便利だけど、どうしようもなくダサくて恥ずかしい一冊。

春秋戦国新聞編纂委員会編

『春秋戦国新聞』

アスペクト 1998.7

前から書店でこの本を見かけては「キモチわる〜!」って思っていた。なんだか知らないけれど、とにかく悪寒が走る。たまらない気持ちになるのだ。

なんなんだろう、このいたたまれない感情は? 

この本を手に取ると、まず、この本の編集者が企画を出したときの得意そうな顔が想像される。「中国の三国志とかをさあ、いまの人たちにわかりやすく、とっつきやすい形にしたらウケるんじゃないかな」「そうそう、たとえば東スポみたいなノリとかさ」「あ、それイケるかも!」とかなんとか。

それでできた「三国志新聞」が意外なことによく売れてしまったらしい。そこで『次は春秋戦国時代』のリクエストが多かったとかで、また作ってしまったらしい。

ところができたものは新聞に見立てるというアイデアからしてわざとらしく、パロディとして抜けきらない。帯に「抱腹絶倒」とある4コママンガは、クサいおやじギャグのりで、ひとつも笑えないし、イラストも写真も美しくもなくおもしろくもなく中途半端で白ける。

そこのところなんだな、たぶん。

三国志やら春秋戦国時代という、すごくマイナーで狭〜い世界をイマ風にアレンジしなおして「ウケるかも」ともってったところ。できあがったものがどうしようもなくダサく恥ずかしいものだったこと。なのにその趣味の人たちのあいだではよろこんで買っている人たちがいるってこと。この内輪ウケねらいな感じ。

そう、これ、まんま、オタクの世界なのだ。げ。

つまりどうしようもなく趣味の悪い中国オタクなのだ。気分が滅入る。

さらに追い打ちをかけるように、ふと冷静になって、あれ、自分も「その趣味の人たち」に近いことしてるのかなとおもうと、このダサいのと同類になるの? ということになり、さらに嫌〜な気持ちになる。

またこの本がよくできてる。マニアックによくできてるのだ。それだからなおたちが悪い。哀しいかな、韓非子について本を読んでると、この「春秋戦国新聞」がいい副読本になるのだ。

いやだ、いやだ。こんなんだったら中国マニアなこと、やめようかなっておもってしまう一冊。