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メッセージリフレクション
ドキュメント種別 ATL/WTL に関する文書
最終更新日 2007/03/18
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 通常、コントロールはWM_COMMANDメッセージ (コモンコントロールの場合はWM_NOTIFYメッセージ)を親ウィンドウに送信し、 親ウィンドウはそれらのメッセージに応答して処理を実行します。

 しかし、コントロールが送るそのようなメッセージを、 親ウィンドウではなくそのコントロール自身に応答させたい場合があります。 メッセージリフレクションは、それを実現する仕組みです。 メッセージリフレクションを使うと、コントロールが親ウィンドウに送ったメッセージは 親ウィンドウからコントロールに返送され、コントロールが応答することができます。

次に示すのは、メッセージリフレクションに対応した親ウィンドウクラスのメッセージマップです。

// 親ウィンドウ
class CMainDlg : public CDialogImpl<CMainDlg>
{
    ...
    ...

    // メッセージマップ
    BEGIN_MSG_MAP(CMainDlg)
        MSG_WM_INITDIALOG(OnInitDialog)
        ...
        ...
        REFLECT_NOTIFICATIONS()  // 処理されなかったメッセージを返送
    END_MSG_MAP()

    ...
    ...
			

 親ウィンドウクラス(今回の例ではCMainDlg)はコントロールからのメッセージを受け取ると、 メッセージマップにそのメッセージ用のメッセージマップエントリがあるかどうか調べます。 該当するメッセージマップエントリがなければ、 REFLECT_NOTIFICATIONSマクロによってメッセージを送ってきたコントロールに返送します。

 次に、返送されたメッセージに応答するコントロールクラスを定義します。 以下に示すのは、ボタンのキャプション文字列をURLと仮定し、 ボタンを押すとそのURLをWebブラウザで開くボタン(URLボタン)を定義する例です。 プロジェクトにUrlButton.hというヘッダを追加し、 そこにCUrlButtonというクラスを定義します。

// UrlButton.h
#pragma once

class CUrlButton : public CWindowImpl<CUrlButton>
{
public:
    DECLARE_WND_SUPERCLASS(_T("UrlButton"), _T("BUTTON"))

    BEGIN_MSG_MAP(CUrlButton)
        MSG_OCM_COMMAND(OnCommand)
        DEFAULT_REFLECTION_HANDLER()
    END_MSG_MAP()

    void OnCommand(UINT uNotifyCode, int nID, CWindow wndCtl){
        TCHAR szURL[256];
        GetWindowText(szURL, sizeof(szURL)/sizeof(TCHAR));
        ShellExecute(m_hWnd, _T("open"), szURL, NULL, NULL, SW_SHOWNORMAL);
    }
};
			

CUrlButtonでは、親ウィンドウから返送されたWM_COMMANDメッセージを処理します。 WTLは、返送されたメッセージをOCM_で始まるメッセージ (OCM_COMMANDOCM_NOTIFYOCM_CTLCOLORBTNなど) に置き換えます。 また、返送されたメッセージのためのメッセージマクロを用意しています。 今回の例では、OCM_COMMANDメッセージをMSG_OCM_COMMANDメッセージマクロによって、 OnCommand()にマッピングしています。 OnCommand()では、ボタンのキャプションであるURL文字列を取得し、Webブラウザで開きます。 なお、処理されなかったメッセージはDEFAULT_REFLECTION_HANDLERマクロによって処理されます。

最後に、コントロールを作成する必要があります。 コントロールを作成するためにはCreate()を呼び出しますが、 SubclassWindow()を呼び出して既存のコントロールをサブクラス化することもできます。

class CMainDlg : public CDialogImpl<CMainDlg>
{
    ...
    ...

    enum { IDC_BUTTON_URL = 1001 };
    CUrlButton m_button_url;

    BOOL OnInitDialog(CWindow wndFocus, LPARAM lInitParam){

        // コントロール作成
        m_button_url.Create(m_hWnd, CRect(0, 0, 200, 30),
            _T("http://wtl.sourceforge.net/"), 
            WS_CHILD | WS_VISIBLE, 0, IDC_BUTTON_URL);
        // または既存のコントロールをサブクラス化
        // m_button_url.SubclassWindow(GetDlgItem(IDC_BUTTON_URL));

        return TRUE;
    }

    ...
    ...
			

このように、メッセージリフレクションを使用すると、 コントロールが親ウィンドウに送ったメッセージに対する動作を、コントロール自身で実装できるため、 コントロールの独立性を高めることができます。

 次に示すのは、CUrlButtonクラスを使用する例です。


プロジェクトファイル ダウンロード
// stdafx.h
#pragma once

#include <atlbase.h>
#include <atlapp.h>
extern CAppModule _Module;
#include <atlwin.h>

#include <atlcrack.h>
#include <atlmisc.h>
			

// MainDlg.h
#pragma once

class CMainDlg : public CDialogImpl<CMainDlg>
{
public:
    enum { IDD = IDD_MAINDLG };

    CUrlButton m_button_url;

    BEGIN_MSG_MAP(CMainDlg)
        MSG_WM_INITDIALOG(OnInitDialog)
        COMMAND_ID_HANDLER_EX(IDOK, OnOK)
        COMMAND_ID_HANDLER_EX(IDCANCEL, OnCancel)
        REFLECT_NOTIFICATIONS()  // メッセージを返送
    END_MSG_MAP()

    BOOL OnInitDialog(CWindow wndFocus, LPARAM lInitParam){
        // スクリーンの中央に配置
        CenterWindow();

        // 大きいアイコン設定
        HICON hIcon = AtlLoadIconImage(IDR_MAINFRAME, LR_DEFAULTCOLOR,
            ::GetSystemMetrics(SM_CXICON), ::GetSystemMetrics(SM_CYICON));
        SetIcon(hIcon, TRUE);
        
        // 小さいアイコン設定
        HICON hIconSmall = AtlLoadIconImage(IDR_MAINFRAME, LR_DEFAULTCOLOR,
            ::GetSystemMetrics(SM_CXSMICON), ::GetSystemMetrics(SM_CYSMICON));
        SetIcon(hIconSmall, FALSE);

        // コントロールサブクラス化
        m_button_url.SubclassWindow(GetDlgItem(IDC_BUTTON_URL));

        return TRUE;
    }

    void OnOK(UINT uNotifyCode, int nID, CWindow wndCtl){
        EndDialog(nID);
    }

    void OnCancel(UINT uNotifyCode, int nID, CWindow wndCtl){
        EndDialog(nID);
    }
};
			

// SampleProject.cpp
#include "stdafx.h"
#include "resource.h"
#include "UrlButton.h"
#include "MainDlg.h"

CAppModule _Module;

int WINAPI _tWinMain(HINSTANCE hInstance, 
    HINSTANCE /*hPrevInstance*/, LPTSTR /*lpstrCmdLine*/, int /*nCmdShow*/)
{
    HRESULT hRes = ::CoInitialize(NULL);
    ATLASSERT(SUCCEEDED(hRes));

    ::DefWindowProc(NULL, 0, 0, 0L);

    AtlInitCommonControls(ICC_BAR_CLASSES);

    hRes = _Module.Init(NULL, hInstance);
    ATLASSERT(SUCCEEDED(hRes));

    CMainDlg dlg;
    int nRet = (int) dlg.DoModal();

    _Module.Term();
    ::CoUninitialize();

    return nRet;
}
			

 まず、リソースを作成します。ダイアログにボタンコントロールを配置し、 [Caption]と[ID]を次のように指定します。 なお、ボタンのキャプションには有効なURL文字列を設定します。

コントロール名 Caption ID
ボタン http://wtl.sourceforge.net/ IDC_BUTTON_URL

 次に、CMainDlgクラスでURLボタン用に CUrlButtonクラスのインスタンスをメンバ変数として宣言します。 これを使うためには、WM_INITDIALOGメッセージハンドラでSubclassWindow()を呼び出します。

 最後に、SampleProject.cppファイルでMainDlg.hヘッダの前にUrlButton.hヘッダをインクルードします。

 ところで、今回は返送されたメッセージのマッピングにMSG_OCM_COMMANDメッセージマクロを使用しましたが、 WTLは返送されたメッセージ用に次のような種類のメッセージマクロを用意しています。

メッセージリフレクション用WM_COMMANDメッセージハンドラマクロ
 メッセージリフレクション用WM_COMMANDメッセージハンドラマクロは、返送されたWM_COMMANDメッセージ(OCM_COMMAND)を対象とします。

  • MSG_OCM_COMMAND(ハンドラ名)
    返送されたWM_COMMANDメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_HANDLER_EX(ID, 通知コード, ハンドラ名)
    指定されたコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたWM_COMMANDメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_ID_HANDLER_EX(ID, ハンドラ名)
    指定されたコントロールからの任意の通知コードを持つ返送されたWM_COMMANDメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_CODE_HANDLER_EX(通知コード, ハンドラ名)
    任意のコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたWM_COMMANDメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_RANGE_HANDLER_EX(開始位置のメッセージ名, 終了位置のメッセージ名, ハンドラ名)
    連続した範囲のコントロールからの返送されたWM_COMMANDメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_RANGE_CODE_HANDLER_EX(開始位置のメッセージ名, 終了位置のメッセージ名, 通知コード, ハンドラ名)
    連続した範囲のコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたWM_COMMANDメッセージをハンドラ関数にマップします。

メッセージリフレクション用WM_COMMANDメッセージハンドラ関数のプロトタイプを以下に示します。

void CommandHandler(UINT uNotifyCode, int nID, CWindow wndCtl);
			

uNotifyCodeは通知コード、nIDはメッセージリフレクション用WM_COMMANDメッセージを送信したコントロールの識別子、 wndCtlはメッセージリフレクション用WM_COMMANDメッセージを送信したコントロールウィンドウです。

メッセージリフレクション用WM_NOTIFYメッセージハンドラマクロ
 メッセージリフレクション用WM_NOTIFYメッセージハンドラマクロは、返送されたWM_NOTIFYメッセージ(OCM_NOTIFY)を対象とします。

  • MSG_OCM_NOTIFY(ハンドラ名)
    返送されたWM_NOTIFYメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_HANDLER_EX(ID, 通知コード, ハンドラ名)
    指定されたコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたWM_NOTIFYメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_ID_HANDLER_EX(ID, ハンドラ名)
    指定されたコントロールからの任意の通知コードを持つ返送されたWM_NOTIFYメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_CODE_HANDLER_EX(通知コード, ハンドラ名)
    任意のコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたWM_NOTIFYメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_RANGE_HANDLER_EX(開始位置のメッセージ名, 終了位置のメッセージ名, ハンドラ名)
    連続した範囲のコントロールからの返送されたWM_NOTIFYメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_RANGE_CODE_HANDLER_EX(開始位置のメッセージ名, 終了位置のメッセージ名, 通知コード, ハンドラ名)
    連続した範囲のコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたWM_NOTIFYメッセージをハンドラ関数にマップします。

メッセージリフレクション用WM_NOTIFYメッセージハンドラ関数のプロトタイプを以下に示します。

LRESULT NotifyHandler(LPNMHDR pnmh);
			

pnmhはNMHDR構造体へのポインタです。

その他のメッセージリフレクション用メッセージハンドラマクロ
 次のメッセージリフレクション用メッセージハンドラマクロは、前述以外の返送されたメッセージを対象とします。

  • MSG_OCM_PARENTNOTIFY(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_DRAWITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_MEASUREITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_COMPAREITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_DELETEITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_VKEYTOITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CHARTOITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_HSCROLL(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_VSCROLL(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLOREDIT(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORLISTBOX(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORBTN(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORDLG(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORSCROLLBAR(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORSTATIC(ハンドラ名)