川村湊(かわむら みなと)

『満州鉄道まぼろし旅行』

文芸春秋 1998

1937年にタイムスリップ。神戸を出発して大陸を旅する、約1ヶ月弱の夏休み「満洲」ツアー。

コースは大連から鞍山、奉天、撫順、新京、吉林、ハルピン、チチハル、そして最終地点ノモンハンまで。

見どころがてんこ盛り。

社員12万人の南満洲鉄道株式会社見学、ロシア人の歌うキャバレーの夜、最高時速130キロの夢の超特急「あじあ」、数万人が地下で働く巨大炭坑見学、夢の実験的国都「新京」、松花江でライン下りと鵜飼、東洋のパリといわれた国際都市ハルピン、退廃と悪の巣窟「大観園」、モンゴル草原でパオに宿泊などなど。

「建国」から4年目を迎えた「満洲」をバーチャル旅行しながら、「満洲」とはなんであったのかを知ることができる。

一見無邪気な読み物だが、当時の日本人が新天地に託した夢と犯した罪、その悲惨な結末を同時に学ぶことができる。