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なんと、ブータン映画である。 そして、チベット語である。 ロケ地は北インド。 ヒマラヤ山脈の寺院のなかと、その周辺だけ。 なのに、びっくりするほどおもしろい! ブータン映画なんかをもち上げたりすると、へんに事情通ぶってるとか、単館に通う映画マニアの類と思われてしまうかもしれない。けれど、そうじゃない。 そういう不信感をぬぐうために、この映画の製作者がジョレミー・トーマスだといえば、なるほどって納得されるかも。かれは「戦場のメリークリスマス」「リトル・ブッダ」「ラストエンペラー」「ブラザー」などを作ってきたプロデューサーだ。 あ、だから正確には、「ブータンとオーストラリアの合作」が正しいのか。 ともあれ、だから、エスニックなんだけど、十分にエンタテイメントしている。 さて、そのストーリーはというと、仏道で修行する身のくせにワールドカップのテレビ中継に夢中になる少年のはなし。それだけ。でも、そのドタバタ劇がたのしい! それに、とにかくビックリなのは、監督と役者たちがみんなホンモノの坊さんたちで、そのくせ、もう、めちゃめちゃにうまい! ということ。 「チベット仏教ニンマ派のチョクリン・テルサルの生まれ変わりと言われている」だとか、「偉大な仏教指導者チョクギュル・デチェンリンパ4世の生まれ変わり」だとかいう、きくもおどろおどろしく、なんだかワケわからないけれど偉そうな高僧の方々まで、じつに板に付いた演技を披露しているのだ。もう、芸達者なんだから。 ちなみに、フィルム選びからキャスト、スタッフの人選、スケジュールまで古代チベット仏教の占いで決めたという。しかも、「晴天と電力の安定供給祈願」をたびたび行ったために撮影はぶじ終了したという。うっそー!? もう、舞台の表もウラも、とにかく痛快の一言なのだ。
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