2006年6月

リアルワインガイド誌のテイスターを務めているので、自分の飲んだワインにも同様の点数を2006年1月から付けさせて頂きます。
点数はあくまでも私の主観であり、当該ワインの状態に良し悪し(ボトル差)がある点は十分にご理解をお願いします。
飲み頃予想については、私個人が熟成したワインがそれほど好きではないので、自分としてのピークを優先して考慮した結果です。


ワイン名 生産者 コメント
27 ディス クミエリス

今飲んで: 92
ポテンシャル: 92+
飲み頃予想: 今から10年以上
04 ヴィエ ディ ロマンス フリウリ このワインは訪問先の魚津屋さんに頼んで持込をさせてもらった。マルヴァジアという葡萄品種が、どれほど和食に合うのか、個人的にもかなり興味があったからだ。

個人的には、和食にはピノグリージョ、ソービニョンの2つが、一般的に合うように思っていたが、それ以上の相性の良さを体験することが出来た。

全てのマルヴァジアワインが和食に合うとは思わないが、このディスクミエリスと魚津屋の料理は、私の15年に近いワイン経験の中でも最高の相性だった。完璧なマリアージュだったのだ。

訪問先の魚津屋は知る人ぞ知る、和の名店である。京料理とは一線を画す、ご主人の小森氏の和の創作料理だが、おそらく小森氏は天才だろう!これはヴィエディロマンスのワインにも通じるのだが、素材と味付けの「バランス」の良さが最大のポイントである。

おそらくこのディスクミエリスは、もう数本しか入手が出来ないワインだろうから、見かけた方は絶対に数本の入手をお薦めする。そして、まず1本自分で飲み、それから、自分の融通の利く和食店に持ち込み、料理とあわせて欲しいのだ。その素晴しさが理解できるはず。ただし、最低限のレベルの和食店であることは当然ですが!

私がこれほど絶賛することは滅多にありません。その点、このワインと料理がどれほど素晴しかったかは、理解される方も多いでしょうね!
15 パレオビアンコ

今飲んで: 88
ポテンシャル: 90−92
飲み頃予想: 2007年から10年以上
04 レ マッキオレ トスカーナ パレオビアンコが店頭で販売されていて、それを立ち飲みできた事は、まず幸運だったと思える。04年のビアンコは生産本数が少なく、日本には1000本弱しか輸入されていないことを考えると、酒屋で見つけた場合は、買った方が良いでしょう。

香はキレイなトロピカルフルーツに、ローストやバニラがバランスよく感じられたが、やはり輸入されてから2ヶ月も経ていないので、味わいの中に、木のニュアンスが多少強く感じられた。

酸の締りはかなりのレベルで、長期の熟成を視野に入れるべきワイン。おそらく1年後は、まったく違った印象があることだろう。

まぁ、このクラスの味わいで、欠点を指摘することも無いのだが、このワインが持つ、本来のポテンシャルを感じるには、もう少し時間が必要と言うことです。
シッカーニョ ネロダボラ

今飲んで: 80−82
ポテンシャル: 80
飲み頃予想: 今から5年以内
04 オッキピンティ シチリア シチリアのヴィットリア地域で、バイオダイナミックでワインを造っている新しいワイナリーだろうか。

シチリアでバイオ、と言う、まさに流行の最先端を行くようなワイン。日記にも書いたが、抜栓後、2時間近い間でも、独特のビオ臭(私はまったく好きではない肥料臭)が消えず、時間の経過とともにワインの味わいまでも下降してしまった。酸が突出して、タンニンは青さが目立ち、かつ、タンニンもほとんど感じられない。

ワイン自体は濁りの無い、キレイな作りではあるが、それを考えてもワインとしての美味しさが少ない。この手のワイン、バイオじゃ無ければ、「貧弱な臭いワイン」として片付けられるはずなのだが、なぜ市場では美味しいと言われてしまうのか。現在の日本のワイン市場(まぁ、世界的にかな)における、自然派ワインの優位さを改めて感じさせられたワインだった。このワイン、ほんとうに好きじゃない!
13 ドレー トカイフリウラーノ

今飲んで: 89−90
ポテンシャル: 90+
飲み頃予想: 今から5年から10年

04 ヴィエ ディ ロマンス フリウリ トカイフリウラーノ、フリウリの土着品種では一番好きな白葡萄だが、ジャンフランコの手にかかると、葡萄品種のティピカルさ、がよく分からなくなる。その半面、ワインとしての完成度の高さには唸ってしまう。それほど美味しいワイン。

抜栓直後、アロマチックハーブの香りが多く、味わいも同じような、そして、若干の苦味へと引いていく。しかし、時間の経過と共に、甘く・魅惑的な香りが出始め、味わいも甘さがじわじわ、逞しさが現れ始め、苦味が全く無くなっていく。

ほんとうに完成度の高いワインだ。経験上、トカイの特徴が出るのは、たぶん10年後だろうか・・・。それまで待つことなど出来ましぇん!!
チャントンス ロゼ

今飲んで: 90−92
ポテンシャル: 92+
飲み頃予想: 今から10年
04 私が世界で最も美味しいと思っているロゼワイン。まぁ、これをロゼと定義づけすると、他のロゼワインは何なの・・・となってしまうかな(笑)。

ほんとうに上級の白ワインを髣髴とさせる味わい。酸も果実味も豊かで、余韻が長ーい!特にこのヴィンテージ、素晴しいです。長期熟成を視野に入れて、何本持っていても邪魔にならない稀有なワインでしょう。
ドゥットゥ ウン

今飲んで: 92+
ポテンシャル: 92−94+
飲み頃予想: 今から10年−15年以上可能
03 造り手であるジャンフランコ自身が、「このワインはモンラッシュを意識して造っている」という幻の白ワイン。実は生産量が2000本弱なのだ。

まぁ、私はモンラッシュ自体飲んだことがないので、彼が言わんとすることが、残念ながらよく分からない。やはり一度くらいはモンラッシュを飲む必要があるのかな・・・誰か飲ませて(笑)。

彼のワイン、リリース直後はどれも同じような香りがあり(アロマチックハーブと完熟した果実香、特にトロピカル系)、味わいはパワフルで余韻まで甘さを感じる。その中でも、特にこのワインは、一回りも二回りもスケールの大きさを感じさせる。ある意味、イタリアで最高の白ワインなのだろう!このワイン、飲める人は幸せだよ。
スクリオ

今飲んで: 93−94
ポテンシャル: 94+
飲み頃予想: 今から15年前後
01 レ マッキオレ トスカーナ 久々に飲む機会に恵まれた素晴しいシラー!これだけ濁りの無いシラー香を持つワインが、世界にどれほど存在するのか、私はいつも考えてしまう。

特に01年のワインは、エウジェニオの遺産的な要素があるし、ワインとしても本当に素晴しい!ソフトで味わい深く、余韻にも洗練さが続く。ありきたりな言葉で申し訳ないが、エレガントなワイン、という表現がピッタリ。

このワインなら、ある程度の金額を払っても満足できる。現時点ではメッソリオよりは間違えなく上の味わい。
ロエロアルネイス レチット

今飲んで: 88
ポテンシャル: 88
飲み頃予想: 今から2010年
05 モンキエロ カルボーネ ピエモンテ 05年からDOCGになったロエロ地域のワイン(ロッソのリリースは2007年からだろうか)。

この05年のアルネイス、香から素晴しい!味わいや余韻のバランスも秀逸で、食前酒やアンティパスとに合わせるものとしては最高だろう。

まだ果実のフレッシュさが多く、少し炭酸ガスを感じる方が多いかもしれないが、夏を越えたあたりに飲むと、また違った印象を持つことだろう。

日本ではジャコーザのアルネイスがかなり評価をされているが、アルネイスはモンキエロ、マルヴィラがツートップである、間違えないで欲しい。
A.A.ソービニョン モック

今飲んで: 88−89
ポテンシャル: 90+
飲み頃予想: 今から2013年
04 サンタマッダレーナ アルトアディジェ 相変わらず素晴しいワイン。これだけのパフォーマンスを持つソービニョンはなかなか無い。9割の人が褒めるだろう品質を持つ。

あと数年、熟成をさせて飲んだら、たぶんリースリングのようなオイル香が出てくるような気がするが、それまで在庫があるのだろうか??
シャルドネ チャンパニスヴィエリス

今飲んで: 90+
ポテンシャル: 90−92+
飲み頃予想: 今から2016年 
04 ヴィエ ディ ロマンス フリウリ あまりワインを褒めすぎるのはどうかと思うが、それにしてもこの蔵のワインは素晴しい。これで樽熟成をかけていないのだから畏れ入ってしまう。

香から味わい、そして余韻と、ほぼ完璧なバランス。同ワインはかなりの本数をすでに飲んでいるが、ほぼ毎回、同じ印象があり、ワインの完成度の高さを感じさせる。

これがイタリア白ワインのスタンダードとなる日も、そう遠く無いだろう。まぁ、日本以外ではすでにそうなっているけどね!!
ロッソイブレオ

今飲んで: 87
ポテンシャル: 88+
飲み頃予想: 今から2013年
04 グルフィ シチリア おそらくステンレス仕上げの赤ワインの中では、まさに最高と言える1本だろう。決して凝縮をしたワインではないが、バランスの良さは秀逸だ。

ワインとしての売りが「魚料理と合わせる」なのだが、白身の魚は難しいとしても、その他、ほとんど全ての料理と合うだろう。ぜひお試しあれ!
マッキオレロッソ ウルティマアンナータ

今飲んで: 88−89
ポテンシャル: 90+
飲み頃予想: 今から2013年
03 レ マッキオレ トスカーナ 03年の暑さを全く感じさせない酸が素晴しい。やはりこのヴィンテージはイケテイル!

現時点でもバランスが良く、十分に楽しめるワイン。98年から03年の6ヴィンテージの最後を飾るに相応しいワインとなった。一度、このワインの垂直会を日本でやってみたいと思う。
アマローネ セレチオーネ

今飲んで: 90
ポテンシャル: 92+
飲み頃予想: 今から2026年
02 サンアントニオ ヴェネト アマローネは難しいワインだが、このセレチオーネは、その中でも若いヴィンテージから楽しむことが出来る。ソース系の肉料理、煮込み系の肉料理には、ぜひ一度合わせてみてください。

私は凝縮しているワイン(某高額アマローネは凝縮しているだけだ!)が素晴しいとも思わないし、そんなことで誤魔化すのは止めてほしいとも思ってしまう。やはり、ワインは飲み口が優しくないとダメでしょう。
パレオロッソ

今飲んで: 92−94
ポテンシャル: 94+
飲み頃予想: 今から2020年

01 レ マッキオレ トスカーナ 今年に入ってから、パレオロッソ01年はかなりの本数を飲む機会に恵まれている。まぁ、仕事上の幸運と言うしかないのだが、それにしてもブショネは別として、このワインの美味しさ、また、ポテンシャルは凄いものがある。

もちろんパレオロッソとしては、最高のヴィンテージであることは確かだし、これだけの品質のワインは、世界中探してもそうあるもので無いだろう。このクラスのなると葡萄品種云々ではなく、自然と造り手の気持ちが最高の部分で合致した結果、ということだろう。改めて、エウジェニオに合掌・・・。
ジャッロ デイ ムリ

今飲んで: 87
ポテンシャル: 88+
飲み頃予想: 今から2012年
03 テヌータ ディ ヴァルジャーノ トスカーナ このワインはユニーク!いつ飲んでも同じ印象を受けることがない。今回はリースリング的なオイル香があった。たぶんゲベルツから来るのだろうが、これからの熟成でどう変化するのか、本当に楽しみ。

このワインの持つユニークさ、分かるとワインの楽しさが倍増することだろう!これってバイオダイナミックだからなのかな?
キャンティクラシコ ドントマーゾ

今飲んで: 89+
ポテンシャル: 88−90
飲み頃予想: 今から2020年?
99 レ コルティ トスカーナ 昨日、チェパレッロを飲んでいたので、ちょうど良いタイミングだった。この99年はメルロが若干ブレンドされているはずで、やはりその分果実味が豊かでソフトな印象があった。

まだ色も濃く、熟成は殆ど感じない。ワインが落ち着いてきた程度で、その落ち着きが何とも言えず素晴しい。とにかくバランスが良く、飲み飽きしないし、肉料理との相性は抜群!

もう市場で見つけられる機会そうないだろうが、どこかのイタリアンで在庫があれば飲むべきキャンティクラシコだ。
チェパレッロ

今飲んで: 90+
ポテンシャル: 88−90+
飲み頃予想: 今から2020年?
96 イゾーレ エ オレーナ トスカーナ 久々に古いワインをセラーから選んでみた。ちょうど10年目のサンジョベーゼの名品だ。

10年経たとはいえ、まだまだ濃い目のルビーレッドで、エッジに若干のオレンジ。それにしても若さが光る!酸も十分にしっかりしているのは、やはりサンジョベーゼの特徴だろう。若干、余韻に酸が目立つが、それだけポテンシャルがあるからだろう。


96年は市場ではそれほど評価をされていない年ではあるが、96年の上級ワインを飲むと、ほんとうに素晴しいワインが多く、ワイン評論家の虚実が分かるよね!ワインの味わいを計るには、やはり10年は必要ということ。皆様もリリース直後のワインで、ワインの可能性を判断しない方が良いですよ。