句あれば楽あり ?

藤の会報告

至遊(しゆう)



 このHomepageの上でも宣伝して頂いた、題記「藤の会」が21世紀の最初の1月に記念すべきスタートを切りました。Homepageを使わせて頂いた以上、第一回くらいは報告の義務があると、勝手に解釈しました。以後は何か面白いことがあった時に限る積りです。

 集まったのは8人、その他に不在投句が1人、見学2人という会でした。青のアトリエのメンバーの中からは、美しい花の写真を解説付きで載せてくださっている、廣戸さんが参加されました。第一回としては規模的には上々の滑り出しと言えます。句会の後は最初の懇親会。益々仲間意識が強くなりました。

2月は21日(水)の18:30からです。

 まだ句会に出たことのない人のために、句会の手順を簡単に記しておきます。先ず、各人が自分の句(今回の場合は5句)を短冊に書きます。それを適当に混ぜて、またそれを5枚ずつ配ります。その配られた句を、予め用意された清記用紙に転記します。これは文字の癖などから、誰の句かが分かってしまうことを防ぐためです。

 それから選句に入ります。清記された句の中から、気に入った句、気になる句を自分の手許の用紙に書き取って行きます。これを下選と言います。清記用紙を順々に右へ回して行きながら、一巡させて、全部の句に目を通します。そして愈々下選の中から、定められた数(今回は多めですが7句としました)を選び、選句用紙に書き出して行きます。

 この選句用紙を披講役の人のところに集めます。これは各人の選句を披露していく役目ですが、先ず披講役本人の選句を披露します。後は順不同ですが、代表者(ここでは若泉真樹先生)の選句は最後というのがルールです。色々なやり方がありますが、今回は自分の句が披露されたら、その場で名乗って頂くことにしました。

 披講が全部終ると、句に対する意見を出し合います。時間的な制約もありますので、司会役を決めて、大抵沢山点の入った句から批評の対象にします。採った人、採らなかった人夫々に、その理由を話して貰います。1つの俳句に対して色んな解釈があることが分かります。また自分の知識や感性のなさも痛感させられます。この時が一番勉強になる時かも知れません。これが一般的な句会の流れです。

 了解を取った訳ではないので、皆の句を紹介することは出来ません。作者名を載せれば、別に問題になる訳ではありませんが、やはり黙って転載は気が引けます。そこで私の句を中心に紹介します。

 今回のこの句会には偶然ながら、比較的日常を詠んだ句を出しました。従って一寸皆さんを楽しませる要素には欠けるかも知れません。

   底冷えが居座っている山手線   至遊

 電車の中は暖房が効いている筈なのに、何故山手線かという意見もありました。余り解説はしない方がいいんですが、これは寒い土曜日に山手線に乗った時、客もまばらで、暖かい車内に入ってきた筈なのに、寒さを感じたものです。「居座っている」で切れているので、底冷えと山手線は直接の関係は考えなくてもよく、私が電車に乗っているとも限りません。

   小走りのビニール袋葱の首    至遊

 葱の首とは緑の部分なのか、白い根っこの方なのかで話題になりました。年末の近所での風景ですが、皆さんはどちらを想像されますか?一番苦労したところは、人を入れないで、人の動きを描き出すことだったのです。この方は成功だったようです。

   向い風声定まらぬ初鴉      至遊

 余り議論にはなりませんでした。鴉も初鳴きで緊張した?なんてことはないでしょうが、近くの鎮守の森での実景です。

   霜焼けの記憶が残る耳のたぶ   至遊

 点とは別に、先生には褒められた句です。と言っても今回の私の句の中ではこれが一番いいと言って貰っただけで、先生の選句にはありませんでした。久しぶりに霜焼けになりました。何だか耳たぶが痒いと思って、妻に言ったら「それ霜焼けじゃない?」と一遍で結論を出しました。霜焼けと聞いて、何となく懐かしさを感じたものです。子供の頃は毎年でしたから。

   可も不可もなく滑り出す小正月  至遊

 別の句会に出した、

   小正月夢のほころび見えてきて  至遊

の方がどちらかというと好きです。ちょっと抽象的すぎるという意見もありましたが。そろそろ初夢通りには行かないことは分かって来ますからね。もっとも初夢そのものも見てはいませんが。

 最後に無断で先生の句と先生の選句の中から一つずつ

   冬天の蒼し無疵のゆで卵     真樹

   貨物車の尾灯去りゆく波郷の忌  弥太郎