは”野生の猛獣を摸した様に”という指示がある)、ヴィオラの長大なカデンツァと幾何学的な早いテンポの主部からなるInterlude、瞑想的な第2楽章によって構成されている。
ベートーヴェン(1770 - 1827) 作品59の弦楽四重奏曲は三曲あり、いずれも1806年、ベートーヴェンが35、6歳のときに、ラズモフスキー伯爵からの依頼により作曲された。ラズモフスキーはウィーン駐在のロシア大使で、ヴァイオリンを弾く熱心な音楽愛好家だった。当時ラズモフスキー伯邸には”全欧に並ぶもの無し”といわれた歴史的な弦楽四重奏団が抱えられており、作品59はこの四重奏団のために作曲された。ラズモフスキー伯爵にちなんで、作品のなかにはロシア民謡が取り入れられている。 この第9番は三曲中もっとも明るく力強い作品である。とくに第4楽章のフーガは、中期のベートーヴェンの構成力を最高度に示したものとして有名であり、しばしばこの曲が「英雄四重奏曲」と呼ばれる由縁でもある。 そしてこの曲は、交響曲第3番「英雄」(1804年)、ピアノソナタ「情熱」(1804年)、交響曲第5番「運命」(1808年)、交響曲第6番「田園」(1808年)などがひしめくいわゆる”傑作の森”のただ中に作曲されている。 |