北京で騒いでいる
法輪功騒動ってなんなの?

法輪功、解体か?

(法輪功破功?)

亜洲週刊 1999.8.2-8.8

白蓮教、太平天国、義和団などの記憶のある中国にとって、宗教をどうあつかうかは深刻な問題だ。それが新興宗教であればなおさらだ。

公明党やオウム問題を抱えたわたしたちとしても、けっして人ごとではない。宗教と政治は、つくづくデリケートな問題だとおもう。

北京政府は「気功に名を借りて迷信邪説をかかげ、大衆をあざむき、秩序を破壊する」法輪功を「非合法活動」とみなし、多数の幹部を逮捕し、さらに教祖である李洪志氏を国際指名手配した。

北京が法輪功をおそれる理由のひとつは、法輪功の信者のもつネットワークといわれている。気功にあつまったときの口コミの影響力はもちろん、携帯電話やEメールといった手段で結ばれた「全世界に1億人」ともいわれる信者のネットワーク、これはたしかに脅威だ。

しかも、今年(1999年)4月25日に信者1万人が参加して北京で抗議行動をおこなったときには、座り込みの解散のあと、ちりひとつ残っていなかったといわれる。この一糸乱れぬ組織力はものすごく不気味だ。中国人のB型気質を知るひとなら、この不気味さがよくわかることとおもう。

また、あまりの信者の多さのために、共産党や軍内部から機密が漏洩したりオカルト的なうわさが広がることがたえなかったという。

そこで北京政府は、法輪功撲滅の一大メディア・キャンペーンにうってでたというわけだ。

法輪功が国内で4000万とも7000万ともいわれる信者を集めた背景には、この20年来の開放経済体制のなかで、日増しにます人々の不安があげられている。貧富の差や失業者の増加という社会不安が人々を宗教に向かわせているらしい。

その反面で、建国以来50年の「信仰真空的中国」あるいは「無神環境」のせいで、政権内に宗教問題を処理する能力や経験がうしなわれてしまったといわれる。

法輪功の創始者とされている李洪志氏は、インタビューに答えて、アメリカCIAとのつながりも、ダライ・ラマとのつながりも、民主運動家魏京生とのつながりも、一切を否定し、中国共産党にたてつく気は毛頭ないと強調する。

騒動はとりあえず落ち着きをみせはじめている。

しかし、北京の警戒感は強い。

朱鎔基首相さえ、座り込みをかけた法輪功のメンバーに直接話しかけたために、「天安門事件前に趙紫陽総書記が学生たちに会ったのと同じだ」なんて批判がでたほどだ。

89年の天安門以来最大の政治事件といわれるこの話題、このあとどういう結末を迎えるのだろう…