5月30日
今日、レラさんを空港へ迎えに行き、
ランディさんや数人の友人と合流した後、
一緒に夕食を食べることになった。
場所は、事務所近くの割烹料理屋。
「どこか彩ちゃんのところの近所で
美味しいお店選んでよ」
というランディさんのリクエストに
こたえて選んだ店だ。
愛想は良くないが、料理がどれも
美味しいわりに、価格は手ごろで、
普段はランチによく通っている。
でも、このお店じゃなかった方が
良かったかなぁと思ったのは、
お店に入って10分も経たない頃だった。
レラさんという人は、本当に子供の
ようなところが残っている。
シーンとした店内、少量ずつ出される料理が
どうも窮屈で退屈だったらしい。
そして、無表情な店主も…。
気が付くと、ガラスの箸置を
何度も指でひっくり返し、
カチャンという音を出している。
店主が料理を作りながら、
チラッと時折こっちを見る。
数回までは、私も気が付かないフリを
していたのだが、「ほら、これ高く飛ぶよ」
と言い出したので、さすがに私も
「レラさん…やめましょうね」と
小さな声で諭すしかない。
しばらくすると、目の前で水槽にいた
オコゼが裁かれ、揚げられた。
それをカウンター越しに見たレラさんは
「残酷だ〜。恐っろしい」と大騒ぎ。
その料理がイザ、
他のお客さんのもとへ運ばれると、
「なんだ〜。そっちに行っちゃうの?
楽しみにしていたのに」
私達は、レラ節に始終大笑いだった。
しかし、店主にとっては、迷惑だったようだ。
どうも、態度がピリピリしている。
実はこのお店、美味しいことは美味しいのだが、
もともと、あまり愛想のいい店主ではない。
出る頃には、限界に達しているような顔つきだ。
帰り際「騒がして、ごめんなさい」と皆で言ったのだが、
返答ひとつしなかった。
帰り道、私は冗談半分
「ねぇ、レラさん…このお店、私しばらく行けないよ〜」
と言ったのだが、実のところ、
もうあの店行くのはやめようと思う。
確かに美味しい。
でも、客商売なのにあまりに愛想がない。
お店って美味しいだけじゃ、
やっぱりダメなんだよね。