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ビットマップ
ドキュメント種別 ATL/WTL に関する文書
最終更新日 2003/12/17
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 WTLではGDIオブジェクトのビットマップをCBitmapTというテンプレートクラスでカプセル化しています。 テンプレート引数はbool値で、trueの場合はデストラクタでDeleteObject()を呼び出し、 falseの場合は呼び出しません。atlgdi.hヘッダではtypedefによって次のように宣言されています。

// atlgdi.h内
typedef CBitmapT<false>  CBitmapHandle;
typedef CBitmapT<true>   CBitmap;
			

 WTLのCBitmapクラスは、MFCの同名のクラスとほぼ同じメンバ関数を用意している上、 DIBもサポートしています。 以下に示すのは、CBitmapクラスを使用し、ファイル情報を元にパレットを最適化して クライアント領域の中央にビットマップ画像を表示する例です。


CBitmap m_bitmap;    // CBitmap型のメンバ変数
CPalette m_palette;  // CPalette型のメンバ変数

// WM_PAINTメッセージハンドラ
void OnPaint(HDC /*hDC*/){
    CPaintDC dc(m_hWnd);

    // パレットを選択
    HPALETTE hOldPalette;
    if(!m_palette.IsNull()){
        hOldPalette = dc.SelectPalette(m_palette, FALSE);
        dc.RealizePalette();
    }

    if(!m_bitmap.IsNull()){
        // メモリデバイスコンテキストを作成し、ビットマップを選択
        CDC dcMem;
        dcMem.CreateCompatibleDC(dc);
        HBITMAP hOldBitmap = dcMem.SelectBitmap(m_bitmap);

        // クライアント矩形と画像矩形を取得し、中央に画像を表示
        CRect rect;
        GetClientRect(rect);
        DIBSECTION ds;
        ::GetObject(m_bitmap, sizeof(DIBSECTION), &ds);
        int nX = rect.Width() / 2 - ds.dsBm.bmWidth / 2;
        int nY = rect.Height() / 2 - ds.dsBm.bmHeight / 2;
        dc.BitBlt(nX, nY, ds.dsBm.bmWidth, ds.dsBm.bmHeight, dcMem, 0, 0, SRCCOPY);

        // 元のビットマップを選択
        dcMem.SelectBitmap(hOldBitmap);
    }

    // 元のパレットを選択
    if(!m_palette.IsNull())
        dc.SelectPalette(hOldPalette, FALSE);
}

// WM_CREATEメッセージハンドラ
LRESULT OnCreate(LPCREATESTRUCT lpcs){
    // ビットマップファイル読み込み
    m_bitmap = AtlLoadBitmapImage(_T("D:\\sample.bmp"),
        LR_LOADFROMFILE | LR_CREATEDIBSECTION);

    CClientDC dc(m_hWnd);
    if(dc.GetDeviceCaps(RASTERCAPS) & RC_PALETTE){
        // 画像ファイル情報を取得
        DIBSECTION ds;
        ::GetObject(m_bitmap, sizeof(DIBSECTION), &ds);

        // 画像の色数を取得
        int nColors;
        if(ds.dsBmih.biClrUsed != 0)
            nColors = ds.dsBmih.biClrUsed;
        else
            nColors = 1 << ds.dsBmih.biBitCount;

        // 画像に適したパレットを作成
        if(nColors > 256){
            // 色数が256色より多い場合はハーフトーンパレットを作成
            m_palette.CreateHalftonePalette(dc);
        }else{
            // 色数が256色以下の場合はカスタムパレットを作成
            RGBQUAD* pRGB = new RGBQUAD[nColors];

            CDC dcMem;
            dcMem.CreateCompatibleDC(dc);
            HBITMAP hOldBitmap = dcMem.SelectBitmap(m_bitmap);
            dcMem.GetDIBColorTable(0, nColors, pRGB);
            dcMem.SelectBitmap(hOldBitmap);

            UINT nSize = sizeof(LOGPALETTE) + (sizeof(PALETTEENTRY) * (nColors - 1));
            LOGPALETTE* pLP = (LOGPALETTE*) new BYTE[nSize];

            pLP->palVersion = 0x300;
            pLP->palNumEntries = nColors;

            for(int i=0; i<nColors; i++){
                pLP->palPalEntry[i].peRed = pRGB[i].rgbRed;
                pLP->palPalEntry[i].peGreen = pRGB[i].rgbGreen;
                pLP->palPalEntry[i].peBlue = pRGB[i].rgbBlue;
                pLP->palPalEntry[i].peFlags = 0;
            }

            m_palette.CreatePalette(pLP);

            delete[] pLP;
            delete[] pRGB;
        }
    }

    return 0;
}
			

 まず、先頭で、CBitmapクラスのインスタンスであるm_bitmapと、 CPaletteクラスのインスタンスであるm_paletteをメンバ変数として宣言します。 これらの変数は、それぞれCBitmapCPaletteクラスのコンストラクタでNULLに初期化されています。

 次に、WM_CREATEメッセージハンドラを見ます。 WM_CREATEメッセージハンドラでは始めに、 AtlLoadBitmapImage()によってビットマップファイルを読み込みます。 次に、パレットが必要かどうかをチェックし、 必要な場合は画像の色数を取得して適切なパレットを作成します。

 WM_PAINTメッセージハンドラでは、 まず、必要な場合はパレットオブジェクトを選択します。次に、 メモリデバイスコンテキストを作成してSelectBitmap()でビットマップオブジェクトを選択します。 SelectBitmap()は引数にHBITMAP型の変数を受け取りますが、 CBitmapTクラスはHBITMAP変換演算子を持っているのでそのまま渡すことができます。 SelectBitmap()は以前のビットマップハンドルを返すので、 これをhOldBitmapという変数に保存しておきます。

次に、クライアント領域の中央にビットマップを描画します。 描画する座標は、GetClientRect()GetObject()によって それぞれクライアント領域と画像の大きさを取得して計算します。

最後に、先ほど保存しておいた元のビットマップハンドルに戻すため、 再度SelectBitmap()を呼び出して元のビットマップハンドルを選択します。 パレットを使用した場合はパレットも元に戻します。