『クロケット&ジョーンズ』は『靴の聖地』ノーザンプトンで1840年に創業した老舗シューズ メーカーです。大量生産を避け、創業以来の家族経営で常に高い品質の靴を提供し続けています。

つい10年ほど前までは『クロケット&ジョーンズ』という自社ブランドを前面に押し出すことも なく、世界で一流と言われる数多くのアパレルブランドの靴を生産することにより、影武者的存在と して知るひとぞ知るメーカーでした。現在ではセレクトショップや有名デパートで必ず見かける、 イギリスの靴を代表するブランドという感じがします。


さて、『クロケット&ジョーンズ』の靴のなかでも特筆すべきは「325」という木型を用いた ブーツ類です。土踏まずをしっかりと掴み、長時間履いていても疲れない魔法のようなフィット感 を提供してくれます。

左の写真はコードバン(農耕馬のお尻の革)のチャッカーブーツです(モデル名:CHEP STOW)。
コードバンというと思いつくのは『オールデン』や『アレン・エドモンス』といったアメリカの シューズメーカーですが、『クロケット&ジョーンズ』も以前からコードバンを用いた靴を製造 していたことは意外と知られていません。

ご覧のとおり、とにかく美しいです。洗練された美しさというよりも、何の飾り気もない 実直でシンプルな美しさを感じます。ダブルソールで適度な(わざとらしくない)ボリューム感 があります。ロロピアーナのような軽やかな素材のパンツには似合いません。

こちらはストレートチップのカントリーブーツです(モデル名:CONISTON)。揉み革です。 ソールはダイナイトで、雨であろうが雪であろうが大活躍してくれます。

上のチャッカーブーツはアメ横で購入しましたが、このカントリーブーツは 『Pediwear』で個人輸入しました。

個人輸入の争点の一つは関税ですが、私は幸運にも今まで関税を取られたことはありません。 もう一つの争点は試着できないことですが、これはいろいろな靴屋に言って試着しまくることで解決 できます。試着しまくった挙句、今日は買いませんと言える勇気が重要です。貧乏くさいと言われても 、おっしゃる通り、返す言葉はありません。


個人的には『クロケット&ジョーンズ』の短靴「ハンドグレイド」ラインはショートノーズのため あまり好きではありません。木型も私の足とはあまり相性が良くありません。品質は大好きなんで すけどね。

しかし木型「325」のブーツ類に関しては一切文句がありません。足を入れる 瞬間の空気の抜ける音、土踏まずのホールド感、ストレスという言葉は存在しません。 試着してみる価値は絶対ありますよ。