私は現在、東京都23区特別区の職員です。
すでに公務員ではありますが、事務職ではありません。
私のような事務職ではない人が事務職に移りたいと希望する場合は、
一般の方たち同様、「地方公務員試験(特別区)」に合格しなくてはいけません。
(能力認定試験と呼ばれています)

2000年度は、9/10にその試験が行われました。
もちろん、この日のために勉強してきましたので、私も受験してきました。

10月の中旬に結果の発表がありました。
残念ながら・・・合格することが出来ませんでした。
特別区職員の受験者722人中、合格者11人。
そして・・・私の順位は、「12番」でした。

なんということでしょうか・・・
どうせ不合格なら、100番とか、あきらめのつく順位のほうがよかったと思ってしまいます。

今年1回限り、と思って、本当に一生懸命勉強してきましたが、
あまりにもザンネンな結果になってしまいました…

Anyway・・・
今年1年間、必死で勉強してきたことや、試験のことなど、これから受験を希望される方に
少しでもお役に立てれば…と思ってこのページを作りました。
地方初級しか受験していませんが、国家3種を目指す方にも参考になると思います。


科目別勉強方法

1.一般知能分野

数的推理
この科目は、出題科目の中でかなりの比率を占めています。 4問くらいの出題です。
ここを落とすのはもったいない、でも、やって見るとかなり難しいことが分かります。
ひたすら過去問をといていくことを勧めます。
時間との勝負ですから、ここの4科目は全て、1問に5分以上かからないように
出来るようになることが必要でしょう。
資料解釈
こちらも4問ほど出題されます。大きな比率です。 
折れ線グラフ、表、その他、分かりづらいグラフも出てきます。
まずはグラフや表に慣れることが必要だと思います。
そのためには、やっぱり、過去問に数多く当たってみるのがいいと思います。
何を聞いているのか、数量は出ているのか、比率だけなのか、
そのあたりの判断力も養う必要があります。
判断推理
これは6問から8問ほど出題される、もっとも大切な分野かもしれません。
しかし、かなりトリッキーな問題が出たりします。
どんな問題が出ても対処できるように、同じことを何度も言うようですが、
過去問を数多くこなしていきましょう。
文章理解
現代文4問、古文か漢文1問、英文3問程度の出題があります。
現代文は要旨を問う問題が多いようです。 内容はかなり難しいものがでます。
英文は難しいのが1題、簡単なものが2題になっているような気がしました。

ただ、英語が苦手な人には苦しい内容かな…?
新聞や本を毎日読んでいくこと…そんなことが点数をGETすることにつながるのだと思います。

★数的推理、資料解釈、判断推理、文章理解で8割取ることを目標にしたら、
合格にかなり近づくのではないでしょうか?

2.一般知識分野

政治・経済
政治分野では、基本的人権・労働基準法・内閣・国会・地方自治などがよく出題されるようです。
今年度の特別区の試験でも出ました。
憲法全文をよく読んで理解しておくことも大切だと思います。
経済では、需要と供給に関するところや、経済擁護の意味を問う問題が大切だと思います。
ここだけで4問程度出題されるので、落としたくないところです。
社会
時事問題です。 今年の特別区の試験では出題されませんでしたが
国家3種のほうでは出題されたのでは?
毎日新聞をよく読んで世界の動きに敏感になっておくこと、そしてもちろん、
国内のニュースにも敏感になっておきましょう。
試験の3ヶ月ほど前くらいのものまでが出題されるようです。
日本史
広い範囲の中で、出題数は2題です。
ヤマをかけよう、なんて思わないほうがいいです。
まんべんなくやっていきましょう。 
特に、江戸、明治から1問、室町・戦国あたりから1問、が多いようです。
明治維新からの歴代首相の移り変わりと、そのころの歴史的事実を抑えていくことが肝心でしょう。
世界史
日本史よりもさらに広い出題範囲から2問です。
私は本当に世界史で苦しみました。 まんべんなく出来ずにいったため、
試験ではやってないところから出題されてしまいました。
特別区の試験では、帝国時代のことが問われました。
地理
ケッペンの気候区分・各国の主要産業・日本の地理が多く出題されるようです。
今年は、ケッペンの気候区分と、日本の離島を緯度・経度から当てる、というものがでました。
県名や県庁所在地だけでなく、離島までも覚えることが必要だったんだ…と後悔。
2題の出題。
倫理
歴史上の人物の行ってきたこと、キーワードなどを覚える必要があります。 1問出題です。
数学
今年は特別区の試験には出題されませんでした。
出たとしても、3次関数や2時間数、XYを求める、などの、高校初級レベルのようです。
物理
物理は1、2題の出題があるので、どちらか1問はとりたいところです。
特別区の試験では1問、それも、加速度を求めるという、とても簡単なものでした。
私自身、物理は高校時代まったく分からずに、この試験のために0から勉強してきましたが、
それでも試験に間に合いましたので、苦手、と決め付けないで、ぜひ挑戦してみてください。
化学
1、2問の出題。
特別区の試験では、電離質はどれか、というものでした。
こちらも1問は取りたいところです。
生物
血液の循環、生殖と発生あたりからよく出題されるようです。
今年は心臓を流れる血液循環が出題されました。
1、2問です。
地学
岩石・地震あたりが頻出でしょうか。
特別区では、火山が爆発してできる岩石についての出題でした。

3.作文

勇気について思うこと」という題について、
600字〜1000字程度、という作文試験でした。
ちょっと考えてみてください。 試験時間は70分。 どうですか、書けそうですか?
簡単そうに思える題ですが、かなりまとめていくにはハードでした。


4.適正試験

ゴメンナサイ、私は能力認定のため、適正試験は免除なんです。
適正を受験して今の仕事についたものですから、そのせいで免除なのだと思います。

こちらは、半年はやったほうがいいです、それも毎日欠かさず
いくら筆記のほうでいい点数が取れても、適正との合計ですから、
適正があまりにも悪いと不合格になってしまいます。
かなり最近の適正は難しいですね。 覚悟して望んだほうがよさそうです。
試験1ヶ月くらい前からは、1日に3回ほど適正の問題を解いていくことが必要だと思います。


5.試験後の感想

2時間の試験時間はあっという間でした。
本当に時間との戦いです。 時計を見ながら、1問に5分かかってしまったら、
その問題は後回しにする…そんな勇気が必要です。
もう少し、もう少し、と粘っているうちに、簡単に解ける問題を
落としてしまう可能性があります。

1問の出来、不出来で合格、不合格が決まるといわれています。
時間配分を正確に行いましょう。

私は特別区の試験しか受験できませんでしたが、過去問に取り組んだ感想としては
国家3種のほうがひねくれているように思えました。
今年の特別区の試験は、本当に素直な試験問題だったような気がします。
その分、点数に大きな開きが出来たかもしれません。

地方初級試験を受験される方は、ぜひ、国家3種の問題を多く解いていくと、
きっと試験場で慌てなくてすむことでしょう。


6.その他

私は別に回し者ではないのですが、自分のとても気に入った通信教育をご紹介します。

公務員試験をターゲットにしている学校はたくさんあるようですが、その中で、
「実務教育出版」というところでやっている通信教育を私は受けていました。
試験の前年の10月からはじめました。
まったく分からないところから、最終的にはほとんどカバーできる状態まで持ってこれましたので
とても感謝しています。

もう一つ…これは時間があれば、の話なのですが、同じ、「実務教育出版」で、
夏季の集中講座をやっています。
私が参加したのは、8/18-8/31まで、土・日を除く10日間のものでしたが
これで本当にグンと実力が伸びました。

専門校は、教える先生がスペシャル、気持ちの入れ方もスペシャルでした。
学生時代と違って、受験費用も交通費も全て自分もちですから、
ものすごく必死で講義を聞いて勉強することが出来ました。
もちろん、受験するからには合格したいと思ってのことです。

もっと時間のある方は、期間の長い講座もありますから、そちらに参加すると、
気合充分の先生がいろいろなこと…ポイントを教えてくれることでしょう。
とにかく、自分だけでの勉強より、ずっとずっとためになりましたし、
何よりも、周りにたくさんのライバルたちがいることで、自分の気持ちをよりいっそう高めることが出来ました。

上記の会社では、「こうなろ」という公務員受験専門の雑誌を出版しています。
本屋さんにもあると思いますし、なければ注文することも出来ますので、そちらもぜひご覧ください。
試験前には、時事問題のまとめも出ます。
毎月、誌上試験も受験することが出来ます。

(実務教育出版:03-3227-2233 東京都新宿区上落合2-26-3)


私はこの1年、本当に必死に勉強してきました。
前年の9月ごろから受験の準備を開始。
1/1に願をかけて、その日からハードな勉強を本格的にスタート、
試験当日、まさに試験が始まる直前まで勉強を続けました。

母子家庭ということで、こどもの面倒を一人で見ながら、普段は仕事に行って、
その上での受験勉強でしたから、かなりハードなものでした。
でも、それを言い訳にしたくはない…そう思って1年間、がんばってきました。

それなのに、今回の結果・・・!
あとどのくらい勉強すれば合格だったのか、あの勉強で不足だったのか、
考えれば考えるほど胸が苦しくなる・・・結果を聞いたときはまさにそんな感じでした。

集中講座に行ったときの先生の言葉が印象的でした。

「受かるかな〜、なんていう気持ちで試験を受けても絶対に受からない。
絶対に受かってやる、そういう気持ちで受験して、
受かるか受からないか、というところだよ。」

本当にその言葉そのとおりの試験でした。
狭き門ですが、実際に合格する人はいるのですから、
その合格者になれるようにどうぞがんばってください。

GOOD LUCK TO ALL OF YOU !!!


おわりに。

いつものように毎日が過ぎていきます。
楽天家の私です。
試験の失敗から立ち直るのも早いのです。

冷静に考えると、今の仕事はとても楽しくて大好きです。
特殊な状況下にある?ので、長期休暇が取りやすい利点があります。
朝早い勤務ですが、その分、夕方には終わって子供の帰りを迎えてあげることが出来ます。
おいしい料理も時間をかけて作ってあげることが出来ます。

私には趣味がたくさんあって、特に海外旅行が大好きなんです。
「旅行」と聞いて、皆さんはどの程度の期間を想像しますか?
海外に旅行するなら、少なくても8日間は行きたい・・・私はいつもそう思っています。
今の仕事なら年に少なくても1回は、8日以上の海外旅行に行くことが出来そうです
(理解ある上司に恵まれているのです)。

朝早く起きるということは、夜に時間がたくさんあるということです。
大好きなお菓子作り、ソーイング、コンピュータ、読書、
英字新聞の精読・・・そんなことがたっぷりと出来ます。
もし、事務職に移ることが出来ていたら、今と同様の生活を送れるのか・・・?
それは定かではありません。

なんだかずっと、事務職だけが私の天職、と思っていました。
コンピュータ使えるし、英語が話せるし、ある程度の事務経験があるし・・・と。

でも、何が自分にとって一番大切なんだろう?と考えたときに、
それが「自分の時間」であることに気がつきました。
あとはパズルが解けていくように、そうか、今の仕事って私にはきっとあってるんだよ、
という考えに行き着くのには時間はかかりませんでした。
肩に乗っかっていたものがドカンと落ちたような、
胸につかえていたものがス〜っと取れたような、そんな気分です。

神様が「あなたは趣味が多すぎていけない。
今の仕事じゃないとやっていけないよ」と
でもプライドを傷つけないように「敗北者のTOP」にしておいてくれたのかしら、
なんて思ったりしています。

必死でがんばって、がんばって、その結果がこれなんだ、と
あっさりと受け入れるのもどんなものかとは思いますが、
やるだけのことはやったから、とニッコリ笑うことに相成りました。

事務職だけが仕事ではないし、その分、自分の好きなこと、
特に英会話に磨きをかけまくって、
これからも楽しく人生を歩んでいきたいと思っています。

昨年の3月はパースに行って来ました。
今度の冬はタイ旅行を計画中です。
中米や北米、アフリカにも行ってみたいし・・・
行きたいところは山ほどあります。

・・・さて、どこに行こうかな?



ほーむ