授業などをとおしてみた現代若者考


98.03.10 茶谷 達雄

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いつでもgood morning 「おはようございます」このあいさつは、まあよい。ところが午後でもそうだ。バー、キャバレーなみである。私などは学内でやられると、ときに「どっきと」する。学校はサービス産業になったのかと思う。待てよ、学生から見ると、すでに学校はサービス産業になっているのか。しかし、やはり世界の常識(?)によりgood morning とgood afternoonは、区別して欲しいものだ。 原因は、アルバイトにあるようだ。アルバイト先のマニュアルに「おはようございます」と言うように書いてあるとのこと。某ファストフードでドーナッツ30個買ったら、ここで召上がりますかと聞いたとか。それに似ている。情けない。

おじぎの仕方を習っていない子羊 昔懐かしい「起立 礼」。ところが「おじぎ」の仕方について、全然習っていない。曽野綾子先生の言ではないが、家庭でも、学校でも、社会でも「おじき」または「礼」の仕方を教えていないようだ。「多くの社会で、きちんと挨拶できるようにすることが子供のしつけの重要項目となっている。」(マイクロソフトエンカルタ98マルチメディア百科事典) よーし、誰もやらなければ俺がやろう、とばかり、授業の最初に「おじぎ」の仕方を講義するはめになった。

評価の分かれる「おじぎ」の授業 科目は「OAシステム論」でである。OAは、協働を支援するツールであり文化である。ということから、他人との善良な相互関係が背景になくてはならない。それは「礼にはじまり礼に終わる」のだとばかり、大儀名聞をそこにおき、大学で「おじぎ」の講義に及んだのだ。 「おじぎ」のチェックポイントを探すと、ちょうど13あった。半期の講座は13から15コマであるので、「潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」とばかりに、毎回ワンポイントレッスンで、押し付けることにした。しつけは「おしつけ」だ。 その結果の反響は「新鮮な驚き」と「何でこんなことを」に分かれた。この正解は、社会に出て判るであろう。迷える子羊どもよ。

学生はセールスマン アルバイト熱は、相当なもの。仕事の種別は、半数以上が販売である。「おはようございます」文化の根源はここにある。アルバイトしたことのない学生は、1割強しかいない。このため、中には学業がどうしてもおろそかになる者もでる。「ミイラとりがミイラになる」者も、ときおりある始末だ。

興味は、旅行、ファッション、ショッピングが御三家 学生が興味をもっているベスト3は、「旅行」「ファッション」「ショッピング」と並んでいる。このことは、アルバイトの目的に、好きなものを購入したいが、約7割を占めていることからも理解できる。 かってのアルバイトは、生活費の補助が多かったと思うが、それは3割強に過ぎない。ほぼ同率で、レジャー、旅行費用の捻出のためがいる。 この不景気は、このような風潮を牽制する効果はある。学業にもっと精を出して欲しいと思っているのは、きっと親御さんと教師だけではないか。

気になる交友関係 年頃であるだけに、異性の友人をもっているものが多く、その数は約9割弱である。さすがである。大学で得た最も大きいのは、「なんでも話し合える友人をもった」ことのようだ。そのような友人の数は2、3人から4,5人というところらしい。結構なことだ。 ちなみに、先生は、人生の相談相手というより、将来の進路について相談する相手と受止められているようだ。真の相談相手は、共通の悩みを持った者同士がよいのであろう。どの世界でも同じだ。

実利的な現代の若者 大学生活でのねらいとして、「資格を取り将来の就職に役立てたい」「専門的知識や高度な技術を習得」したいとしている者が多い。実利的である。それとともに、最も大きな不安としては、「これからの進路」である。バブル崩壊後の状態が、普通なのだが。 つきたい仕事は「やりがいのある」ものとしている。ついでに職業人としての理想は、「判断力」「仕事ができる」「気がきく」などをあげている。なかなかのものである。日本の将来は、大丈夫のようだ。

案外健全な心の持ちよう ここに、アンケート調査のデータがある。それによれば、理想の生き方としてのベスト3は、次のようになっている。 @ 健康で毎日楽しい生活を送る生き方
A 仕事も家庭も大切にし、社会に役立つ生き方
B 悔いのないような毎日を大切にした生き方
これからすると、案外健全な方向を、めざしているといえる。
だが、将来、きっと仕事、家庭、社会の3つの調和を取りながら、健康な毎日を送ることが、並大抵の努力では手に入らないことを、身にしみて味わうことであろう。若者にエールを送りたい。