コリアン・センチメンタリズム

安宇植 編訳

『いま、私たちの隣りに誰がいるのか』

作品社、2007.05

1999年ごろから韓国映画がおもしろくなって、日本でもたくさん公開されるようになったけれど、韓国映画を見ていると、そこに共通した、独特のテーストみたいなものを感じる。

それを、コリアン・センチメンタリズムと名付けてみよう。

(いまのところ、カタカナでコリアン・センチメンタリズムでgoogleで検索しても出てこない、ここでの勝手な呼び名です)

パッと思いつく特徴をあげると、こんなとこ。

家族愛(とくに兄弟愛)

友情(とくに幼なじみ)

運命(とくに出生の秘密と、時空を超えた縁)

死(とくに自殺と、不治の病)

季節感(とくに雨の日のしっとり感)

音楽(とくにカノンのような曲)…

映画だとこうなんだけど、じゃぁ、小説ならどうだろう?

というわけで、この本を読んでみた。

本書は、7人の作家の8つの短編からなるアンソロジー。

結論から言うと…

…やっぱり、コリアン・センチメンタリズムだった。

個々の作家の描こうとする世界は、もちろん全く異なる。

映画にはない、文章ならではの心の機微の描き方があったり、シュールな世界が展開していたり、ひとつひとつの作品がユニークだ。

アンソロジーのおもしろさは、そこだとおもう。

それでも、どこか、やっぱり共通して、上にあげたような特徴が入っていたりする。

そこには、「あ、またか」みたいなモチーフの繰り返しや、くどいよぉ〜みたいな、ついていけなさもある。

でも、韓国人がそういうことをホントに大切にする人たちなんだなぁと考えると、憎めない隣人だなって親近感がわいてくるのもたしか。


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おなじく韓国もの。

親子愛と不治の病です。

趙昌仁『カシコギ』


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白先勇ほか『台北ストーリー』


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