症候事典

症状から調べる

[あ] [か] [さ] [た]
明るい所で涙が出る 痒み 視野狭窄 中心が小さく見える
糸くずが飛んで見える 霧がかかって見える 白目が真っ赤になった 中心が見えない
痛い 黒目に白い三角形の膜がある 白目が膨らむ 月が三重に見える
黒目の横に黄色い斑点がある 線が歪んで曲がって見える
ごみが入った 洗剤が目に入った
コンタクトレンズが上にずれる
コンタクトレンズが白目にずれる
[な] [は] [ま] [や]
涙が出る 光が走る、閃光が走る まぶしい 歪んで曲って見える
光の周りに虹の輪が見える 瞼にしこりがある
二重に見える 瞼の縁に小さい脂肪ができる
瞼の裏に点状のものがある
虫が飛んで見える
目の奥が痛い
めやに



疾患、症候名から調べる

[あ]
遠視  円錐角膜

[か]
角膜ヘルペス  眼瞼痙攣   巨大乳頭結膜炎  近視  近視手術  結膜結石  虹彩炎

[さ]
三叉神経痛  閃輝暗点  霰粒腫  シェーグレン症候群  斜視・弱視

[た]
中心性網脈絡膜症  ドライアイ  糖尿病網膜症

[は]
白内障  麦粒腫  飛蚊症  複視  ポスナー・シュロスマン症候群

[ま]
マイボーム腺梗塞  網膜静脈閉塞症  網膜剥離  網膜裂孔

[や]
翼状片

[ら]
緑内障  涙嚢炎  老視  老人性黄斑変性


飛蚊症
明るいところを見ると糸くず、虫、黒い点が見える。時に目を動かした時に光が走る事もある。
眼球の硝子体に浮遊する混濁が網膜に影が映り蚊が飛んで見える症状。強度近視などで硝子体が変性を起こし、虚脱する時に硝子体の線維が集まって糸屑のように見える。虚脱する時に網膜を引っ張り網膜裂孔を生じて網膜剥離になることがある。

網膜剥離
網膜の内側を充たしているゲル状の硝子体が液化現象を起こし収縮を起こす時に癒着している網膜を引っ張り網膜裂孔が出来そこから硝子体液が網膜の裏側に流れ込むと陰圧によって固定されていた網膜が外側の色素上皮から剥がれてしまう 放置すると網膜が外側の脈絡膜から栄養を受ける事が出来なくなり失明してしまいます 網膜剥離を起こす前に裂孔をレーザー光による網膜光凝固で塞ぐ事で予防できますが剥離を起こすと手術が必要です

霧視
霧の中のような見え方。角膜混濁虹彩炎など前眼部の炎症による混濁で起こる。

虹彩炎 毛様体炎 脈絡膜炎 ぶどう膜炎
水晶体の前にある虹彩いわゆる茶目(カメラの絞りに相当する)は筋肉でできており明るさによって収縮したり拡張したりする メラニン色素が多い色素上皮細胞が多く毛様体・脈絡膜と合わせてぶどう膜と呼ぶ 血管が多く種々の外因、内因で炎症を起こし易い また色素細胞が免疫反応しやすく膠原病などの自己免疫疾患で炎症を起こし易い 外因としては細菌・ウイルス感染

変視症歪視症
網膜に凹凸があると網膜に映った像が波打って見える 網膜に水が貯まる疾患では網膜剥離中心性網脈絡膜症網膜中心静脈閉塞、網膜に膜が張る網膜前線維増殖、網膜の位置がずれる黄斑円孔、網膜の下に出血が貯まる円板状黄斑変性で生じる

中心性網脈絡膜症
網膜中心の黄斑という所に水が貯まり網膜が水疱状に隆起する疾患です ストレスなどが引き金になり網膜の裏側の色素上皮細胞が変性を起こし脈絡膜毛細血管から血液成分が網膜の下に漏れることが原因です 視野の中心部の色が変わって見えたり線が歪んで見える小さく見えるなどの症状が出ます 通常は1〜3ヶ月で自然治癒します 精神安定剤、脈絡膜循環改善薬、浮腫を軽減させる薬など保存治療で治らない場合は血管撮影(蛍光眼底撮影)を行い水が漏れる場所を特定しレーザー光による光凝固で治療しますが黄斑に近いと視力が低下するのでできません

老人性円板状黄斑変性 加齢黄斑変性
中心性網脈絡膜症と同じように黄斑に水が貯まりますが原因が脈絡膜から伸びた脈絡膜新生血管が色素上皮を越えて網膜の下に入り込む事で進行すると出血を伴います 症状も中心性網脈絡膜症と同じ歪み、小さく見えるなど 治療は止血剤、循環改善薬、動脈硬化に対する薬などの保存治療で改善しない場合は血管撮影(蛍光眼底撮影)で新生血管を確認し光凝固で焼妁します

糖尿病網膜症 糖尿病黄斑症
高血糖が数年続くと網膜の毛細血管の壁細胞が死んでしまい毛細血管が閉塞してしまいます 網膜の血管は平屋建てで閉塞した領域に迂回する血管がないので網膜が酸素不足になります 最初は毛細血管瘤点状出血のみで自覚症状は出ません 長期間続くと斑状出血や黄斑浮腫を起こし視力低下を招きます さらに続くと酸素不足の為新生血管が出現し硝子体出血、網膜剥離、血管新生緑内障を起こします こうなると治療が難しくなり失明する危険があります 現在日本人の失明原因の第一位を占めています 初期(新生血管が出て間もない時期)であれば汎網膜光凝固術が有効です 中期(増殖網膜症で牽引性網膜剥離が部分的にある)では硝子体切除術で大抵は保存できます しかし末期になると網膜全剥離、難治性緑内障を合併し手術をしても合併症とのいたちごっこになり予後不良となります 中期以降になると手術が必要になり予後が悪くなりますので初期の時期から眼科で管理する必要があります 網膜症は糖尿病発症してから2〜10年で出現しますので糖尿病と診断されたら1年以内に眼科の診察を受けましょう また眼科検診で糖尿病を発見されるケースがかなりあります 肥満、家系など気になったら検診を受けましょう

網膜中心静脈閉塞症 分枝閉塞症
高血圧、動脈硬化などにより網膜の基幹の静脈が血栓などで詰まってしまうとその末梢側の血液の行き場が無くなって溢れてしまううっ血による出血が起こります 高脂血症など血液がどろどろの状態だと中心が、高血圧などでは動脈・静脈の交差部で圧迫される分枝が閉塞する 高血圧、高脂血症などで治療している人は年に1回は眼底検査を受けましょう(通常の人間ドックでできます)

巨大乳頭結膜炎
瞼の裏の結膜に小さいいぼ状の増殖が起こるアレルギーの一種、アトピー患者に見られる事が多いが汚れたコンタクトレンズを装用している患者にも多く見られる コンタクトレンズが上にずれるようになる ソフトレンズに多いが酸素透過性レンズにも生じる 炎症が強くなると角膜障害も起こす

複視  斜視 弱視
左右の目の向き(眼位)がずれそれぞれの網膜にずれた象が映るため物が二重に見える症状 先天斜視では複視は通常出ない 脳神経麻痺による麻痺性斜視と眼筋の麻痺による斜視がある 脳神経(動眼神経、滑車神経、外転神経)の麻痺は脳梗塞脳動脈瘤脳出血では急性の症状 糖尿病重症筋無力症など全身疾患からくる神経症による麻痺は慢性型が多い その他筋ジストロフィーなどミトコンドリアの異常による筋の変性、バセドウ病(甲状腺機能亢進)による眼筋の炎症・圧迫、蓄膿症など鼻の病気による眼筋の圧迫・炎症など
小児の斜視は乳児に発症する乳児内斜視、3〜4歳で発症する調節性内斜視、間欠性外斜視、眼性斜頚(先天性上斜筋麻痺)があります 調節性内斜視は強度遠視が原因で物を見ようとするとき過度に調節する為輻輳が起こって目が寄ってしまう斜視で遠視の眼鏡を装用すれば治ります 眼性斜頚は先天的に上斜筋が麻痺している為麻痺側に頭を傾けると患眼が上に向いてしまう上斜視になり複視が出る為無意識に反対側に頭を傾けます 放置すると背骨が曲がる側湾症になり顔も不対象に発育しますので就学前に手術が必要です 間欠性外斜視(明るい所で片目をつぶる)は通常は正位ですので手術を急ぐ必要はありません 局所麻酔で手術ができる10歳頃が良い
弱視 視力が発育する1歳から10歳の間に網膜にきちんとした光刺激が無いと視力が障害される 原因は恒常性斜視、高度遠視、不同視(左右で屈折の程度が極端に異なる)、片目を遮蔽する(眼帯)、白内障など

結膜浮腫
眼球の壁(強膜)と結膜の間は隙間が空いていて簡単に水が貯まる アレルギー体質の人で目を擦ったりするとヒスタミンという化学伝達物質が血管拡張痒みを起こし血漿成分が眼球結膜の下に貯まり水ぶくれになる 蕁麻疹と同じ 抗ヒスタミン剤の点眼が即効

マイボーム腺梗塞マイボーム腺機能不全結膜結石
マイボーム腺は瞼の中の瞼板の中にある脂肪の分泌腺で眼球の表面を覆っている涙の乾燥を防ぐ役割を果たす 睫毛の生え際に開口部がありこれが詰まるとにきびのような丘疹ができ目が乾燥する ドライアイの原因になる 慢性の感染を起こしやすく結膜結石の原因になる 急性の炎症を起こすと麦粒腫(ものもらい)になる 治療は抗生剤の点眼と瞼を温める温罨法が有効

眼脂、めやに
結膜炎の症状 ドライアイではに出る アレルギーや感染では午後に多い 涙嚢炎ではねばねばした透明な分泌

ドライアイ
涙液の減少によって角膜、結膜に炎症が起こり眼精疲労や痛み、目脂が出ます 原因としてはビタミンAの不足、ストレス自律神経失調、交感神経緊張、マイボーム腺機能不全、自己免疫(シェーグレン症候群、膠原病)があり近年増加しています またドライアイの症状を示す疾患として眼瞼痙攣があり症状に比べて炎症が少ない患者で瞬きが多いなどの不定愁訴があります
治療は人工涙液の点眼(生理食塩水、ヒアルロン酸ナトリウム)、瞼を温める温罨法、涙点を塞ぎ涙の排出を減らす涙点プラグがあります

シェーグレン症候群 重症ドライアイ
全身性エリテマトーデス(SLE)や慢性関節リウマチ(RA)などの自己免疫疾患(膠原病)に併発する 重症のドライアイ 涙腺や唾液腺に対する免疫異常が原因 血液検査(SS抗体) で診断できる 治療は涙点プラグ、自己血清点眼など

眼瞼痙攣
原因は不明 舞踏病などと同じジストニアの一種と考えられている 軽度では 眼瞼の痙攣は本人も気付かずドライアイなどの他の疾患と診断される事が多い  症状が強いのに角膜に炎症がないドライアイは要注意です 重症になると 診断が間違う事はありませんが目を開けられなくなり日常生活に支障を来たす 治療は軽度から中等度では筋弛緩剤、精神安定剤、漢方薬などで改善する事もあるが 重症になるとボツリヌス菌の菌体外毒素を弱め毒性を無くした薬剤ボトックスの 眼瞼の筋肉への注射が有効です 一回の注射で効果は約3ヶ月持続します  日本には帝京大学眼科の故岩重助教授(私の恩師)が日本に初めて導入し厚生省の認可を 受け保険適用されました ただしサリン事件以後アメリカ政府が生物兵器に準じた扱いをしたため 管理が非常に厳しくなりメーカーに登録した施設・医師に使用が限定されています

痒み
肥満細胞から出るヒスタミンによって引き起こされる アレルギー症状

結膜異物
瞼と白目の間に異物が入るとゴロゴロし、角膜を傷付けることがある 上眼瞼の裏に入ると眼を洗っても取れない事が多く瞬きにより角膜を擦り角膜びらんを生じる事がある 目を擦ると角膜を傷付けるので注意が必要 目薬の点眼で取れない時は洗面台に水を貯めて水の中で瞼の皮膚を持ち上げて瞬きをすると取れる事がある 取れない場合は救急外来で取って貰いましょう 翌日まで我慢すると角膜びらんや感染を起こす事があります

痛い、疼痛 異物感
目にごみが入った時は瞼の皮膚をつまんで持ち上げると症状が消えます 角膜に傷が付いている時は瞼を持ち上げても症状が消えません 角膜に傷が付く原因としてはコンタクト、紫外線溶接の火花雪からの反射)、角膜異物旋盤、ドリル、線路などから1mm以下の小さい小片が飛んできて角膜に刺さる事がある)ドライアイなど いずれにしても目を擦ってはいけません 傷が広がってしまいます

薬液が目に入ったら
眼科に行く前に直ぐに目を洗ってください。その上で以下の手順を行なう。
1.洗剤が入ったら水道水で良く洗い流して下さい(流水で1〜2分)
2.アルカリ溶液かび取り剤など水酸化ナトリウム(カリ)、苛性ソーダ(カリ))が入ったら流水で最低5分間流して直ぐに眼科を受診してください。放置すると眼球と瞼が癒着して失明する事があります。直ぐには症状が出ないので要注意です。
3.農薬が入ったら2.と同じように流水で5分以上洗って、説明書を直ぐ調べて処置方法に従ってください。判らない場合はメーカーに電話し、眼科を受診する。
4.工業用の薬剤が入ったら流水で5分洗って指定の中和剤があればそれを使用する。アルカリ剤では希釈酢酸など、なければ説明書を持って眼科を受診する。

単眼複視
通常複視は斜視の症状なので両目で見たときに二重に見えますが、白内障乱視緑内障虹彩炎など前眼部の炎症、混濁では片目で月などを見ると二重三重に見えます。

瞼裂斑
角膜(黒目)の横時計の文字盤でいう3時、9時の位置の結膜(白目)が直径2〜4mmくらいの大きさで平坦に盛り上がっているのが瞼裂斑です。結膜がこの部位で乾燥しやすいために角化して厚くなったものです。ドライアイの人で目立ちますが充血、異物感が無ければ治療の必要はありません。

中心暗点
視野の中心が見えなくなる 黒く見えて暗点を自覚するものとそこが抜けてしまう無自覚のものがあります 網膜の中心に穴が開く黄斑円孔では中心に向かって歪むブラックホールのような歪みを伴います 網膜剥離が中心に及んだ場合も中心暗点になりますが全体に波打って見える歪みを伴います 静脈閉塞などの出血を伴う浮腫では中心暗点に凹レンズを通して見るような小視症を伴います

結膜下出血
結膜(白目)と眼球の隙間に走っている血管が破綻して出血すると半透明の結膜を介して赤く見えます 目をぶつけたり、こすったりという外傷で出血する場合と鼻を強くかんだり咳き込んだりして息むと肺の空気圧が上昇し肺動脈がうっ血し首から上の静脈圧が上昇して出血するものがあります いずれも治療の必要はありません 1週間位で拡散し吸収します 温めると多少分解吸収が早くなります

翼状片
角膜(黒目)の内側(稀に外側)の結膜(白目)が瞳に向かって三角形に入って来る ドライアイ,紫外線、異物などにより慢性的に表層角膜の上皮欠損が続いていると生体の防御反応として結膜の細胞が角膜を覆ってしまう(海の近くに住んでいる人に多い) 結膜の細胞は透明でないので白く濁り、盛り上がる為異物感、乱視が出てきます 進行して瞳の中心に掛かると視力が低下するので切除が必要になるが再発が多いので瞳孔に達していない、症状が無い症例では保存的な治療(点眼)が良い

霰粒腫
マイボーム腺が閉塞し細菌感染を生じると所謂ものもらいになるが急性でなく慢性化し肉芽性炎症を起こすとゴムのようなこりこりしたしこりができる 初期では中に膿が貯まっているので切開術が適応になるが急逝炎症を起こしていないものでは充実性の腫瘤で切開しても膿はでてこないので摘出が必要になる 結膜に乳頭結膜炎を伴っている場合はアレルギーの点眼が有効

羞明、明るい所で目が開けられない
角膜に傷、炎症があり混濁を生じると光で痛みを生じまた非常に眩しくなる 三叉神経を刺激するため コンタクトの長時間装用による角膜浮腫角膜潰瘍角膜ヘルペスなど

角膜ヘルペス 単純ヘルペス
角膜に枝状の潰瘍を生じる 痛み、眩しさがあり角膜知覚が低下する 放置すると角膜混濁を起こし失明することがある 小児期に感染し神経の細胞核に隠れているヘルペスウイルスが免疫が低下すると神経の末梢(末端)に移動し皮膚や角膜結膜に炎症(水泡)を起こす 最近では桐沢型ぶどう膜炎(急性網膜壊死)やポスナー・シュロスマン症候群の原因と言う事も判ってきた ゾビラックス軟膏が著効する 通常の接触では感染しないが粘膜同士の濃厚な接触で感染する事がある(STD)

流涙、涙が溢れる、涙嚢炎
涙を鼻に排水する涙道(涙小管涙嚢鼻涙管)が炎症で癒着、閉塞すると涙が結膜嚢から溢れていつも泣いているようになり皮膚が弱い人では目の縁の皮膚が爛れる接触性皮膚炎を起こす 新生児、乳児で鼻涙管の鼻腔側の出口の弁が閉じたままになっていると新生児涙嚢炎を起こし涙と目脂が続くが通常は泣いているうちに自然に弁が開いて治癒しますので生後2週位は膿が出なければ抗生剤の点眼で様子をみる 新生児涙嚢炎の治療は細いゾンデを目頭の涙点から挿入し鼻涙管の出口にある弁を開放します 大人の涙嚢炎による閉塞はゾンデで開放しても直ぐに炎症のため再閉塞してしまうのでシリコンチューブを鼻涙管に3ヶ月留置します

三叉神経痛
顔面と頭の知覚は三叉神経が受け持っているが走行が長く根元が共通なので種々の疾患で痛みが生じ目に異常が無いのに目や目の周りの痛みが生じる 特発性のものはヘルペスウイルスが原因とされる 他の原因としては帯状疱疹(ヘルペス)、蓄膿症トロザ・ハント症候群偏頭痛くも膜下出血など 逆に急性緑内障などで目ではなく頭痛として三叉神経痛が起こることがあるので頭痛が内科で異常なく続く場合は目の検査も受けましょう

視野異常
緑内障などで徐々に生じる視野障害は殆ど自覚症状が出ないが出血、網膜剥離などで急に生じる視野欠損は自覚症状として出現する 網膜剥離では飛蚊症閃輝症(光が走る)を伴って上からカーテンが掛かるように見えなくなる 網膜静脈分枝閉塞(高血圧)や虚血性視神経症(糖尿病、高血圧)では水平線から上(下)が見えなくなる水平半盲を起こす 脳梗塞では両目の右(左)側が見えなくなる同名半盲を、脳下垂体腫瘍動脈瘤で視神経の交差部が圧迫されると両眼のそれぞれ外側(耳側)が見えなくなる両耳側半盲を生じる ただし最初は視野異常としてではなく視力低下として自覚し注意深い人では視野異常と気付くようです 光が点滅する閃輝症に10分〜1時間で治る視野異常(暗点)は閃輝暗点と言って偏頭痛と同じ脳の血管が収縮・拡張を起こす時に起こります

閃輝症
稲妻のように瞬間的に走る閃光は硝子体剥離を起こしかけている時に網膜を引っ張ったり押したりする為に生じます 急に生じた場合は網膜剥離の前兆の事があります 一定の場所が市松模様のように一定のリズムで点滅を繰り返す症状は脳血管の拡張で起こる閃輝暗点です 偏頭痛を伴う事もありますが別々に起こることもあります 血管収縮作用のあるカフェインなどの摂取が有効です 赤ワインはポリフェノールが血管を拡張するので禁忌です

虹輪視、光の周りに虹の輪が見える
緑内障で急に眼圧が上昇すると角膜に浮腫が生じて光の複屈折が起こり暗い所で強い光を見ると虹が見えます コンタクトの装用オーバーでも見えることがあります

緑内障
眼圧(眼内を循環する眼房水の圧)が上昇し角膜内皮細胞障害、視神経障害を起こす 40mmHgを超える眼圧が長期間続くと角膜内皮障害を起こして角膜が濁る水疱性角膜症を起こす それより低い眼圧でも長期間高眼圧が続くと視神経障害を起こし視野が欠けてきます 正常眼圧は10〜21mmHgと言われていますがこれは健康な人の眼圧分布を統計処理して±3標準偏差を基準としたものでこの範囲であれば障害を起こさないと言うものではありません 内科領域では前向き調査と言ってある検査値が100の人が5年後にどうなったかを調べると言う方法で検査の正常値を再評価しています 眼圧についてもこの手法で再評価が行なわれつつありますが近視なども含めて全く異常の無い人では24mmHg以下、強度近視および緑内障素因の人は15mmHg以下と考えられています つまり普遍的な正常眼圧は判らないと言う事ですのでリスクファクター(強度近視、緑内障家系)の方は30歳を過ぎたら眼底検査、視野検査を受けた方が良いでしょう
症状は閉塞隅角緑内障に多い急性型では目の痛み、頭痛、吐き気、虹輪視、かすみが出ますが頭痛吐き気がひどいと脳の病気と思って内科や脳外科にかかってしまうことがあります 開放隅角に多い慢性型では自覚症状は殆どありません 進行すると視野狭窄が出ますがこれもかなり高度になるか中心が見えにくくならないと自分では判りません
続発緑内障には虹彩炎、ステロイド剤の副作用、サルコイドーシス、ポスナー・シュロスマン症候群があります

近視、遠視、乱視、老視(老眼)
正常な眼球では外界から入った光線は凸レンズである角膜、水晶体で収束し丁度網膜に焦点を結ぶ。 このバランスが崩れ焦点が網膜より前に来ると近くの像は網膜に焦点を結ぶが 遠方の像はぼやけてしまう近視になります 大抵は眼球が伸展して網膜が 後ろに移動すること(軸性近視)によりますが、稀に角膜の弯曲が強くなったり、水晶体が 前方に移動する事でも起こります 逆に焦点が網膜より後ろに行ってしまうと虚像になってしまい 眼球の前には焦点が合わなくなり調節により水晶体を厚くしないと見えない遠視となります  遠視は若いうちは調節力が強いのでかなり近くまで見えますが調節力が低下してくると遠方は良く 見えますが近くを見ると疲れ易くなります 強度遠視になると遠くも見えなくなり両眼で無理に 調節をすると内斜視になってしまいます 乱視は縦方向と横方向の度数が異なる状態で 遠くも近くも一箇所に焦点が合いません 数字の読み間違いが多くなり眼精疲労の原因となります 特に軸が縦にある倒乱視は縦線が見難くなります 急に乱視の症状が 出てきた場合は円錐角膜が疑われます  老視は水晶体の厚みの調節が老化現象で低下してくる為に本来網膜の後ろに映ってしまう 近くの像を網膜に合わせる事が 出来なくなる状態で遠視とは異なりますが、遠視の人は30歳後半になると 老眼の症状が出てきますがこれは老眼ではありません  40歳前なのに近くが見難くなったり疲れやすくなったら遠視あるは神経の疲労 が考えられます

円錐角膜keratoconus
 角膜中央が薄くなり前方に突出するため角膜不正乱視が発生し眼鏡では 視力が矯正できなくなる原因不明の角膜の変性疾患 10歳台後半〜20歳台で発症する  早期では診断が付きにくく眼精疲労、黄斑変性などと誤診される事が多い 角膜形状解析装置でかなり初期の状態も診断できる 治療は高酸素透過性 ハードコンタクトレンズで不正な角膜の表面を覆う事で視力が矯正 できますが進行すると通常の近視用のレンズでは隙間が大きくなり過ぎ レンズと角膜の間の涙が不足しレンズが浮いてしまったり角膜中央が擦れて 傷が付いてしまいます 最近開発された円錐角膜専用レンズ (ローズK)は 中心と周辺が全く異なるカーブで設計されており比較的正常な周辺角膜は 通常の近視用レンズと同じく広い面でフィットし中心は狭い範囲でカーブを強くし 充分なクリアランスを取ることで中心の狭い範囲に涙液を貯留させて 少ない涙で涙液レンズを形成するため非常に安定したフィッティングが 得られ視力や自覚症状も劇的に改善されます  →詳しくは円錐角膜のページ

近視矯正手術
角膜の彎曲を変えて角膜のレンズとしての力を弱めて網膜の前にあった焦点を 後ろに移動させて裸眼視力を改善させる治療方法 古くは約60年前に日本で順天堂大学の 佐藤教授が考案した角膜後面切開術があったが失明者が続発ししばらく 近視の手術の歴史は止まってしまいました その後20年ほど前にロシアの フィヨドロフ博士が考案した放射状角膜切開術(RK)は角膜前面を切開する方法で それなりの効果があり副作用も見られなかったが外傷・気圧変化に対して弱いという欠点があり 事故が報告されるようになり、その後角膜を切開しないレーザー角膜切除術PRKが 考案され安全性や精度でレーザー手術が主流になってきた 現在は上皮細胞を 削ってしまうPRKに替わって角膜上皮を避けてレーザーを照射するLASIK レーシックが主流になっている 副作用、外傷に対する安全性はクリアされたが 紫外線レーザーの遺伝子への影響はまだ確認されていない 強度近視では角膜を 約2/3削ってしまう為眼圧に負けて角膜の彎曲が強くなる報告もある 患者の固視 が悪く中心ずれを起こして削ってしまった場合複雑な乱視になり眼鏡、コンタクトでも 矯正できなくなるケースも稀に報告されている 次世代の手術としては 角膜周辺にドーナッツ状のプラスチックリングを埋め込み角膜の形を変形させる ICRが安全性、可逆性(元に戻せる)で有望視されている

コンタクトレンズ
角膜・強膜の上に載せるプラスチック製の視力矯正レンズ 50年位前に実用化された 初期のレンズはPMMAという非常に丈夫で光学特性に優れたアクリル素材(現在は人工水晶体に使われている)を使用していたが酸素を全く通さない事による角膜障害を起こす為現在はフッ素系素材シロキサンとアクリル系素材の重合素材を使った高酸素透過性レンズが主流である 酸素を十分に通す為安全性は高いが異物感があり激しい動きでレンズがずれ易いなどの欠点がある これに対しチェコの眼科医が考案した含水性レンズ(彼は使い捨てとして考案した)はソフトコンタクトレンズとして装用感の良さもあり30年位前から普及してきたが感染・アレルギーを起こし易い、酸素を殆ど通さないなどの欠点が問題となっている 角膜形状解析装置の発明とコンピュータ制御の旋盤による加工技術の進歩によって現在のO2レンズは人間の角膜に近いデザインになり装用感も良くなりずれにくくなった 寿命 ハードレンズ約3〜4年、ソフトレンズ約1〜2年

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