自分でライナーノーツコーナー!

 

2002年11月20日。初のベストアルバムが発売となりました。
自分でも懐かしい楽曲がズラリと並び、改めて聞いてみると
その時の思い出が蘇って来ました。
皆さんもその当時いろんな思い出とともに聴いていてくれてたかも知れませんね。
という事で、僕の個人の勝手な視点で振り返って曲について書いてみる事にしました。


 

1 愛なんて信じない

  この曲が出来たのはデビューの一年程前、94年だったと思います。
  その頃都会の中のオアシスみたいな存在に、などと漠然としたコンセプトのもと
  曲を作っていましたが、そのせいかソフトなタッチのモノが多く、
  シングルとしての決定的候補となる楽曲を決めかねていました。
  そんな中、それまでにカズンのハーモニーでやっていない事をやろうと思っていました。
  そこで思い付いたのが、ずっと4度でハモるという事でした。
  大概ハモるという事の基本は3度とか6度のハーモニーが綺麗とされ
  うまく解け合う音程です。しかし、それを多様した事により、
  ソフトなカズンの声と4度の痛いハーモニーが微妙に
  「愛なんて信じない」と信じたいのに信じられない乙女心?女心?と
  マッチングしたように思います。それをアレンジャーの本間さんが
  うまく包んでくれまし。
  冒頭の詞の部分でもありますが、
  その頃しょっちゅう映画に一人で行っていたのはいずみちゃん本人です。
  秘密ですが、仮のタイトルが「ロードショーに一人で行く女」だったんですよ!
  ここに入っているのはシングルバージョン。アルバムはデュエットバージョンになってます。

  

2 傷ついた翼で

  これはホントカズンの王道中の王道ですね。
  この曲を作った時にインスピレーションを受けた曲があったんだけど何だと思いますか?
  (これ絶対誰も分らないとおもうけど)
  実はね、「エーデルワイス」。
  どこがって?ま、これはちょっと専門的になっちゃうんだけど
  エーデルワイスのアレンジって展開形というハーモニーを多用してて
  凄くふわふわ浮遊感があるのね。
  そんな浮遊感のある曲を作りたいと思ってたんだよね。
  そしてそんな浮遊感と、どんな事があっても空に翼を広げて飛び立っていきたい
  上に向かっていきたいって思いがマッチして歌になったんだよね。
  2番の最初の歌詞の「ずっと歩いて来た私の道を〜・・・」
  の部分は、思い付いた時これこれ!って一人で盛り上がってたんだけど
  いろんな事あるんだけど、いい事も悪い事もぜーんぶあるから今の自分があるんだよね。
  過去なんて一つも変えられないし、変えなくていいんだよね。
  これは自分達にとっても応援歌です。

 

3 ベルが鳴った

  これは今をときめく小森田さんの曲。
  それまでのカズンでは生まれてこないであろうと思われた曲で
  軽快でダンサブルね。今となっては懐かしいポケットベル。
  恋人達はポケットベルが鳴る度に思いが近くなる気がする時代でした。
  って言ってもほんのちょっと前の話なんだけどね。
  関西エリアのポケットベルのコマーシャルソングに鳴りました。
  松雪泰子さんがでてたんだよ。

 

4 雨の日も風の日も

  いやー爽やかですね。杉さんらしいきらびやかなポップスです。
  こんな爽やか青年を歌ってしまえる当時のうるしどひろしだったんですね。
  ま、これをレコーディングしたのは20歳の時でしたから、
  今は逆にこんな風には歌えないなと思います。
  その時その時のアプローチがあって、これを歌った日の僕にはもうなれないですからね。
  レコード、レコーディング、と言うのは「記録する」という語源ですからね。
  ホントその当時の記録ですね。恥ずかしくも真直ぐな自分に会える気がします。

 

5 冬のファンタジー

  これは皆さんよく御存じの曲となりました。
  いまだに冬となると思い出してもらえるこの曲は3枚目のシングルでした。
  ホント無名だったカズンの曲がサッポロビール冬物語のコマーシャルソングになるとは
  夢にも思いませんでした。
  小さな頃からよく父に連れていってもらっていたスキー。
  子供ながらに連れていってもらっているにも関わらず、スキーを滑るのは自分一人でする事。
  右に曲がるも左に曲がるも自分が決めて滑るという事がとても楽しくって
  周りに人がいっぱいいても僕一人と銀世界というファンタジーに浸ってました。
  とってもませた変なガキでしょ?
  でも、そんな経験が普段東京で住んでいると感じられないような雪の世界を
  僕の中に残してくれていたんだと思ってます。
  だって、自分でもこの歌の中の銀世界ってリアルだと思うもん。
  そこから出て来た言葉がちりばめられてるって思うし、曲になってると思います。
  そんな世界を作詞家の小林和子さんがファンタジーと現実の恋愛観みたいのを
  バツチリ繋ぎ合わせてくれました。
  

6 想い出をつくろう

  冬のファンタジーがロングヒットとなってちょうどピークの頃に
  この曲が発売になり、ちょっと影になってしまったけれど
  とっても素敵な曲でしょ?
  ちなみにスノーボードはした事ない。



7 水曜日に会いましょう

  とっても多忙を極めていたこの頃。曜日の感覚もおかしくなりがちでしたが、
  人でいっぱいの土日等に街へ出れる事はほとんどなく、
  行くとすれば平日がほとんどでした。
  平日の買い物はスイスイ快適でした。
  そんな時、その頃水曜日がお休みのデパートガールとサラリーマンの恋。
  ってアイディアが浮かびました。水曜日はノー残業デイと何かと
  週のまん中で注目を浴びている気がしました。
  そんなアイディアと心地よいボサノバがマッチングして出来ました。
  アレンジは僕がずっと憧れていた清水信之さん。
  確か初めて清水さんにアレンジをお願いしたのは「想い出をつくろう」のカプリング
  「あの頃の友達へ」でした。そりゃもう憧れてたし期待以上の仕上がりに
  ちょーハッピーだったのを今でも覚えています。(この曲も入れたかった!)
  そんな流れもあり、2枚目のアルバム「love & smile」は清水さんに半分程お願いしました。
  一緒にアレンジしようよと言ってくれ、アルバムの「ひとちがい」を一緒にしました。
  この「水曜日に会いましょう」もホント大好きなアレンジです。
  


8 恋する惑星

  これまた小森田さんと小林和子さんのゴールデンコンビ。
  最近はアコースティックのライブが多いからボサノバタッチにアレンジした
  バージョンが多いけど、このバージョンはやっぱりわくわくしていいよね。
  「横顔を見てたらなぜが懐かしかった これで3度目なのに」
  ってとこがちょードキドキ。だいすきです。


9 夢追いかけて

  映画宮沢賢治物語の主題歌になりました。
  島根県宍道町の夏のイベントで始めてこの歌ライブで歌った事思い出します。
  夏の屋外ですから虫さん達がいっぱい飛んで来ました。(食いそうなくらい)
  レコーディングし終えたばかりのこの曲のイントロを何とか弾き切り
  歌に入った頃真っ白になりあーダメだと思い
  「ごめん!ごめん!もう一回最初からやらせて!」
  と言ってやり直しました。ライブでの失敗は数知れず。
  でもこの失敗が印象に残っているのは島根の空とか風景が
  この歌にとってもマッチしていると思ったのね。
  で、またイントロから弾きはじめて歌った時
  とっても気持ちよかったんだ。



10 サイレントナイト

   これは隠れファンの多い曲。
   2001年、新日本フィルハーモニー交響楽団との共演したクリスマスコンサート。
   改めてこの曲がいいとたくさん御意見頂きました。
   映画のようなスケール感が自分でもとても好きです。
   実は大学の時の先生だった三宅一徳先生とのコラボレーションです。
   弦のアレンジが出来た時、凄く雪の世界が広がったのを覚えています。
   フルートと弦の絡みが絶妙に雪な感じです。
   古川さんのアコギも気持ちいいです。



11 二人のsomeday

   当時遠距離恋愛をされていた方はかなり
   この曲で元気になってくれたみたいで、
   実際に遠距離を乗り越え無事御結婚された方もいらっしゃいました。
   今これ聴いてみるとかなり未熟打ち込み小僧入ってますね。
   ま、それもレコードレコード。

   

12 ハッピーレイン

   アルバムトマトベイビーは初めてプロデューサーの木崎さんを迎えて制作しました。
   夏のある時、打ち合わせをしてたら外はスッゲー雷と雨。
   こんな雨の中びしょびしょになりながら始まる恋人達のストーリーの
   歌を作ろうって事になりました。
   (今考えたらこれってもっとフレンチーな感じのアプローチの全然違う歌にもなる気がする。)
   歌づくりのきっかけはちょっとした事から始まります。
   ギターは僕の大好きな佐橋さん。(トマトベイビーで大活躍)
   一番最後のアウトロの部分でいずみちゃんと僕で雨にちなんだ
   有名な2曲をモチーフに連弾してます。
   これ隠れキャラね。



13 クレッシェンンド

   なんか奥ゆかしいと言うか奥ゆかしすぎる女の子の片思い。
   すっごく日本の女の子って感じがしてて
   和のテイストを入れたかったのね。
   でイントロにお琴を使ってたのね。で吉田兄弟か誰かに弾いてもらおうか
   なんて一人で盛り上がってたんだけど、ちょっと生お琴は行き過ぎって事になり
   お琴風シンセにしました。
   なんかこの頃から改めて僕の中の和な感じって意識し出した気がする。
   


14 あなたに会えてよかった

   今でも朝日ソーラーのCMで流れてます。
   ライブの定番でよくピアノ一本でやってますが、
   このアルバムのバージョンではアコーディオンとストリングスの
   ラインがこの歌の主人公の二人みたいにうまく掛け合って解け合うように
   アレンジしました。

   

15 泣くのは後にしよう

   これは未発表曲で、トマトベイビーの時にアルバム用に録ってありましたが
   選考から外れていました。
   歌詞が痛いので曲は元気にと思っていましたが
   レコーディングで何回も聴いているとそれでもブルー入ってくるんだよね。
   個人的には結構好きだったので今回こういう形で日の目を見る事が出来て幸せな曲です。



16 ハッピーハッピー

   これまた未発表のもの。 
   なんかタイトル通りハッピーな感じにしたかったので
   最初から最後まで二人でユニゾンで歌ってみました。
   若夫婦な感じでしょ?
   ま、実際うちらは夫婦じゃないですが。
   でもねよくカズンって夫婦ですか?なんて聞かれるもんで。
   赤い軽自動車ってのが妙に親近感あり過ぎでリアル過ぎる気がしてましたが
   この歌にはピッタリだったんでしょうか。