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「中国は中華思想」じゃない。 劉 傑
『中国人の歴史観』 文春新書 1999.12 中国政府が外交問題に対して見せるいろいろなリアクションを、わたしたち日本人は、「社会主義の国はわからん」だの、「やっぱり中華思想のお国なんだから、もう」なんて考えてしまう。そして、大国で強国意識のある中国は怖いなぁなんて思ってしまう。 けど、そうじゃないんじゃない? というのがこのセンセイの見方。 中国はアヘン戦争以来、領土を侵略され、独立を脅かされつづけた。それは自信喪失の歴史だった。それで、被害者意識をつのらせてきた。 だから、「侵略に対しては抵抗してきたゾ」という強がりを言いつづけるしかなかったし、いまも、主権が侵害されようとすると、かたくなに抵抗しようとする。 よその国に民主化うんぬん言われれば、主権侵害だと思うし、台湾の独立論が出てくれば、領土喪失の悪夢を思い出す。大使館を誤爆されれば、敵意に盛り上がるし、どういう文脈であれ日本人に「支那」といわれれば、バカにされたと感じる。 それは強国意識というより、むしろ、弱国意識に近い。 戦前から現在まで、中国の外交の背後には、この弱国意識があって、それは150年の歴史に育まれたものだから、そうそうすぐ治るものではない、という。 それはちょうど、日本人が明治以来、アジアのリーダーを勝手に自負してきたのと対照的だ。 そう、日本こそ、中国の弱国意識の原因を作った国でもある。だからとうぜん、嫌われる。 そうした歴史をおたがいに、冷静に理解し合うところから始めないといけないわけで、日本人も「やっぱり中国は中華思想だなぁ」なんて言って、ふんぞりかえってる場合じゃない。 |
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