涙のゆくえ

 

5年前。

最愛の母が亡くなりました。

中学生で父を亡くした私に、また訪れた肉親の死。

1年くらいは、皮肉なことに、楽しかった思い出は全然蘇らず

「あの時、なんであんな冷たい事言っちゃったんだろう?」

「なんでもっと優しくできなかったんだろう?」などと、

後悔の想いばかりつのる、号泣の日々でした。

どこにもぶつけることができない悲しみ。

いたたまれなさ、やるせなさ。 毎晩夜中に一人、背を丸めて枕を濡らし嗚咽するのです。

そんな中でも、「いったいこの涙は何なんだろう?泣いたって ママが戻って来るワケでもないし

どうにもならないってわかってるのに。この涙は何のため?どこから来て、どこへ行くんだろう。」

と冷静に考えてる自分もいました。

きっと、泣くことで、すっきりして、悲しみを発散させて いたのかもしれません。

そう考えると悲しい涙も悪くないですよね。

代官山の喫茶店で、デビュー以来お世話になっている作詞家の小林和子さんに「涙のゆくえ」というタイトルと、

そんな私の気持ちを全て話しました。

そして出来上がって来た詞を見て、号泣! なんて私の気持ちにぴったりなんでしょう!?

そのあと出来上がったピアノの旋律を聴いてまた号泣! なんて私の気持ちを優しく包み込んでくれるんでしょう!

そして歌ってまた涙。。。

こんな歌を歌う事ができて、歌い手冥利につきます。

散々泣いたので、もう泣きません。

そんな歌です。