コンタクトレンズ最近のトピックス

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酸素不足による角膜内皮細胞障害
ドライアイ
乱視用コンタクトレンズ
遠近両用レンズ、老眼
円錐角膜
使い捨てコンタクトレンズ
オルソケラトロジー

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酸素不足による角膜内皮細胞障害

無理な装用をしていると酸素不足の為血管の無い角膜の細胞が呼吸障害を起こして機能および数が低下する事が判ってきました。特に角膜内皮細胞は他の上皮、実質と違って再生できないので無理をすると取り返しが付かなくなります。
初期のハードコンタクトレンズ(PMMA)は全く酸素を通さないレンズで少しでも無理をすると急性の角膜浮腫を起こして激痛を生じ救急外来に患者が良く来院しました。しかし25年位前に酸素を通すレンズが実用化されその後改良に改良を重ね現在ではCLによる救急の患者は診ることがなくなりました。しかし症状が出なくなった分障害が隠れてしまい軽い障害が長期間持続する患者の存在が最近判って来ました。これは以前は角膜の細胞を生体で見ることができる顕微鏡がなかったのですが10年ほど前に非接触型スペキュラーマイクロスコープという角膜の細胞を観察する機械が発明されたのとコンタクトレンズ装用期間が20年を超える症例が出てきた為かなり内皮細胞が減少している患者が見つかるようになりました。角膜内皮細胞は正常では1mm四方に3000〜3500個ありますが1000個/mm2を切ると代謝が追いつかなくなり水疱性角膜症になり角膜が水ぶくれ状態になり壊死を起こし失明してしまいます。こうなると角膜移植しか治療方法がなくしかも成功率が低くなり予後不良です。

スペキュラーマイクロスコープによる角膜内皮細胞の解析
角膜内皮障害正常角膜内皮
         25年間ソフト使用 細胞が大きくなり                   院長(正常) 細胞が均等で小さい

              細胞密度744/mm2と著減                                  細胞密度3355/mm2

次のような人は要注意です。

ソフトコンタクトレンズ装用者(酸素を余り通さない 普及型レンズの1/5以下)
使い捨てレンズ 高含水/極薄で多少酸素は通すが蛋白除去をしないためかなり汚れている フリーサイズの為涙液交換が不良
・日によって装用時間が変動する 急に時間を増やすと相対的な酸素不足になる 夜勤の多い人など
休日は眼鏡にしている 休み明けに通常の時間装用するとやはり相対的な酸素不足になる
・・装用時間 通常のO2で±3時間以内、EXタイプで±5時間以内、ソフトで±2時間以内の変動幅に抑えるのが理想です。
定期検診を受けていない 汚れたり変形したレンズを使っていると酸素不足を生じる
古いレンズを使っている/使い捨てレンズを2週以上使っている 古くなるとレンズが劣化し酸素透過性が低下する O2レンズは3〜5年、ソフトは1年〜1.5年 使い捨ては1週を過ぎると急に汚れてきます 2週間以内に交換してください

5年以上コンタクトレンズを使っている人は角膜内皮細胞の検査を受けましょう。
スペキュラーマイクロスコープは白内障手術を行なう病院には大抵置いてありますが外来クリニックには保険が利かないので置いていません
当院では昨年からこの機械を導入し全員に無料で検査を行なっております。

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ドライアイ

コンタクトレンズは眼球の表面に張り付いているのではなく薄い涙液層の上に表面張力で浮いている状態でフィッテイングしています。この涙液層は約40μありますが、涙の量が乾燥、ストレス、瞬目の減少、目や体の疾患による涙腺障害で涙が減少すると軽い場合は結膜炎の症状で済みますが、ひどくなると角膜に傷が付き痛みが出現します。CLの眼精疲労の7割はドライアイの症状です。特にパソコンなどのVDTを使用していると瞬目が極端に減少し涙液層が破壊され炎症が生じやすくなります。

朝めやにが多い
・レンズが曇りやすい
・レンズがずれ易い,外しにくい,脱落しやすい
・レンズが汚れ易い 通常の管理で半年以内に貯まってしまう
・睫毛の生え際に小さいにきびのような脂肪/瞼の裏に脂肪の塊(結石) マイボーム腺の閉塞

以上の症状がある人はドライアイあるいはマイボーム腺機能不全の可能性があります。 眼科で診断を受けてください。治療は人工涙液(眼科で処方されるヒアレイン点眼、 ヒアロンサン点眼など、市販のマイティアCL、ロートCキューブなど)の使用と夜レンズを 外した後に蒸しタオルで瞼を温める温罨法が有効です。重症のドライアイは膠原病(シェーグレン症候群)の疑いがありますので内科で精査を受けてください。点眼や温罨法で良くならない場合は涙液の鼻腔への排出を止める涙点プラグが有効です。涙点プラグは当院でいつでも挿入できます。

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乱視用(トーリック)コンタクトレンズ

屈折度が方向によって異なると通常の近視(遠視)のレンズでは非点収差(光が1点に焦点を結ばない)を起こします。通常の眼球は若干縦につぶれた楕円形で直乱視ですが逆に横につぶれた楕円だと倒乱視になります。程度が軽ければ(1.0D以内)余り視力には影響ありません。しかし2.0D以上特に倒乱視は目を細めても改善しないので眼精疲労を起こします。良く数字を見間違える人は倒乱視の可能性があります。軽い乱視はハードレンズなら涙液層が消してしまう為矯正する必要はありません。ソフトレンズは柔らかい為乱視を補正できません。2D以上の乱視はハードレンズでも残ってしまうので縦と横でカーブの違うトーリックレンズが必要です。ハード、ソフト(使い捨て)共にトーリックレンズがあり使用目的、見え方、などで選択できます。ただし急に乱視が進んできた場合は円錐角膜の可能性がありますので、角膜形状解析装置のある専門クリニックで検査を受けましょう。(当院浜松分院)
乱視の症状は夜月を見ると片目で二重・三重に見えます。

検査室で乱視の検査ができます。(クリックして下さい)

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遠近両用コンタクトレンズ

レンズの中に遠用部分と近用の部分を配置しレンズを交換しないで遠くも近くも見えるようにしたコンタクトレンズです。遠近両用眼鏡の様に上下に配置したタイプと同軸にドーナッツ状に配置したタイプがあり、改良が進み現在はドーナッツ状のタイプが主流になりました。周辺の形に改良が加えられ遠近の視力が出易くなりました。ハードレンズとソフトがありますが現在はハードの方が視力が出ます。5年程前にレインボー社から初めて実用タイプの遠近両用レンズクレールRが発売されその後各社が改良を加え種々のタイプを発売しました。初期のタイプでは成功率が4割位でしたが2年前にニチコンから発売されたプラスビューRは6〜7割で成功するようになりました。酸素透過性もEXタイプと同じレンズを使用しており安全性も非常に高くなっています。この種のレンズはしばらく使って見ないと判らないので最初は2週間無料で試す事が出来、良さそうなら処方となりますので迷っている人も安心して試す事ができます。

ソフトタイプの遠近両用レンズは使い捨てレンズが主流でアキュビューバイフォーカル(ジョンソン&ジョンソン)、フォーカスプログレッシブ(チバビジョン)などがあります。アキュビューは中心が、フォーカスは遠く重視になっていて、瞳孔の大きさや使用環境によって見え方が違いますので試してみて選択すると良いでしょう。

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円錐角膜用コンタクトレンズ ローズKR(ニチコン)

円錐角膜とは通常ほぼ球面である角膜面の中央が尖ってきて円錐形(コーン)になる疾患です。初期には乱視が強くなり頻繁に眼鏡の修正が必要になりその内眼鏡では視力が出なくなりますが、コンタクトレンズでは変形した角膜とレンズの間に涙が貯留し視力が矯正できます。しかし進行して角膜の変形が強くなると通常の近視のレンズでは隙間が大きくなり過ぎ涙の貯留が追いつかなくなり視力が出なくなるばかりかレンズがずれ易くなったり部分的に角膜が擦れて角膜びらんが治らなくなり、細菌感染などを起こすと視力低下を招きます。今まではこのような重症の円錐角膜に対してはレンズの内面カーブの離心率を変え楕円や放物カーブにして中央のクリアランスを大きくし対応してきましたが円錐角膜の角膜は中央と周辺で全く異なるカーブなので一つのカーブで全部をカバーすることは出来ませんでした。しかしニュージーランドのローズ博士が設計した円錐角膜専用レンズローズKRは周辺の比較的正常に近い部分でアラインメントを取り中央のゾーンは非球面にする2段カーブを採用し、軽症から重症まで殆どの円錐角膜にぴったりフィットし、レンズの安定性、視力改善、角膜所見の改善などで非常に優れた効果を示し、欧米では殆どこのレンズが処方されています。しかもこのレンズを装用していると周辺のフィッティングにより中央の角膜が扁平化するオルソケラトロジー効果が出て円錐角膜の程度が改善する症例も見られます。中等〜重症の症例ではほぼ100%で成功します。むしろ初期の症例では通常の近視用レンズあるいはトーリックレンズの方が良い場合があります。

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使い捨てコンタクトレンズ

ソフトレンズは洗浄・消毒を怠ると感染を起こし失明するケースが多く、手間を簡便化する為に洗浄をしないで一回限りで捨てるレンズが開発され日本では1991年10月に1週間連続装用して捨てるアキュビュー(ジョンソン&ジョンソン)が初めて認可を受けた。当初の目的は一回で使い捨てる事にあり連続装用可能にする為、高含水率にし、かつリーズナブルな値段にする為レンズをフリーサイズにデザインを簡略化し大量生産しコストを下げる事に成功した。しかし連続装用により角膜内皮細胞の障害が問題になってきた為、その後終日装用で2週間使い捨てが主流になった。しかし現在では日本でもコールド消毒が主流になり通常のソフトレンズも安全に装用できるようになり使い捨てレンズは当初の目的とは全く異なった方向に向かっている。(旅行用、水泳用、スポーツ用)むしろ使い捨てレンズは不良品が多い、蛋白除去をしない為角膜障害やアレルギーを起こし易い、フリーサイズなのでレンズの動きが悪いなど欠点の方が目立ってきてむしろ目の障害が多いと言う報告もあり、アメリカでは酸素透過性レンズに移行しつつある。

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オルソケラトロジー

角膜のカーブよりフラットなハードコンタクトレンズを装着する事で角膜を変形させることで角膜の屈折を弱め裸眼での視力を改善させる治療法。30年前から行なわれていたが効果が不確実で数ヶ月掛かる為一部のオプトメトリストにしか知られていなかった。しかし1年前に特殊なデザインの超高酸素透過性レンズによるレンズがアメリカのFDAで承認され急速に普及してきた。初期のレンズは通常の近視用レンズのパラメータを中央と周辺のカーブだけ変えていましたが現在のレンズはそれぞれ全く異なったカーブの4つのゾーンを持つ特殊な形状で効果が非常に早く、また持続時間も長くなり以前は昼間装着する必要がありメリットが少なかったのですが現在は就寝時のみの装用で良くなりました。早い人で3日〜2週間で効果が出てきて、1〜3ヶ月で安定しますが、乱視が強い人角膜の硬さによって反応が悪いケースがあります。最初にトライアルレンズを1〜2時間装用しフィッティングが良く数段階の視力改善が見られれば大抵うまくいきます。費用は20万円〜50万円が相場のようです。

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