「海をこえて来る 人。かざりたてた 顔」

・・・または「異端航記」という名の、旅を想う。

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空を想い、海を愛し、

たった一人の夢を飼い、波打ちぎわの時を捨て、青い海空だけ抱いて、

船を曳いて、旅立とう。

心の中に、夢幻を病む、それだけでももう浜辺には、あまりに長い間留まっていた。たたずんで、

なにもしないで、立ち尽くして夢を飼っていたから、

あまりに長く立ち尽くし、いつか行こうと決めていた、その立った一歩が踏み出せずに、

泣きながら水平線をにらんで、ゆく舟影ばかり、

見送っていたね。

星星との約束を、忘れかね。

世界に出会い、打ち倒される。ちりぢりのちりに還る。

船を曳いて、家の明かりに背を向けて。

故郷にさよならを永遠に。それでよかったから。

帰ってきたくなかったから。永遠にそれまでのすべてを振り捨てた。

子どもの頃から長いこと、立ち尽くし、石になって、あの伝説になった塩ばしらの女のように、

海に答える声がもうなかった。

やさしい時代に答える声が、心の中でもう壊れてしまっていた。

言葉にならない夢物語、語り疲れて故郷の家を捨てた。

言葉も夢も、何もかもに別れを言って、

誰もが見ていた同じ夢だけを、曳く船に託すだけ。

船を曳け。

岸辺を離れ。

誰もが見ていた、平凡な夢だけを輝かしくも船縁に燈せ。

「幸せになりたかったよ。」

それだけの光、船に蛍のように輝かせて。

泣きながら今までのすべてを捨て去ろう。

海を想う。

空を愛す。

世界に出会い、打ち倒される。そのためだけに、故郷を離れて船を出す・・・

海をこえてきた 人。かざりたてた 顔。

そんな自分になって、還って来ても・・・。

其の時も今も昔も・・・幾度も幾度も独りで船を。

 

想いは遠く、船を曳く―――

 

「異端航記」って、なんでしょね?(^_^;)。
これは、私が生涯で最初に書いたSF小説のタイトルです。ははははは。主人公は、まーだガキのくせしてドロップアウトして、「遠く」へ行ってしまう、「馬鹿もん」。(^_^;)
書いたときには、14歳だったので、自分が本当に将来、「遠く」へ逃げていくことがあるとは思ってなかったね。

ははは。中米まで、逃げていくとは。想像も出来てなかったです。でも、実際にやったので、ちょっと自分で自分の将来、分かってたのかもね。その後、何年かして書いた続編では、主人公は故郷へ疲れ果てて帰ってくるの。(^^;)人生は航海(後悔もあるけど)ですけど、予言的なものは当たって欲しくないなー。


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