正常眼圧緑内障


古典的な緑内障は眼圧が正常値(10〜21mmHg)を超えて視神経を圧迫し視野が狭くなる疾患ですが、正常眼圧緑内障とは眼圧が正常範囲であるにも関わらず視神経の萎縮が進行し、緑内障と同様の視野狭窄が出現する疾患で近視の患者に多い傾向があります。


正常眼圧緑内障眼底正常眼底
正常眼圧緑内障の眼底写真                正常眼底

正常眼圧緑内障視野
 上の患者の視野 網膜の色が暗くなっている部位に一致した視野欠損
           (カメラと同じで上下反転している)


以前は稀な疾患と考えられていましたが、1957年に現在の眼圧計が、1976年に非常に精度の高いコンピュータ視野計が発明されてから一般外来でもかなり発見されるようになり1988〜1989年の大規模な疫学調査で通常の緑内障と同じ位の頻度(0.5〜2%)ということが判ってきました。眼圧が全く正常なので通常の眼科検診では見逃される事が多いのですが、 眼底写真とコンピュータ視野検査(両目5分から20分でできる)を組み合わせればほぼ発見できます。

原因・発症メカニズムはまだ良く判っていませんが、近視の患者では健常眼圧が統計上の正常眼圧よりも低い(眼圧に対する耐性が低い)とか、循環障害説(神経に出血を認める症例)、免疫説などがありますが、他の成人病と同様遺伝背景にこれらの環境要因が加わって発症すると考えられています。緑内障については既に遺伝子が発見されていますが、正常眼圧緑内障でも一部に同じ遺伝子が見つかっており緑内障の類縁疾患と考えられています。

症状の進行は非常にゆっくりで予後は緑内障と違って良好ですが、強度近視では中心暗点が出現し視力が低下する事があり注意が必要です。

治療はビタミンB12の内服あるいは眼圧が健常眼圧を超えている患者では眼圧下降薬の点眼を行ないます。最近では偏頭痛の治療に使うCa拮抗剤が有効である事が判り現在臨床治験が行なわれています。

普通の緑内障と異なり急速に進行する事はありませんが、自覚症状が出にくくかなり進行してから発見される事もあり一度狭窄した視野は回復しませんので検診で早期発見し、根気良く治療を行なう事が大切です。

当院では緑内障検診を安価(視力、眼圧、無散瞳カメラ、視野検査、3000円)で行なっています。ぜひお気軽に相談ください。
特に近視の強い人(-5D以上、20cm以上離すと見えない)血縁に緑内障患者がいる人は30歳を過ぎたら検診を受けましょう。


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