癌治療の聡哲鍼灸院 東京都目黒区自由が丘
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癌治療エッセイ-2

緩和ケア 2005年12月11日

今日は東京都大塚の日本鍼灸師会館で開かれた学術講習会にいってきた。
 演題および講師は、
1.がんの痛みを緩和する
   --モルヒネやほかのオピオイドlを中心として--
   日本赤十字社医療センター 緩和ケア科 部長 秋山修先生
2.Palliative期の患者に対する鍼灸
   --症例から学ぶ現状と問題点--
   東海大学医学部付属大磯病院 鍼灸治療室 高士将典先生
 だった。

 日赤の秋山先生のお話からはホスピスで使われる一般的な疼痛鎮痛薬の働きや特徴、最近のデュロテップなどの新薬の話などもあって参考になった。秋山先生には何度も面識があり日赤医療センター緩和ケア病棟に入院している患者さんのところへ往診に行ってぼくが貼った皮内鍼を後日先生ご自身で張り替えてくださったり、と代替医療に理解を示してくださっていらしてとても有り難く思っている。

今日の講演に対する会場からの質問への答えの中にあったのだけれども、緩和ケアの現場における医療人に鍼灸への期待や理解が薄いのでどうしても鍼灸師がチーム医療に入るのが難しいとのこと。「国立ガンセンターでは鍼灸師がチームに入っていてうらやましい」と仰っていたのでぜひ秋山先生には日赤医療センターの上司を説得して頂きたいと思う。

 高士先生の講演は初めて聞いた。コメディカル(医師を頂点とした医療チームの中の一員)として大学病院内で鍼灸治療を行ってきて、実際にペインスケール(痛みの程度を数値で表現したもの)の一つであるVAS(Visual Analog Scale:拷問のような耐え難い痛みを10としまったく痛みのない状態を0として患者に現在の痛みを10段階のうちでどれくらいか自己申告してもらうことで、治療前治療後の痛みの変化を知る)を使ったりして統計を取ってこられてきた。

 その結果、例えば電子温灸器の導入により痛みの緩和が図られたことで医師や看護師といったまわりの医療スタッフに「鍼灸は効くらしい」と認識してもらう一助になったこと、その後医療スタッフが鍼灸治療室に積極的に患者を回してくれるようになったことなどを紹介していた。

 また慢性疼痛には皮内鍼が予想以上に効果があることなどぼくも納得できる報告をされていた。さらに刺絡というわりと刺激量の多い刺鍼方法も採用したことがあるなど興味深い報告もしてくださった。

   高士先生とは講演の後に個人的の話をしたかったのだけれどもすぐお帰りになってしまわれたようでちょっと残念だった。ぼくのように自分のしたい治療方法で患者さんにあたれる環境よりも制約の多い医療現場でされている高士先生のことは尊敬するし、これからもいろいろ教えて頂きたかったから。まぁ、いずれまたご縁があればお会いするだろう。

緩和ケア病棟の使い方 2005年10月29日

緩和ケア、ホスピスというと“死を看取るところ”というイメージがあるがそれは払拭してもらいたい。確かに手の施しようのない状態の方が入院されている場合もあるけれども“緩和ケア外来”というような積極的治療が困難な症状(例えば腹水など)に対してのケアを行うところもある、疼痛などに対する手法に秀でた医療機関という風に捉えなおしてほしいと思う。

 今日はその緩和ケア科に転院したQさんを往診したのだけれどもこれまでのつらい状態があまりに良く改善されていて驚いたことを述べてみたい。Qさんは原発不明の腹部腫瘍で腹膜播種のため腸閉塞状態になっていて自宅近くの医療センターに入院していた。当初は泌尿器科に入院していたがその後外科に移った。腸閉塞になったため口からの飲食はまったく禁止され経鼻チューブを腸の閉塞部まで挿入されてそこに溜まる消化液を体外に機械で排出していた。想像してみてほしい。鼻から喉を通して腸の奥底まで直径8mmくらいの透明チューブが差し込まれている不快さ、苦しさを。そしてこれはずっと取れないだろうと医師に言われていたという。

 毎日の3リットルに上る量の点滴、降圧剤のためか顔、足、腹部がむくんでいた。おなかもしょっちゅう痛かった。ぼくは往診時には生姜の“へそ灸”をしていたけれども効果は余りあがっていなかったと思う。

 それが今日、転院先の厚生年金病院(飯田橋)緩和ケア科に往診しにいったところ、経鼻チューブが外れているではないか。足やまぶたのむくみもすっきりしている。お腹の痛みもあまりなくなってしまったという。何より本人が以前より明るく元気になっていたのが嬉しい驚きだった。

 聞くところによると前の病院では点滴のし過ぎによるカロリーオーバーだったらしく何でも20代男性に処方するくらいのカロリーが投入されていたとか(ちなみにQさんは60代半ばの女性)。すぐに主治医が処方を変え、今では点滴量が激減し、常時接続でなくなり血圧も下がりむくみお腹の痛みも消えてしまったという。ようは“医原病”だったのだろう。そして経鼻チューブも転院してわずか3日で取ることができ、水分なら経口摂取可能とまでなった。

   主治医も「こうします」ではなくて「こういうふうに処方を変えるとこういうふうにかわるからぼくを信じてやってみませんか」というように提案して進めてくれるのでその点も嬉しかったとか。看護婦さんも親切だし今日はお風呂にもいれてもらい「女王様になった気分」を味わえた入浴だったと笑っていた。

 他の患者さんで広尾の日赤医療センターの緩和ケア科に入院していた方も「ここは天国よ〜」と言っていたことを思い出す。そこで痛みの処置をしてもらって退院していった人もいる。このように緩和ケア科は優れて使い勝手の良い医療機関なのだ。

 癌という病気は時に現代医学的には治療困難な状態になって痛みなどの体の愁訴に苦しむことがある。そのような時には緩和ケア科を積極的に利用したらどうだろうか。痛みの緩和などが上手な専門医が当たっていることが多いのだから。

 治療の終わったあとは緩和ケア科のある階に併設された病院の屋上庭園片隅の東屋でQさんとご家族の前でハープを奏でた。風にのって天音が空に広がってゆく。Qさんにとっては久しぶりの外気浴であり紅茶付き野外コンサート。楽しんでもらえたようでぼくも心軽々と帰ってこれた。

一人に一つの治療方法 2005年10月8日

9:00〜Pさん(乳)。里芋パスタを勧めているけれどもガンが大きくなって胸から落ちて治るのは怖いとのことで里芋パスタはせず、鍼灸で対応。昨日、引き受け気功に娘さんと初参加されたので、引き受け気功で大事なのは所作をまねる形ではなく、嫌なものを引き受ける、嫌いな、怖いガンを引き受けるということを心から思うことが大事だと思う、とお話しする。

 ガンは夜中にブワンブワンバイクや車のエンジンをふかして騒ぎまくっている子供たちのように、根はいい子達が認めてくれなくて暴れている状態なんですよ、認めてあげて引き受けて愛情を注げばガンは変っていくと思いますと話した。これは寺山心一翁さんからも聞いた話。彼もまた癌に愛情を注いで治した人だから。
 10:00〜Qさん(前立腺)。昨日の引き受け気功の話。人との関係、男女の関係について。波動整体療法を学びに行くとか。ビワの葉温灸をする。

 11:00〜Rさん(悪性リンパ腫)。抗がん剤2回目を昨日受けて今日はだるい。前回はふらふらでたどりついたのに帰りは元気に帰れたのが嬉しかったと。全身対応の鍼灸とビワの葉温灸。治療中に引き受け気功の話をしたら次回に参加するとのこと。『ガンはカゼと同じように治る』をお貸しする。娘さんの手当てが一番の効果があることをお話しする。

 2:00〜Wさん(大腸がん腹膜転移)。便が出なくてお腹が張って苦しく夜眠れない。千葉医療センターまで片道2時間かけて往診。4人部屋ではへそ灸ができないので“処置室”で。処置室という言葉はないよなぁ。国立医療機関だからだろうか、この非人間的な言葉、医療をする側からの言葉。こういう言葉がまかり通っているから病院が気持ちいい場所になっていかないんじゃないかと思う。

 その処置室で生姜のへそ灸。これで前回治療後に3日間連続して便が出たとのこと。病院で娘さんができる方法だから自分でお母さんにしてあげるよう勧めるが、お灸の煙が部屋の天井備え付けの火災報知機を鳴らす可能性があるのでそれを防ぐためにガムテープで眼張りする作業が自分ではできないから、との理由でまた僕が往診した際にへそ灸をすることにする。環境が整わなくて治療ができないのは残念なことだ。とこずれになりそうで痛いという仙骨と肩甲骨を鍼と小さなお灸あるいは電気ビワの葉温灸器(ユーフォリア)で血液循環をはかる。ハープで一曲奏上。

 5:00〜Xさん(子宮頸)。5時5分前に治療院に帰り着いたら前で待たれていた。すみませんでした。体調は良好。いつもどおりの治療。造血の鍼灸。ユーフォリアで肝臓、下腹部、そけい部をアーユルヴェーダオイルを塗ってから温める。うつ伏せで腎ゆ、仙骨部、腰陽関穴を十分温める。治療中には保育園の話から始まって教育の話など。

 6:00〜Zさん(肝臓)。中学の先生。子供が“壊れてきていて”本当に困って精神的に参ってしまう、とのこと。霊的な話をよく二人でするので「子供が憑依されているとしたらどうしたらいいか」という話など。先生に対する足かせ手かせの多さには同情を禁じえない。親が壊れているので子供がそうなるのも無理はないとも思う。教育を先生だけに任せては先生がつぶれてしまう。皆で、地域で子供を育てないと。肝臓に対する鍼と灸、ビワの葉温灸器による脾、胃、肝臓部への支配神経の出る脊柱部位への温熱刺激、そして手からの生命エネルギー投入。

 今日は久しぶりに休みなしの一日だった。それにしても一人ひとりにまったく違う治療をしているな、と気付く。でもそれが正しいと思っている。オーダーメイドが当たり前だろう。

『母なる風の教え』から学んだこと 2005年10月3日

 我々ネイティブ・アメリカンにとっての医療、まじないとは単なる薬草や医師が受ける訓練だけにはとどまらない。人々が生きがいを得られるように手助けをすることなのである。新しい方向を指し示してこの道を行きなさいと言ってあげることが、癒しにつながる。助けの手を差し伸べ、人の気持ちを楽にしてあげて初めて、まじないを施したことになるのである」

 重みのある言葉だと思う。ホリスティック医療、全人的医療というものがこの弓の島(日本のことね)でも叫ばれだしているけれども、それを既に古来から行ってきた、それも一人ひとりの個人のメディスンマンによって行われてきたことに、ネイティブ・アメリカンの人々の社会が健全であり続けてきたこと、人と人との間柄の近さ、濃密さを感じ、そして私は憧れるのだ。

 ここに示した短文では通り一遍の言葉になってしまうけれども、書中では筆者であるベア・ハートが戦没将兵記念日でさえ一枚のカードも来ない哀れな忘れ去られた傷痍軍人たちを病院に訪ねて、彼らに「神はあなたのことを忘れていない」と真心をもって語りかけることで彼らが癒されていくところを描写している。

 それが冒頭の文章につながっていく。まじない師、ヒーラーという者は技術によってなるものではあらず、心によってなるものである、ということだと思う。心して歩んでいきたい。

自律神経免疫療法 2005年9月21日

今日、患者さんから自律神経免疫療法で治療して欲しいと依頼された。
 その方は近くのS大病院に入院されている方でこれまで病室に6回ほど往診しに行った。肺癌で食道リンパ、気管支リンパに転移していて手術は不可能な状態。胸水があり間質性肺炎を起こし微熱のため抗生剤も投与されている。経鼻的に酸素供給がなされ、胃ろうも開設して栄養供給されており既に4ヶ月ほど口から物を食べていない。導尿もしていて体中パイプに繋がれている状態だ。幸い痛みはないが痰が切れず、ゼロゼロと苦しげな呼吸をされている。

 これまで足の三里、陰陵泉、尺沢、曲池、中府などの経穴に物理的には接触するくらいの鍼、想念では3センチくらいの鍼を刺入し、異界の先生方に治療依頼しつつ自分は愛情を注ぐというような治療をしてきた。合わせて同経穴に灸をしてきた。そして治療後毎回持参したハープを奏上してきた。

 きつい積極的治療は困難と判断し体に負担の少ない柔らかな治療をしていた。ところが今日は治療後に本人から筆談で「自律神経免疫療法をしないのか」と問われたのである。
 この方の場合は奥様から治療依頼があった。巷で話題の自律神経免疫療法をしているH市のSクリニックに奥様が問い合わせたところ、そこでは診れないから私を紹介する、とのことで電話がきたのだ。そのクリニックの先生とは安保徹教授の講演会で知り合い時々患者さんをこれまで紹介して頂いていた。

 しかし現在では私は自律神経免疫療法は治療に取り入れてはいない。そのためその旨を奥様に申し上げたのだがそれでもいいので治療に来て欲しいとのことで往診を始めたのであった。だから冒頭の依頼をされた時にようやく私は奥様から本人にはそういう話は伝わっていなかったのだなと理解できた。

 自律神経免疫療法は私見では積極的、攻撃的治療法と考えており今のこの方にはきつすぎるのではないかと判断していた。その旨申し上げたが是非にとのこと。困っているところに奥様が病室に戻られたので二人で病室を出て奥様に体に負担が多い恐れがあると忌憚なく述べた。

 すると「本人はとにかく積極的になんでもやりたい、どんな辛くても治療を受けたい、頑張りたいというタイプで、何もしてないことに耐えられないのです。治療でかえって悪くなってもよいからして欲しい」と仰る。

 私の治療は私のHPの私の目指すものにも述べているように肉体の治療という手段を通して魂の気付きのきっかけになれれば幸いだと考えている。そのためこの方の場合にも初診の際にはこれまで自分で癌を治してきた方の多くに気づきがあったことや魂のこともお話させて頂いた。そっと足元に置くという感じで。

 しかしこの方はとにかく病と闘う、死と闘うというスタンスであった。なのでこれから私はその線で治療をしていく。次回からは自律神経免疫療法を使うことになるだろう。
 現実界においては現実的対応をしていかねばならないこと、顧客のニーズに合わせられることがプロの条件と考えれば当然のことではあるし、自分の価値観は押し付けるものではない。まして命を懸けた切実な願いであるのだから。

 今ようやく気付く。抗がん剤治療のみしか手持ちのカードがない医師が患者からきつくてもいいから治療をしてくれと懇願されれば副作用がきつくても採用せざるを得ない場合もあるのだろうことを。そしてその時の医師の苦衷の胸の内を。
 治療は難しい。いや、どんな仕事だってそうなのだろうけれども・・・。今回も大きな学びとなるだろう。

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