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ICAO騒音規制とソビエト製航空機

2002年4月より、国際線において一部のソビエト製航空機の運行ができなくなりました。これは国際民間航空機関(ICAO)の航空機騒音基準チャプターIIIに基づき、EUなどが設けた新しい騒音規制に適合しない航空機の運行が禁止されたためです。この基準は、1990年に合意され、1995年4月1日以降、段階的に導入されてきました。

しかし、EU諸国がソビエト製航空機の運行を禁止すると、ロシアは報復措置として、EUの航空会社の一部のフライトの乗り入れを禁止にしました。現在EU側では猶予期間を設け、ソビエト製航空機の運行を認めることで、ロシア側の措置も解除されています。

一部の航空会社では西側の航空機やTu-204を導入したり、Tu-154MやYak-42Dのエンジンを改造したりして基準をクリアしていますが、小規模な航空会社では資金面などから難しい状態にあります。貨物航空会社の場合は、チャプターIIIに適合していない場合でも航空機の運行が認められているので、基準をクリアしているのは資金面で潤っているボルガ・ドニエプル航空やアントノフ航空などごく一部のようです。

日本ではウラジオストック航空とダリアビア極東航空がTu-154を運行してきましたが、両社ともチャプターIIIに適合しているTu-154Mを運行しているので問題ありません。ダリアビアは、新潟線ではTu-214も使用しています。また、Il-76による貨物便が新潟からハバロフスクに飛んでいましたが、こちらは運休になりました。日本ではターボジェット機のみに騒音規制がされているため、プロペラ機のAn-24を運行するSATサハリン航空には影響はないようです。

 

チャプターIIIに適合している航空機

An-124-100(一部)
Il-96-300
Il-96M
Il-114
Tu-154M(一部)
Tu-204
Tu-214
Tu-334-100

参考: チャプターIIIに適合していない西側航空機

B707/720B
B727-100/-200
B737-200
B747-100/-200/-300/SP
BAC1-11
DC8-50/-62/-63
DC9-30/-40/-50
DC10-10
F28