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メッセージリフレクション
ドキュメント種別 ATL/WTL に関する文書
最終更新日 2004/02/20
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 通常、コントロールはWM_COMMAND(コモンコントロールの場合はWM_NOTIFY) メッセージを親ウィンドウに送信します。 親ウィンドウはそれらのメッセージに応答して処理を実行します。

 しかし、コントロールが送るそのようなメッセージを、 親ウィンドウではなくそのコントロール自身に応答させたい場合があります。 メッセージリフレクションは、これを実現する仕組みです。 メッセージリフレクションを使うと、コントロールが親ウィンドウに送ったメッセージは 親ウィンドウからコントロールに返送され、コントロールが応答することができます。

次に示すのは、コントロールからのメッセージを返送する、親ウィンドウクラスのメッセージマップです。

// 親ウィンドウ
class CMainDlg : public CDialogImpl<CMainDlg>
{
    ...
    ...

    // メッセージマップ
    BEGIN_MSG_MAP_EX(CMainDlg)
        MSG_WM_INITDIALOG(OnInitDialog)
        ...
        ...
        REFLECT_NOTIFICATIONS()  // 処理されなかったコントロールからのメッセージを返送
    END_MSG_MAP()

    ...
    ...
			

 親ウィンドウ(この例ではCMainDlg)はコントロールからのメッセージを受け取ると、 メッセージマップにそのメッセージ用のメッセージマップエントリがあるかどうか調べます。 該当するメッセージマップエントリがなければ、 REFLECT_NOTIFICATIONSマクロによってメッセージを送ってきたコントロールに返送します。

 次に、返送されたメッセージに応答するコントロールクラスを定義します。 ここでは、ボタン用クラスCUrlButtonを定義します。 CUrlButtonクラスはボタンのキャプション文字列をURLと仮定し、 ボタンを押すとそのURLを開きます。 この例ではUrlButton.hというヘッダファイルを用意し、 そこにCUrlButtonクラスを定義しています。

// UrlButton.h内
class CUrlButton : public CWindowImpl<CUrlButton>
{
public:
    DECLARE_WND_SUPERCLASS(_T("UrlButton"), _T("BUTTON"))

    // メッセージマップ
    BEGIN_MSG_MAP_EX(CUrlButton)
        MSG_OCM_COMMAND(OnCommand)
        DEFAULT_REFLECTION_HANDLER()
    END_MSG_MAP()

    void OnCommand(UINT uNotifyCode, int nID, HWND hWndCtl){
        TCHAR szURL[2048];
        GetWindowText(szURL, sizeof(szURL)/sizeof(TCHAR));
        ShellExecute(m_hWnd, _T("open"), szURL, NULL, NULL, SW_SHOWNORMAL);
    }
}
			

これにより、親ウィンドウから返送されたメッセージは、 メッセージを送ったコントロールのメッセージマップで処理されます。 返送されたメッセージはOCM_で始まります。 (OCM_COMMANDOCM_NOTIFYOCM_CTLCOLORBTNなど。) WTLは返送されたメッセージのためのメッセージマクロを用意しています。 上の例ではOCM_COMMANDメッセージをMSG_OCM_COMMANDメッセージマクロによって、 OnCommand()にマッピングしています。 なお、処理されなかったメッセージはDEFAULT_REFLECTION_HANDLERマクロによって処理されます。

最後に、コントロールを作成する必要があります。 作成するためにはCreate()を呼び出しますが、 SubclassWindow()によって既存のコントロールをサブクラス化することもできます。

class CMainDlg : public CDialogImpl<CMainDlg>
{
    ...
    ...

    enum { IDC_BUTTON_URL = 1001 };
    CUrlButton m_button_url;

    LRESULT OnInitDialog(HWND hWnd, LPARAM lParam){

        // コントロール作成
        m_button_url.Create(m_hWnd, CRect(0, 0, 200, 30),
            _T("http://www.google.com/"), WS_CHILD | WS_VISIBLE, 0, IDC_BUTTON_URL);
        // または既存のコントロールをサブクラス化
        // m_button_url.SubclassWindow(GetDlgItem(IDC_BUTTON_URL));

        return TRUE;
    }

    ...
    ...
			

このように、メッセージリフレクションを使用すると、 コントロールクラスが親ウィンドウに依存せずに、 自分が親ウィンドウに送ったメッセージに対する動作を自分自身で実装できます。

 次に示すのは、CUrlButtonクラスを使用する例です。


// stdafx.h内
#include <atlbase.h>
#include <atlapp.h>
extern CAppModule _Module;
#include <atlwin.h>

#include <atlcrack.h>
#include <atlmisc.h>
			

// maindlg.h内
class CMainDlg : public CDialogImpl<CMainDlg>
{
public:
    enum { IDD = IDD_MAINDLG };

    CUrlButton m_button_url;

    // メッセージマップ
    BEGIN_MSG_MAP_EX(CMainDlg)
        MSG_WM_INITDIALOG(OnInitDialog)
        COMMAND_ID_HANDLER_EX(IDOK, OnOK)
        COMMAND_ID_HANDLER_EX(IDCANCEL, OnCancel)
        REFLECT_NOTIFICATIONS()  // メッセージを返送
    END_MSG_MAP()

    LRESULT OnInitDialog(HWND hWnd, LPARAM lParam){
        // スクリーンの中央に配置
        CenterWindow();

        // 大きいアイコン設定
        HICON hIcon = AtlLoadIconImage(IDR_MAINFRAME, LR_DEFAULTCOLOR,
            ::GetSystemMetrics(SM_CXICON), ::GetSystemMetrics(SM_CYICON));
        SetIcon(hIcon, TRUE);
        
        // 小さいアイコン設定
        HICON hIconSmall = AtlLoadIconImage(IDR_MAINFRAME, LR_DEFAULTCOLOR,
            ::GetSystemMetrics(SM_CXSMICON), ::GetSystemMetrics(SM_CYSMICON));
        SetIcon(hIconSmall, FALSE);

        // コントロールサブクラス化
        m_button_url.SubclassWindow(GetDlgItem(IDC_BUTTON_URL));

        return TRUE;
    }

    void OnOK(UINT uNotifyCode, int nID, HWND hWndCtl){
        EndDialog(nID);
    }

    void OnCancel(UINT uNotifyCode, int nID, HWND hWndCtl){
        EndDialog(nID);
    }
};
			

// Control.cpp内
#include "stdafx.h"

#include "resource.h"

#include "UrlButton.h"
#include "maindlg.h"

CAppModule _Module;

int WINAPI _tWinMain(HINSTANCE hInstance, HINSTANCE, LPTSTR lpCmdLine, int nCmdShow)
{
    HRESULT hRes = ::CoInitialize(NULL);
    ATLASSERT(SUCCEEDED(hRes));

    ::DefWindowProc(NULL, 0, 0, 0L);

    AtlInitCommonControls(ICC_COOL_CLASSES | ICC_WIN95_CLASSES);

    hRes = _Module.Init(NULL, hInstance);
    ATLASSERT(SUCCEEDED(hRes));

    int nRet = 0;
    // BLOCK: アプリケーション実行
    {
        CMainDlg dlgMain;
        nRet = dlgMain.DoModal();
    }

    _Module.Term();
    ::CoUninitialize();

    return nRet;
}
			

 まず、リソースを作成します。ダイアログにボタンコントロールを配置し、 リソースIDを次のように指定します。 なお、ボタンのキャプションは有効なURL文字列に設定します。

コントロール名 リソースID
プッシュボタン IDC_BUTTON_URL

 次に、CMainDlgクラスでURLボタン用に CUrlButtonクラスのインスタンスをメンバ変数として宣言します。

 次に、メッセージマップでREFLECT_NOTIFICATIONSを追加し、 最後にWM_INITDIALOGメッセージハンドラでSubclassWindow()によって 既存のボタンコントロールをサブクラス化します。

 ところで、今回は返送されたメッセージのマッピングにMSG_OCM_COMMANDメッセージマクロを使用しましたが、 WTLは返送されたメッセージ用に次のような種類のメッセージマクロを用意しています。

メッセージリフレクション用コマンドハンドラマクロ
 次のメッセージマクロは、返送されたコマンドメッセージ(OCM_COMMAND)を対象とします。

  • MSG_OCM_COMMAND(ハンドラ名)
    返送されたコマンドメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_HANDLER_EX(ID, 通知コード, ハンドラ名)
    指定されたコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたコマンドメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_ID_HANDLER_EX(ID, ハンドラ名)
    指定されたコントロールからの任意の通知コードを持つ返送されたコマンドメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_CODE_HANDLER_EX(通知コード, ハンドラ名)
    任意のコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたコマンドメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_RANGE_HANDLER_EX(開始位置のメッセージ名, 終了位置のメッセージ名, ハンドラ名)
    連続した範囲のコントロールからの返送されたコマンドメッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_COMMAND_RANGE_CODE_HANDLER_EX(開始位置のメッセージ名, 終了位置のメッセージ名, 通知コード, ハンドラ名)
    連続した範囲のコントロールからの指定された通知コードを持つ返送されたコマンドメッセージをハンドラ関数にマップします。

メッセージリフレクション用通知ハンドラマクロ
 次のメッセージマクロは、返送された通知メッセージ(OCM_NOTIFY)を対象とします。

  • MSG_OCM_NOTIFY(ハンドラ名)
    返送された通知メッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_HANDLER_EX(ID, 通知コード, ハンドラ名)
    指定されたコントロールからの指定された通知コードを持つ返送された通知メッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_ID_HANDLER_EX(ID, ハンドラ名)
    指定されたコントロールからの任意の通知コードを持つ返送された通知メッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_CODE_HANDLER_EX(通知コード, ハンドラ名)
    任意のコントロールからの指定された通知コードを持つ返送された通知メッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_RANGE_HANDLER_EX(開始位置のメッセージ名, 終了位置のメッセージ名, ハンドラ名)
    連続した範囲のコントロールからの返送された通知メッセージをハンドラ関数にマップします。

  • REFLECTED_NOTIFY_RANGE_CODE_HANDLER_EX(開始位置のメッセージ名, 終了位置のメッセージ名, 通知コード, ハンドラ名)
    連続した範囲のコントロールからの指定された通知コードを持つ返送された通知メッセージをハンドラ関数にマップします。

その他のメッセージリフレクション用ハンドラマクロ
 次のメッセージマクロは、前述以外のメッセージリフレクション用メッセージを対象とします。

  • MSG_OCM_PARENTNOTIFY(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_DRAWITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_MEASUREITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_COMPAREITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_DELETEITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_VKEYTOITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CHARTOITEM(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_HSCROLL(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_VSCROLL(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLOREDIT(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORLISTBOX(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORBTN(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORDLG(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORSCROLLBAR(ハンドラ名)
  • MSG_OCM_CTLCOLORSTATIC(ハンドラ名)