韓国の疑問解消。
あとは行くだけ。

黒田 福美

『となりの韓国人 傾向と対策』

講談社、2003.07

韓国の人たちは歴史的な経験と、戦後の民族教育によって、反日的な感情を持っている。日本では、よくそう聞く。

でも、韓国旅行をすると、意外なことに、どこでもたいていやさしくされる。こっちが親のカタキの日本人だというのに。

それって、なに? どういうこと? この疑問は、この前のページにも書いたけど、まだ晴れていなかった。

その答えが、ずばり本書でみつかった。

著者もやっぱり、わたしとおなじ疑問にぶちあたったらしいのだが、20年の経験を経たすえ、得た答えは…

韓国人は好奇心が強く人情家なので、目の前に私のような、「見知らぬ外国を旅する日本人」が不自由しているのを見ると、外国人に対する興味と、慣れない国でさぞ大変だろうという同情心とでつい、「反日」という建前も忘れ、親切に手をさしのべてしまうのだった。 (pp.220-221)

…だという。韓国人がいかに「好奇心が強く人情家」であるかは、このページにいたるまでの、いろいろなエピソードですっかり納得ずみだから、ああ、そういうことだったのかと、うなずける。

20年にわたって韓国とつきあいのある、著者ならでは卓見だとおもう。こういうセンパイがいてくれて、ホントうれしい。

さて、じゃあ、そんな著者が、つぎに、韓国人が歴史問題を持ち出してこないからといって、日本人はそれに甘えることなく勉強してから韓国行きなさいよ、なんて説教を始めるかとおもうと、そうじゃない。

今は日本の若い観光客のみなさんは彼らの気持ちに甘えて、無邪気に韓国を楽しめばよい。そしていつか、「多くの友人が住む国」になったとき、この国の歴史を自分たちの歴史として感じることができれば幸いだ。[中略] 日本人はどんどん韓国に出向いて、「それでも、いつも温かく」受け止めてくれる人々の感触を感じたらいいと思う。(pp.228-229)

共感から出発して、たがいの境遇をおもいやれる関係になること。それがだいじ。そんなあたりまえのことも、ただ国境をはさむだけで、わたしたちはつい忘れてしまっている。

日本人が日本を、韓国人が韓国を代表して、建て前を語ろうとするから壁が高くなるんだ。

大学なんかで研究している「まじめでお勉強がよくできる男性」のように「歴史」から入るよりも、むしろ、さくっと韓国にはまって、エステやグルメ、K−Popを楽しんでいるOLたちのほうが、苦手意識もおよび腰になることもなくって、ずっとイイ。著者はそういう。

著者にはげまされ、おとなりとのカジュアルなつきあいを、これからもどんどんしていくかぁ、って気になってくる。


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